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10月10日(木)☆

今週のバキ感想

 柳がドイルに向かって日本刀を放つも、ドイル左腕でガード。腕に鉄骨を内蔵しているから切れない。アップが多くて状況が飲み込めなくて、誰か助けに入ったのかと一瞬思いました。誰かってのは、まあ距離的に近くにいる克巳あたり。

 切れずとも、コードがイカれた様子でドイル海に落下。黒帯って柳のこの一閃で切れたのでしょうか。

 一方ジャックとシコルスの闘いもスタート。前回でクライマーが例えで言った「ナットつまみ」とほぼ同じシチュエーションでシコルス天井にぶら下がりました。何だか今回、取り敢えずのウォームアップなバトルだったのですが、これ長くなるんかなあ。どうしてシコルスなんだよ。敗北知ったじゃん。

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内藤泰弘「トライガン」2巻

 B・D・ネオンとの戦い決着。異様に人を殺してきたネオンもイイ人っぽく終了。ここではプラントなるロストテクノロジーの存在が描かれました。

 次は荒廃した大地にポツンとオアシスのようにある肥沃な土地を巡っての抗争。土地を奪おうとするモーガンとネブラスカファミリーがバトルの相手。拍子抜けする決着を見せました。長女マリリンがツボでした。

 次のエピソードからトライガンのストーリー本流に突入といったトコロでしょうか。ヴァッシュが探してる男/ナイブズ、そのナイブズに仕えるレガートが顔見せ。レガート、肩の部分が異様に膨れてるんですけど。生首でも入れてる設定考えてたんでしょうか(無限の住人ネタ)。12枚のコイン、それを更に二つに割った片割れをヴァッシュに渡します。残りの方を12人の刺客に持たせる。少年漫画の王道ノリ開始です。

 この巻には最後に読み切り版トライガンが収録されています。ちょっとポップな感じ。

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内藤泰弘「トライガン」3巻

 まずはヴァッシュの軽い回想シーンあり。レムとナイブズ、宇宙船、そのプログラム異常など。

 コインを持つ刺客との戦いは、モネブ・ザ・ゲイル/E.G.マイン/ドミニク・ザ・サイクロプス。3名倒したトコロで一気にナイブズの元へ。レガートが、集結していた刺客にヴァッシュ殺害命令の号令をかけた瞬間、「誰が殺していいなんていった」とナイブズの力でレガートはプレスされます。足とかあり得ない方向に曲がってます。

 ナイブズがヴァッシュの右腕に宿る「エィンジェル・アーム」の力を引き出し、地上を薙ぎ払わそうとするも、ヴァッシュ、自身の足を撃ちバランスを崩して天に向かって砲撃。月を削りました。辺りも崩壊して、今回はここで水入り。「トライガン・マキシマム」で仕切り直しの続投となります。


10月9日(水)☆

 本日の購入書籍。

マイケル・スレイド「髑髏島の惨劇」(文春文庫)
山口貴由「蛮勇引力」3巻

 スレイドは1000円オーバーの文庫ですが、好きなのでこれは買わねばと。ホント好きだから。趣味悪いでしょ、僕。書店で見かけた時、ようやく出てくれましたか4作目と心拍数を高めました。「カットスロート」(創元ノヴェルズ)から何年ぶりかなあ。

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 そういえば「アルジャーノンに花束を」のテレビドラマ、昨日から始まりましたがどんなものだったのでしょう。僕は見逃しました。IQが高まったチャーリー(ハル)の精悍/超越/達観したキャラ造型をサンタマリアは演出できるのでしょうか。

 『誰もが納得行く映像化は不可能』ですから、いっそのコト『誰一人納得しない映像化』を目指して欲しい気もします。後々語り草になるような。でもユースケに先入観のない外人とかならナチュラルな気持ちで観れるのかも。


