東野圭吾


●「探偵ガリレオ」(文春文庫)

突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮かんだデスマスク、幽体離脱した少年......警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。

燃える/転写る/壊死る/爆ぜる/離脱る 以上5編収録

 森博嗣の作品は理系ミステリと言われていたのですが、実際読んでみれば理系知識を要求しないものになってます。理系ミステリという言葉から思い浮かべるミステリ、それに相当する形式を持ってるのがこの作品です。

 雑学的な化学反応などの小ネタをトリックに使ってみよう、人殺しで表現してみようという感じで、そうしたちょっとしたネタを物語に纏めあげる手腕は流石です。ベテランのベテランたる部分を感じました。正直、理系知識のない自分なので、トリック部分は解決パートを読むまで分からなかったのですが、きちんと伏線を張ってたりと、ミステリの容れ物から外れてないあたりに堅実な小説作法を感じます。

 解説が佐野史郎。探偵役である湯川学のモデルになってるそうです。特命リサーチがルーツかと思ったのですが、映画で佐野史郎が探偵役を演じていたのがルーツだそうです。佐野史郎の解説、無理矢理ジャプリゾを引き合いに出して推理小説の解説らしくしようとしてるのが微笑ましくて好感触。

(20021129)


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