日々雑記へ トップへ


11月10日(日)☆

多島斗志之「CIA桂離宮作戦」(徳間文庫)

極寒の地シベリアを肥沃な穀倉地帯にする!!---これは建国以来のソビエトの夢だ。その実現のためにソ連は《気候改造》を計画している、との情報をキャッチしたCIAは、日本の内閣情報調査室に共同作戦を提案してきた。内調室長稲月修造とCIAのバリンジャーの作戦は、来日中のソ連国家計画委員会議長ミハイルを誘拐して訊問しようというものだ。そして、その場所に選ばれたのが、京都の桂離宮だったが......。

 僕の持つ多島斗志之の作風印象は「文章の平易な連城三紀彦」という感じで、ラストに2度3度どんでん返しを仕掛けてくれる作家というイメージです。そう感じたのは読み始めた初期で、最近は色々な作風のものにも触れたために一色ではないのですが、この「CIA桂離宮作戦」は初期の作品で、「ああ、こうだったこのどんでん返しが多島斗志之だった」と思い出した1作です。

 この作品ではひっくり返し方が今一つスマートに思えなかったのですが、安易にどんでん返しを謳ってる数多の作品より遥かに巧妙な逆転が炸裂されるのはいつもながらです。もっと多くの人に広まってもおかしくない質の高い作品を創り続けてる作家なんですが、イマイチメジャーになり切れてない感じです。タイトルが安っぽいからでしょうか(暴言)。


11月9日(土)☆

 山田風太郎「眼中の悪魔」、森博嗣「そして二人だけになった」読了。

 そう言えばドラゴンボール完全版なるものが発行になるようですが、文庫じゃないのか。1冊980円って。

 古本屋で漫画を買う時など、巻数短かめの作品を選んでる自分がいるんですが、長いほうが長いなりの理由があるワケで(人気があって連載が長かった等)、そう考えると長いほうを買った方がイイような感じですが、経済的に短かめのを選んでしまう。

*************************

岡崎二郎「アフター0」6巻 《ファンタジックワールド》

真夜中の影法師/風の花嫁/闇の中のささやき/ガリバー/光の楽園/反撃の負/願かけのバー/初恋の肖像/打出の小槌/ショートショートに花束を/最後の雪女/雪に願いを/かまくらの夜/世界はサンタを待っている。/宿命の構図/800年のメッセージ/時の向こう側/恋愛回線 以上18編収録

 6巻は18作品とかなり多めの収録。その分一つ一つが普段よりも更に短いのですが。「真夜中の影法師」なんか7ページですが、それでもキチンとオチを入れてくるのが凄い。

 「800年のメッセージ」が気に入ってます。もっとベタな方向に落とすと思ってたので意表を衝かれました。適度に肉付けして膨らませて映画化しても通用しそうです。ていうかどれもアイデアの宝庫に思えます。深夜枠30分で放送して欲しい。


11月8日(金)☆

 倉阪鬼一郎「文字禍の館」山田風太郎「剣鬼喇嘛仏」読了。

*************************

 気力切れなので今日は雑文で濁します。

 出版業界の「年度末」ってのは10月ラストという感じでしょうか。12月末あたりに出す年間ベスト本の選出の為に。なのでここ最近に出た本ってのは勝負本だと思われるのですが、いまひとつ僕の琴線に触れるものが見当たりませんね。アンテナが低くなったのかも。

 ベスト企画の類いは見るの好きです。自分の読書傾向にほとんど反映されませんが。新しいものをレアな状態で食べたい気持ちもあるのですが、それ以上に古本屋で大量にぶつかる方が楽しいです。安いと自分の中の買う基準も低くなり、普段読まない作家を手にして意外なヒットもあるし。


11月7日(木)☆

 本日の購入書籍。

北村薫「水に眠る」(文春文庫)
北村薫「六の宮の姫君」(創元推理文庫)
北村薫「謎物語」(中公文庫)
森博嗣「スカイ・クロラ」(C・NOVELS)