10月8日(火)☆

 更新空けてもいいんですが、土屋賢二の「われ笑う、ゆえにわれあり」同様燃え尽きTMRサイトで公開したものを再使用して今日は済ませます。手抜きです。手抜きですが、これもどうしても読書サイトに収録しておきたいものなので。これと、土屋賢二コンテンツに書いてあるコトが僕の行動原理や思考経路のベースです。この2つで世の中の多くが解体できます。

 ただこの「超常現象の心理学」に関しては微修正したい部分もあるので(例:女のA型は3点ってのはやっぱある意味妥当な点数なんじゃないのか?)、近い内に追記する可能性あり。

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菊池聡「超常現象の心理学 人はなぜオカルトにひかれるのか」(平凡社新書)

「白いカラスはこの世に存在しない」という命題は証明できない。一万羽のカラスを調べて白いカラスがいなかったことを証明しても、一万一羽目が白いかも知れない。日本中のカラスを調べたとしても、アメリカにはいるかも知れない。世界中調べていなかったとしても、明日生まれるかも知れない。」(本文P109より)

 いわゆる、幽霊、霊能者、占いの類いをブッた斬る本。正確にはそれらの超常現象を信じている人間の寄り添っている薄弱な論拠をブッた斬る本。超常現象に対しては、僕もこの本の著者菊池氏と同じ考えなのですが、著者の様に理路整然と言葉に表わすのがどうにも出来なかった。なのでこの本を見つけて読了した時は、やったぜと思いました。

 オカルトを否定するのではなく、オカルト盲信を否定、です。現象としてあるかどうかはわからない。つまり不可知論的立場ですね。もし「存在する」というなら証明して欲しい。「存在しない」は証明出来ないので(上記引用文参照)、「存在する」と「存在しない」がぶつかった時、ディベートの基本として立証責任は「存在する」を主張している側にある。そうしてみるといかに霊能者のやり口や、幽霊を見たという人間のその発言の根拠が意味をなしていないかが述べられています。

 更に凄いのは、多くの人間にとって地動説並に当然だと考えられている血液型による性格診断の無根拠性も扱っています。血液型占いの類いに根拠無しの判断を下しているのは、僕以外には「HUNTER×HUNTER」のヒソカと「覚悟のススメ」の葉隠覚悟ぐらいだと思っていたのでこれも嬉しい。

 血液型で人を決めるのは差別に繋がる例として、某化粧品メーカーが女性社員採用の際に、血液型で採点基準を設けていた事が挙げられています。

 その内訳、「B型10点、O型9点、AB型6点、A型3点」。

 A型女性の立場は? しかも化粧品メーカーですよ。美しさを追求している企業ですよ。つまりひょっとしたら別の意味(A型女は不美人揃い)が含まれてるかも知れないし。ちなみに僕が血液型性格診断を信じてないのはあくまでその迷信にも等しい無根拠性ゆえで、実は僕が女でA型だとか、実は僕に彼女がいてそのコがA型だとか、それで必死になってるなんてオチは決してありません。「B型だから結婚したくない」とか「ユダヤ人だから処刑」とか「長男なんだから我慢しなさい(BY父親)」とか、努力の介入する余地のない、持って生まれた部分で人に線を引くのが嫌いなんですよ。

 そんな感じでこの本、非常にお勧めです。タイトルから難しい専門書を想像するかも知れませんが、平易な文章で書かれているし、時折ふざけてたりもしてとても読み易いです。「予期の確証傾向」「バーナム効果」等、内容は何となく経験から分かっていながらも、あやふやだった事柄にも専門用語が出来ているのにも感動。


10月7日(月)☆

 WJ45号感想。今週号はギャグ漫画のカナメ「テニスの王子様」が休載。

ウルトラレッド

 新連載。前号開始の「A・O・N」に引き続き格闘モノなのが嬉しい。鈴木央先生です。ライパクとはガラリと違うもの持ってきましたね。まずは1回目なので極々普通の主人公紹介。ライパクはロクに読んでなかったのですが、ジャンプ買うようになってるので毎回読もうと思ってます。

ワンピース

 チョッパーの前に現れたのはスカイピア神官/スカイライダー・シュラ。行動を読まれてるみたいだとトナカイがいぶかしんでいますが、この能力はサトリのみじゃないのか?

