リチャード・アダムズ
●「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」(評論社文庫/上・下)
これを書いてる12月上旬はハリーポッターも劇場公開し、来春には指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)も公開予定。書店でもその辺を意識してか、ファンタジー作品のコーナーを設けているのをよく見かけます。そのコーナーに置いてある本の帯に「ハリーポッターを読んだら次は」「ハリーポッターの原点」などやたらハリポタハリポタしてるのがあざと過ぎですが。
そんなワケで大人も観賞しうる冒険活劇ファンタジーがクローズアップされつつあるんですが、僕のオススメはコレ、「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」です。
内容は、一言で言えばうさぎでガンバ。これでほぼ伝わります。
うさぎを死に追いやる「白い煙」が住処を覆うコトを予見したファイバーと、その言葉を信じ新天地を求め旅立つヘイズル。仲間と力を合わせ、道中数々の難関を超えていく物語。そして、白鼬ノロイに匹敵する強敵も用意されてます。
児童文学という「容れ物(ジャンル振り分け)」に嘗めてかかりがちですが、非常に骨太。うさぎルールやうさぎ神話など、世界観の構築がしっかりしています。「児童文学=子供相手」ゆえに子供騙しな印象を持つかも知れませんが、逆に子供は記憶力が柔軟で矛盾に気付きやすくツッコミが厳しい。子供の納得のいく作品は難しいと思います。これはその辺も問題なし。
うさぎの視点で徹底的に書かれている冒険物語。かなり素敵な作品です。
(20011202)
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