 ノベルス版「スカイ・クロラ」を早くも古本屋にて発見。北村薫も未読がまとまって置いてあったので久々にいってみた。

*************************

今週の餓狼伝感想

 和む長田と梶原のトコロにヒコイチ登場。梶原の「何だキサマ」という言い回しは見知らぬ相手に向かって言った台詞のようにも取れますが、少なくともトーナメント控え室で対面してました。あの事件を忘れたくて梶原の記憶が飛んでる可能性もありますが、板垣氏の記憶が飛んでる可能性もあります。

 ヒコイチがここに来た理由は、大会で自分も参加するので長田に負けてくれないかという話を持ちかける為。それを聞いて流石にキレました。梶原が。交渉決裂でそこを去るヒコイチ。入れ代わりに藤巻が登場。妙に人の出入りが激しいです。

*************************

今週のバキ感想

 逆さまになった電話ボックスから出て来たジャック。そして突如黒服集団が現れ電話ボックスを縛りあげます。そこで登場するのが猪狩。この男が絡んでいました。ストーリーの都合でシコルスが弱体化するのを待っていた甲斐があったというもの。昔のシコルスなら縛り上げた電話ボックスから忍法で脱出するぐらい可能でした。いつ出たのか描写ナシで何の説明もなくロープで雁字搦めの電話ボックスの脇にニヤつきながら腕を組んでたりと、昔なら出来ました。

 そしてそのままシコルスが運ばれた先は地下闘技場。観客まで準備されています。板垣組、久々に自家製モブシーンのトーンを使ったのかな。トントンとガラスを叩くジャック。「続きだ」と、舞台を変更しての試合続行を促します。

 まだシコルス使うのか。何で? 敗北による変化の新しいパターンでも思いついたのか。シコルス、既にリアクションが一般人なのでそろそろ許してやって下さい。

 ショウちゃんもボックス内にいてそのまま運ばれてきました。猪狩のパフォーマンスで特等席に運ばれるのでしょうか。いまその場所が充分特等席なので放置して欲しいトコロ。ガーレンも観に来てて欲しいなあ。


11月6日(水)☆

平田裕香「スコラ2002-12」(スコラマガジン)

 今月のスコラ、根本はるみを筆頭とする爆乳5人組R.C.Tや吉井怜復活など色々とありますが、購入の動機はもちろん平田裕香。まず表紙が超可愛い。まあ、僕の彼女なので可愛いのも当然ですけど。こういうコトを書く時いつも「平田裕香の事務所の人間にBBSでマジレスされたらどうしよう」とビビリながらタイプしてます。

 表紙の『衝撃ラスト水着』ってコトに関しては、結局中みても分かりませんでした。次の写真集で水着打ち止めなのかなあ。

 表紙以外にグラビア10ページと折り込みポスター、インタビューがあり。ポスターがイイです。デカいです。ハラの肉が可愛いです。あああ、つまみたい。メッチャつまみたい。僕はくびれに燃えないタイプみたいです。悪いな木村。ナチュラルが一番です。

 インタビューでは本を読むのが好きと語り、更にこう続けています。

>一度太宰治さんの全集の第八巻を読んだんですけど、もう重くて、重くて、読み終わった頃には疲れ果ててしまって......それ以来海外文学ばっかりでした。

 第八巻というやけに細かい指定からはじまり、いつの間にか太宰ダメじゃん(理由:重いから)な方に話が転がってます。ぽわぽわです。えーと、タイプです。重くて疲れるようでしたら、今度読む時は僕を呼んで下さい。支えます。そのメロンを。

*************************

安野光雅「起笑転結」(文春文庫)

ものごとにはすべて始めと終りがある。では、始めと終りの間には何がある? それはトリックとレトリックであると看破する著者が奇想天外な手法で、日常的な平凡な話を世にも不思議な話に変えてみせる“話の発想工房”。話の並べかた、組み合わせかたしだいで、「事実は小説より奇なり」となるかどうかを見よ!