 シュラとガン・フォールの空中戦は絵的にカッコよくなりそうで期待。

ナルト

 干柿鬼鮫。名は体を表わし過ぎなキャラです。引きでガリガリ引っ掛くえげつない刀を持ってます。えげつないとか書きましたが、奥様にはうっとりな攻撃。

ヒカルの碁

 今回ので越智が好きになりました。遊戯のカードを海に投げ捨てたのは忘れてあげようと思いました。

いちご100%

 さつき大サービス続行中。「何なら触ってみる?」の絵、これはズってる比喩です。「多分あたしと真中の方が深い仲〜〜。」の表情が可愛かったです。

プリティフェイス

 巻末コメント、「今週のプリフェはいつもと何かが違います」

 うーん、どこだろう。新キャラを全部アシが描いたのかな。それとも、今まで全部アシに描かせてたけど新キャラだけ叶先生が描いたのかな。

ソードブレイカー

 扉、無理矢理なアングルで具を強調して頑張ってるサーナですが、そそりません。本編最初の3ページが前号ラストと同じ内容だったのが、最大トーナメント編あたりのグラ刃牙を思わせます。改めて描いてる絵なので、最後のコマをコピーして次号の1ページ目に持ってきてた鳥山先生よりはマシなスタンスかも。

 グルトニー様のドラゴーラはスカルドラゴーラとは別技なのでしょうか。規模が小さいです。技を小出しにするようなキャラじゃないんですが。

ストーンオーシャン

 カタツムリ化する理由が遂に明かされました。

この町に降り注ぐ太陽の光が、空気層の屈折率により『カタツムリになると思い込ませる映像』を人々にサブリミナルに見せる。

 サブリミナル効果の話が出てきた時はどう繋がるのかと思いましたが、こう繋がりました。これだけじゃ『カタツムリに触ったらカタツムリになる』とかの説明付けられてないんですが、そこは勢いで。ヘビーウェザーでオゾン増殖エリアとなった大気にはカタツムリ化させる映像あり。人間讃歌であっても自然讃歌ではないのでしょうか、ジョジョ。オゾンは危険だ。

 視力分のディスクを引き抜いてるのが、この能力に対する神父の対抗策でした。

ハンター×ハンター

 穴埋めページが普段より多かったのは唐突の休載だったのでしょうか。編集部、油断してましたね。

 ヨークシン編総集編というノリの穴埋めでしたが、このヨークシン編はケータイ、インターネットなど冨樫先生の興味史にも思えます。


10月6日(日)☆

内藤泰弘「トライガン」1巻

 世界観がイイ感じです。全体に漂う王道/オーソドックスな展開も、未来感覚の小道具満載の西部劇という世界観設定とそれを細かく描き出す画力で色んな角度から味わえる漫画になってます。作者が自作を好きで好きでしょうがないというのが伝わってくるのが好感触。あとアメコミ好きな漫画家ってやっぱ絵上手いなと思いました。

 まずはヴォルドールにて、主人公の人間台風/ヴァッシュ・ザ・スタンピード登場&紹介エピソード。凄腕のガンマンながらも「不殺(ころさず)」の信念を持つヴァッシュ。ちなみに後にパートナーとなる牧師はどちらかと言うと「悪・即・斬」です。

 このヴォルドールでは町ぐるみでヴァッシュの首に懸かった賞金600億ダブルドルを狙います。切り札的にネブラスカ親子が現われますが、その役割はもちろんヴァッシュの銃の腕前の凄さを見せつける噛ませ犬です。まだ序盤だし。連邦政府はヴァッシュを局地的災害と認定していたので賞金は既に無効になっていました。

 次のエピソードは砂蒸気(サンドスチーム)・フロウリッシュ号を舞台に武装盗賊/バド・ラド団との闘い。メインの敵はバド・ラド団団長/B・D・ネオン。

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ピエール・シニアック「ウサギ料理は殺しの味」(中公文庫)

