「Y」の悲劇


 アンソロジーです。クイーンの「Yの悲劇」でのダイイングメッセージY。原体験としてこの「Y」に強烈な楔を打ち込まれたミステリファンも多そうです。そして当アンソロジー、各作家なりの新たなダイイングメッセージYが構築されています。実はコレ、夏に北海道に帰省した時に読んだので、もうほとんど記憶にありません。かなりいい加減なレビューになりそうです。毎度のコトですが。

有栖川有栖「あるYの悲劇」

 ワンアイデアを短編に。二階堂黎人作品の蘭子の主張、「例え現実にあり得ない毒薬でも小説内で扱っても構わない」ってのを思い出した一編です。デビュー作の段階でもう「Y」へのオマージュ的な作品だけあってかなりのクイーンファンです、有栖川。

篠田真由美「ダイイングメッセージ《Y》」

 何か篠田っぽいですね。どこかって言えば、まあ雰囲気が。次の二階堂作品よりも先にきてて良かった感じの内容。ていうかそれぐらい編集の段階で考えてるか。

二階堂黎人「「Y」の悲劇-「Y」がふえる」

 かなりらしくない作品です。二階堂黎人がここまではしゃいだ作品書いてたのには超ビビりました。このアンソロジーで一番「楽しい」上に、物凄い無茶なオチです。下手すりゃ流水です。紙一重。

法月綸太郎「イコールYの悲劇」

 トリは法月。法月作品かなり好きですね。「おやおや、お父さん、それを突き止めるのがあなたの仕事じゃありませんか?(P326より)」と、動機の説明を放棄してるのが非常にイイです。この辺グダグダしてないのが短編です。僕、法月作品を読み進めていく時の楽しさって連城三紀彦作品と似ています。うなれどんでん返し。

(2001.11.25)


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