 テーマ性もよく分からず何を書いてるのかすら不明なネタ集でした。ていうかテーマは特になく、着地に意外性を狙った文章、という感じなんですが、ネタを外す外さない以前にどこで着地したのかが不明なものが多かったです。

 「歌用辞典」が面白かったです。面影と書いて「かお」、破片と書いて「かけら」と読ますように、歌詞の読ませ方を辞典にしてるのですが、今日日のネタで改めて作って見るのも面白いかも。ちなみに山口貴由は香車と書いて「まっしぐら」と読ませます。


11月5日(火)☆

 谷甲州「エリコ(下)」読了。

*************************

岡崎二郎「アフター0」5巻 《人類新進化論》

あの世の方程式/匂ひを嗅ぐ女/コンマ○○秒の落とし穴/幸せはどんな色/幻の点景/みにくいアヒルの子/未来の思い出/会社夜話/大きな角を持つ男/OH!!ラッキーマン!!/未来の種馬たち/ひらめきの構図/マイ フェア アンドロイド 以上13編収録

 4巻までとちょっと印象の異なるシビアなラストが多かったようにも思えます。一見素晴らしい特殊能力に対してネガティブなラストで締めくくるのが多めで。相変わらず、全体的にどれも質の高い作品なのには驚きます。短い中にどんでん返しを盛り込む作者の趣向が素晴らしいです。

 「マイ フェア アンドロイド」の切ない残留が特に気に入りました。登場人物を使い切る手腕/切れ味が素敵。ていうか無駄な登場人物はハナから出さずに纏めあげてますね。


11月4日(月)☆

 那由多遥の次の写真集、安いですね。紙質がペラいだけでページがちゃんとあればいいんだけど。那由多遥単品なのかな。ちょっとタイトル的に疑問が浮かんだ。

*************************

山田正紀「少女と武者人形」(集英社文庫)

友達はどこにいる/回転扉/ネコのいる風景/撃たれる男/ねじおじ/少女と武者人形/カトマンズ・ラプソディ/遭難/泣かない子供は/壁の音/ホテルでシャワーを/ラスト・オーダー 以上12編収録

 まったく毛色の異なる作品からなる短編集。あまりの統一感のなさに、これって不人気な未収録作品をかき集めて1冊の短編集にしたんじゃないのかと失礼な考えすら浮かんだんですが、元々テーマ/コンセプト問わずに月一30枚短編1本を一年続けた、というものだったそうです。

 読んだ感じでは、毒のない筒井康隆という印象でした。夢枕獏っぽいとも思ったりもしたんですが、それはきっと登山を扱った作品があっただけ。

 これは直木賞候補作に選ばれてた作品と解説に書かれていますが、直木賞(文学イメージ)とはちょっと違うなあ、というのが僕の持つ山田正紀観。「回転扉」や「ねじおじ」あたりが人生の比喩的作品になっていて、直木賞候補になったってのもその辺にありそうですが、何か違うんですよ。『山田正紀=エンターテインメント作家』という刷り込みが僕の中にあるからでしょうかね。教訓めいたものを書こうとしたのではなく、あくまでも娯楽作品を書いた結果、と思ってるので。

*************************

山田正紀「超・博物誌」(集英社文庫)

プラズマイマイは磁気をコントロールして宇宙を駆けめぐる。ファントムーンは神経繊維をレーダーとして、見た者に遠い宇宙の過去を思い出させる。タナトスカラベは相反する宇宙を往復する。今は引退して博物学者として生きる老人が遭遇した美しくも妖しい宇宙生物たち。

 モチーフになってるのはファーブル昆虫記で、架空の生物を扱いその生体構造や行動を主人公が観測する形を取っています。架空なので幾らでもネタが作れそうですが、『生物がとる目に見える行動→そうさせる理由/本能』をミステリ風に明かしていくので、実際かなり大変そうです。

 ファーブル昆虫記はフンコロガシが冒頭にあったのかな? んで、この作品ではタナトスカラベという生物がラストを締めくくるのですが、この仕掛けが非常に憎い。タナトスカラベの持つ特殊能力や、ラスト1行で明かされる真実(まったくこんなオチ予想していなかった/ていうかオチがあるとは思ってもいなかった)なんて上手いです。全てがイチイチ構成/構造の美しさに繋がっています。