フランスのとある田舎町のレストラン、その食卓に“狩人風ウサギ料理”が供された夜、必ず若い女が殺される。犠牲者のかたわらにはいつも一本の扇が......。T食UとT性Uに異様な情熱を傾ける町の人々を脅かすこの奇妙な謎、そして信じ難い結末。

 訳者が藤田宣永なんですね。それはさておきこの作品、です。もう超変です。訳者のあとがきに「奇想天外な筋立ての中にきちんと謎が仕掛けられていて、充分に計算されて作られている」とありますが、まったくその通りです。海外アニメの目覚ましぐらいもう緻密に計算されています。

※海外アニメの目覚まし...朝になるとニワトリがタマゴを生み、そのタマゴが転がっていって犬の頭に落ち、ビックリした犬がピンと鎖を張って鎖の先にあるガスコンロが捻られ、ヤカンが沸騰してその蒸気で(中略)バケツから主人公の頭に水が落ちて「おはよう」。

 これはバカミス紙一重ですね。いやバカミスそのものかも。「狩人風ウサギ料理」が出されたら若い女が殺される。この謎をまともに解ける読者はいるのか。「まともに」なんて書いたけど思考放棄なオチではありません。むしろ逆です。恐るべしフランスミステリ。ホントに信じ難い結末です。


10月5日(土)☆

 本日の購入書籍。

加納朋子「掌の中の小鳥」(創元推理文庫)
モーリス・ルブラン「リュパン対ホームズ」(創元推理文庫)
モーリス・ルブラン「水晶の栓」(創元推理文庫)

 あー平田裕香に栓したい。 ちょっと大きめのビー玉で栓したい。5・6個。

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宮部みゆき「人質カノン」(文春文庫)

人質カノン/十年計画/過去のない手帳/八月の雪/過ぎたこと/生者の特権/溺れる心 以上7編収録

 落ち穂拾い的な1冊なんですが、一作一作いつもながらの面白さを持っています。面白いんですが、僕がそろそろ飽きてきたのかこれといった印象深い作品が見当たらない。宮部みゆきの作品はどれも水準以上の安定した完成度を誇っているので、代表作を挙げられない作家ですね。ちょっと東野圭吾を思わせます。


10月4日(金)☆

 山田風太郎「長脇差枯野抄」(廣済堂文庫)読了。

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岡崎二郎「アフター0」3巻 《大いなる眠り子1》

大いなる眠り子/遠い歌声/オムツ戦争/赤ん坊がいっぱい/長寿の重さ/長命人龍男の優雅な生活/別れの扉/なぜ、久留米氏は.../あなたのナンバーはいくつ??/ただいま転生中!!/不思議なじいさま 以上11編収録

 3/4巻には「大いなる眠り子シリーズ」が収録(違うのもありますが)。このシリーズは、死んだ夫の魂が赤ん坊の身体に入ってしまった状態で妻(母)と共に様々な事件に立ち向かう内容です。

 第1話に相当する「大いなる眠り子」、ラストで父親の魂が消えてますが、人気があって方向修正加えてシリーズ化したのかなあ。「と言いつつしっかり続く」と最後のコマの下にありますが、これって今回の再編集版で付け足したのかな? 2話以降でたまに赤ちゃん状態になるって理由ついてるけど、1話の段階では終わってそうです。

 夫婦と赤ちゃん、2人で3人という奇妙な関係を前提にして、話の作りはいつも通りの密度。長命人などという「頭は大人で身体はまだ赤ん坊」というアイデアもこのシリーズに絡めてこそのネタですね。

