北野勇作


「かめくん」(徳間デュアル文庫)

かめくんは、自分がほんもののカメではないことを知っている。ほんものではないが、ほんもののカメに姿が似ているから、ヒトはかめくんたちのような存在をカメと呼んでいるだけなのだ。だから、カメではなく、レプリカメと呼ばれたりもする。
---「木星戦争」に投入するために開発されたカメ型ヒューマノイド・レプリカメ。「どこにも所属していない」かめくんは、新しい仕事を見つけ、クラゲ荘に住むことになった。しかしかめくんはかめくんであってかめくんでしかないのだった…。


 まったりとした、何とも言いがたい空気の流れる作品です。非常に評判のいい作品ですが、この味わいは邦画に近いと思いました。効果音やBGMを極力排した邦画の雰囲気。絵にしたときの構図が至ってシンプルな印象です。

 作者は劇団の役者でもあるそうで、その辺りがもしかしたら作品の雰囲気に担っているのかも知れません。

 非常に感想が書きにくいです。内容は、どうでもいいんじゃないでしょうか(暴言)。ストーリー的な部分では何ら奇抜さも目新しさもなかったですが、こうした邦画的なまったりした雰囲気がこの作品の一番のキモだと思いましたので。
 読了直後は評判の割にはイマイチだったなと思ったのですが、最近はそう考え始めています。

(20031025)


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