11月3日(日)☆

 本日の購入書籍。

荒木飛呂彦「オインゴとボインゴ兄弟大冒険」
連城三紀彦「さざなみの家」(ハルキ文庫)
「スコラ2002-12」(スコラマガジン)

 スコラ、表紙に『ラスト水着平田裕香』という聞き捨てならない単語があったので即購入。連城もそろそろ入手しておかなきゃそろそろ書店から消えそうなのでそろそろゲット。

*************************

荒木飛呂彦「オインゴとボインゴ兄弟大冒険」

 異様に薄くてびっくりするんですが、中身は更に薄い。後半のほうがメモ帳みたいになってます。3部作中でボインゴが持っている漫画同様白紙になってるという演出でしょうね。収録されているのも3部で描かれたもののみ。これだけ読んでも何がなんだか分からないです。そういう意味でこれはホント単なるコレクターズアイテム。購入を迷ってるなら買うのやめたほうがイイかも。税別286円はマジで高い。

 未来予知、でふと思ったのですが、「未来を知る」「過去に戻る」、この二つって何となく言葉的に正反対なんですが、『これから起こるコトを知っている』という意味では同じ強みになりますね。ジョジョにはこの「決定してる『これから』にどう立ち向かうか」というネタが結構何度か出てきてる気がします。抜き出してみると、

◆ボインゴの「トト神」
◆吉良吉影の「キラークイーン・バイツァダスト」
◆ディアボロの「キングクリムゾン・エピタフ」
◆ケンゾーの「ドラゴンズ・ドリーム」
◆ヴェルサスの「アンダーワールド」

 一番強かった印象のあるのが吉良かな。アナスイのケンゾー対策とジョリーンのヴェルサス旅客機墜落回避対策は何となく似てました。


11月2日(土)☆

 WJ49号感想。

ブリーチ

 扉の井上さんの乳でもう充分。本編はどうでもイイです。井上さんに始まりラストの広告のカレンダーの根本はるみで締める、今週号のジャンプは乳に挟まれた構成というのが誰の目にも明らかです。

アイシールド21

 今週はジャンプの表紙がアイシールドですが、セナが随分滑らかな顔になってます。桜庭かと思った。

 栗田VS進、直後にあっさり進が抜いてるのがゾクゾクなヒトコマ。

 スピアタックル。進の手がグンと伸びてくる。手が伸びるって言われて即座に思い出すのはドカベンの名前失念キャラとダルシムあたりです。

ナルト

 最近バストアップ多めで状況が掴みにくいです。効果を狙ってのバストアップというよりも、ラクな絵を描いてるだけのような気がします。「部屋を出ようか...」とイタチが言ってるコマ、その直前のギンってアップはサスケですか。

ワンピース

 3勢力入り乱れてのバトルロワイヤル的な展開になりそうで、闘いの組み合わせが結構楽しみだったのですが(特に神官VSシャンディアは主人公が関わってないカードなのでどちらが勝つか見えないワクワクバトルになりそう)、いきなりドカドカ入り乱れて戦争してます。

ヒカルの碁

高永夏:「小生はぺたんこな女の子が好きで、幼女専門サイトに関しては詳しく知っております」

通訳:「本因坊秀策よく知る」

高永夏:「力がなく、とてもか弱い幼女を裸にひん剥きたいといつも考えております」

通訳:「...あーとても力ない」

高永夏:「ランドセルを背負い登校している幼女の姿を見ると、学校では学べないコトを教えてあげたくなるであります」

通訳:「秀策...学ぶことない」

高永夏:「大人の女には小生全く反応しないでござります」

通訳:「はい話もうない言うことない」

テニスの王子様

「何でも実家が古武術の道場をやってるらしいわ」

 感想サイト運営者には非常にいいツッコミドコロなんですが、ネタが思いつかない。牙突しか浮かばん。

A・O・N

 テンポいいですね。サクサク進んでます。ていうかむしろ早すぎ。浄明との闘いの余韻も何もないです。カケラもないじゃないですか。

 次は高層ビルの間に設置したリング上でのバトル。一気にエスカレートし過ぎです。作者、連載空白期間が長く色々やりたいコト貯まってるんでしょうか。

ソードブレイカー

聖闘気と書いてコロナと読ます。

掲載位置で直前にあるSHUEISYA JUMP REMIXは狙ったのでしょうか。ラスト「アバル神の復活には全力で勇者をたたき潰す必要があるようだな!!」とガッデム城にて預言者の発言。ああ、残りの七剣邪総登場して下さるのね。