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岡崎二郎「アフター0」4巻 《大いなる眠り子2》

妖精伝説/女優/私を嫌った女優/小さな勇者たち/二人ぼっちの目撃者/H氏最後の挨拶/恐るべき3歳/永遠のメロディー/最後の眠り子/真珠は語る 以上10編収録

 赤ちゃんならではの利点/難点を上手く入れ途中ハラハラ最後にホロリの物語を紡いできた「大いなる眠り子シリーズ」のラストエピソード他を含む4巻。

 世の中のありとあらゆる事象は、同じコトでも正反対の捉え方が出来るんですが、岡崎二郎の作品はその2通りの捉え方の内、前向きな捉え方をラストに選択するコトが多く、しかもそれが何も考えてないポジティブバカではなく、冷静な視点(オトナな視点)での前向きさを持っています。それが、各編ラストに漂う優しさを演出しています。


10月3日(木)☆

 山田風太郎「江戸にいる私」(廣済堂文庫)、「棺の中の悦楽」(光文社文庫)読了。

 映像化関連のファイルが全然増えてないので昨日テレビで放送されてた「陰陽師」を観て感想書こうとしていたんですが、30分で面倒になって観るのやめました。

 野村萬斎が安倍晴明を演じていたんですが、この野村萬斎がどうにもコロッケ(芸人)に見えてしょうがない。不敵な晴明の笑みもコロッケがモノマネやってる時の顔にしか見えない。『何でスタッフの笑い足されてないのかなあ。あ、これ陰陽師だった』と戸惑うばかり。

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今週の餓狼伝感想

 妙に藤巻の不細工度がアップしてます。姫川との対比でそう錯覚するのではなく、絵がそうなってます。姫川を美形に描き切れないから相対的に藤巻を不細工化してみたとすら思えてきます。不幸です。

 この夜道の対決はお互いに隙がない面を見せ合って終了。後はヒコイチのトレーニングシーン。ヒコイチはズッコケシーンが多いので最後はバランス崩すかと思ったら持ちこたえました。

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今週のバキ感想

 何故か今さらシコルスキーの身体能力の凄まじさが描かれています。ガーレンの回想、刑務所の垂直の壁を前にクライマーが語る踏破の困難度。

 そして場面一転、夜道を歩くシコルスの前に登場したのがジャック・ハンマー。これがもし最大トーナメントだったら、シコルスの身体能力のズバ抜けぶりを語ってたのは、そんなシコルスを一蹴するジャックの強さを描くためなんですが。んで、結果的にそうなりそうですが。でもひょっとしたら板垣氏がスパイダーマンでも観て壁に張り付く新しいアイデアを思いついたのかも知れない。シコ、頑張れ(棒読み)。

 一方ドイルVS柳はどうなったかと言うと、必死の形相で黒帯を掴み船をよじ登るドイル。昇った先にいた柳は日本刀を抜きました。古来日本では敗北したサムライはハラキリだの凄い例え持ってきました。そしてザクッとドイルがやられたと思しき血しぶきのシーンで終了。

バキ、ちゃんと後始末しないから。

と、バキに後悔させる為に柳は動いたのかな。


10月2日(水)☆

岡崎二郎「アフター0」1巻 《ミステリーゾーンへようこそ》

種を蒔く男/オクラホマおじさんの逆襲/ほうき星翔ける街角/オフィス/モルヒネ綺譚/最高の晩餐/シュリーファー博士の優雅な研究/沈黙の侵略者/地球を測った男/語れよ真空の中で/永遠の問いかけ/たった一匹/いつか聞いた鐘の音 以上13編収録

 単行本初収録作品も含む、著者再編集版として全8巻を予定されてる作品集です。1巻は《ミステリーゾーンへようこそ》のSF編。ジャンル別に構成し直されてるのでオチの方向性が確定されている、ゆえに驚きが薄められるのではないかと考える向きもあるかも知れませんが、実際に読んでる最中はそんな考えはどっかに行っちゃいます。

 これらの短編のイメージは、『星新一のショートショートを漫画にしたような感じ』、でしょうか。短編というと何も起きない断片的な作品が多く、それらも僕は好きなんですが、この岡崎二郎の短編は、長編を無駄なく短くまとめた印象があります。何かしら優しさを漂わす各編のラストも前向きな気持ちにさせます。