ハンター×ハンター

 ドッジボールと来ました。8VS8で勝ったチームが一気に8勝。トグロの雇い主みたいなコト言い出しました。レイザーと14人の悪魔、マスクの数字とぼんぼりの数が一致してるのが細かい部分で面白いです。14人とは海賊ではなく念能力でした。オレ達7人で墓を掘るを思い出しました。幽遊ネタを髣髴しまくりの今回。

 「お前が来たら手加減するな...と言われてるぜ お前の親父にな」の目が素敵です。そんなコト言った親父(ジン)もかなりどうかしてます。死ぬだろ。

ストーンオーシャン

 巻末の作者コメント。

>ヨーロッパを旅行するとよく写真家アラーキーの一族の方ですか?と質問される。最近はそうですと答えている。

 いや、それはダメだろう。ていうかホントに一族なんてオチだったらどうしよう。

 本編では神父がいよいよ目的地/ケープカナベラルのケネディスペースセンターに到着。何か知らんが引力発生により犠牲者発生。神父に親切にした男が死亡。

 その頃ジョリーンはワニに指輪投げてヒットさせて喜んでます。ワニがいる!とエルメェスがゆび指してますが、運転中ヤバいだろと思ったらエンポリオが運転してました。もっとヤバいだろ。


11月1日(金)☆

 歌野晶午「館という名の楽園で」読了。んで、本日の購入書籍。

岡崎二郎「アフター0」7/8巻
山田風太郎「剣鬼喇嘛仏」(徳間文庫)

 アフター0はこれで全8巻刊行終了。ラマ仏は短編集で、夏に発行された時どれも読んだような記憶のあるタイトルなので見送ってたのですが、読んでてもイイやと購入。いま山風再読してるので丁度イイ。

*************************

泡坂妻夫「喜劇悲奇劇」(角川文庫)

奇術、猛獣使い、アクロバット、危険術と、バラエティショウを一杯につめこんだショウボート。港々を回航しながら興業をうっていこうという趣向だ。ところが初日を明後日に控えて殺人事件がおこったのだ。しかも連続殺人が......。そのうえ被害者には奇妙な共通点があった。回文の名前をもつ---つまり上から読んでも下から読んでも同じ名前になる人物が、次々と殺されていったのだ......。

 トリックの一つが微妙。これをありにしていいものやら微妙。ホームズ作品で(ヘビ使いの存在を理由に)音でヘビを操るものがあって、でもヘビは実際にはヘビ使いに襲いかかろうとユラユラしてる動作が笛の音で踊ってるかのように見えるだけなんてツッコミを聞いたコトがあるんですが、この作品にもそれに近い『それでイイのか』的感想を持ったトリックがありました。何て言うか......「中国人だから」という理由になってないオチだったような気分。

 作品全体に鏤められた回文ネタが大変そうです。章タイトルも「豪雨後」「期待を抱き」と回文で統一。不自然なものもありますが。

 それよりも、小説家以外に奇術師でもある作者ならではの、作中で幾つか述べてるマジックネタが楽しかったです。奇術師(かつストーリーの核とは外れたお遊びネタ)なので答えは割ってないんですが、それらの中に今でもテレビ特番なんかで『超能力を暴く!』としてネタが解体されてるものがあったのが印象深いです。この「喜劇悲奇劇」、奥付けみたら昭和60年の発行。騙される人間はいつまで経ってもいなくならないんですな。阿部寛はドラマやってもう超能力信じないと言ったらしいが。

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送