 「種を蒔く男」の「子供がピストルを手にしていたら...あなたはどう思いますか?」が印象的な台詞。昔読んだ作品で当時も印象的だったのでココ記憶に残ってました。

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岡崎二郎「アフター0」2巻 《犯人は誰だ!?》

三月の殺人/干支興業の降参/私の心にダイヤルを/動かぬ証拠/ペルセウスの帰還/楽園の問題/誰が森を燃やしたか?/白の回想/夢は春とともに 以上9編収録

 2巻は《犯人は誰だ!?》のサスペンス編。ストレートに犯人探しのミステリタイプのみならず、謎が解き明かされるカタルシスを味わえる作品が選出されています。

 それにしても各短編、これだけの密度を1話に凝縮する作者は凄いです。「私の心にダイヤルを」のミスリードのさせ方など上手いし、「誰が森を燃やしたか?」の意外なラストにも感動。

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平田裕香「週刊少年マガジン10/10増刊 週刊少年マガジンREMIX2」(講談社)

 過去のマガジングラビアをまとめてもう一稼ぎ、な雑誌でしょうかねコレ。平田裕香が載ってて、ついでに他のアイドルの乳やケツを楽しむコトも出来る、という考えで購入。今「ついで」とか失礼なコト書きましたよ! 平田裕香がピンで5ページの本誌を買うよりもコストパフォーマンスが良かろうとの判断だったのですが、結局平田裕香たんばかり眺めてるのでした。ああーん。

 つまり何が言いたいのかと言えば、僕は浮気をしない男なので早く誰か結婚申し込めというコトです。裕香たーん。裕香たーん。栄子たーん。遥たーん。

 平田裕香グラビアは10ページ収録されています。今回初めて気付きましたが、平田裕香の目を見てると恥ずかしくなります。グラビアなのにその視線に押される。

 目に力を持つ美少女、というベタな言葉を思い出したけどホントにそうなのか自分。ちょっと違う気もするんだけど、僕の心に沸き上がるこの感じの理由がはっきりしない(恋ではありません)。


10月1日(火)☆

 山田風太郎「笑う肉仮面」、「怪談部屋」(以上光文社文庫)、「忍法関ヶ原」(講談社文庫)読了。んで本日の購入書籍。

車田正美「B'T X」1・2巻(ホーム社漫画文庫)
「週刊少年マガジン10/10増刊 週刊少年マガジンREMIX2」(講談社)

 「ビートX」は文庫だと全8巻になるそうなので、集めるのに手頃な冊数かと思いゲット。きっとゆいま氏も購入してレビューするさするさもちろんするさとプレッシャーをかけてみる。

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ウィリアム・シェイクスピア「マクベス」(新潮文庫)

かねてから、心の底では王位を望んでいたスコットランドの武将マクベスは、荒野で出会った三人の魔女の奇怪な予言と激しく意志的な夫人の教唆により野心を実行に移していく。
王ダンカンを自分の城で暗殺し王位を奪ったマクベスは、その王位を失うことへの不安から次々と血に染まった手で罪を重ねていく......。

 シェイクスピアに限らず、古典作品は作品自体のエンターテインメントとしての面白さが十全に味わえるかどうか難しい。海野十三でも引用しましたが、やはりゲームミュージックチームZUNTATAのアルバム「nouvelle vague」からコレを。

>クラシカルなものとして定着してる多くの芸術は、その誕生時には、いびつな捉え方をされていた。「バロック」や「歌舞伎」という聞き慣れた言葉ですら、その意味は“異端”を示すものだった。
だからといって(ある意味で異端の)、VGMもいずれはポピュラーな音楽として認知されるということを期待しているわけではない。いや、むしろそうはなりたくない。60年代、トリュフォーやゴダールといった作家の映像を初めて見た時の戸惑いや驚きを、SFXや様々な映像テクニックに慣れ親しでる現代人にそのまま求めるのは無理だし、ジュール・ベルヌの「月世界旅行」や「海底2万里」を今の子供達に読ませても、当時程のときめきを感じさせることは不可能だろう。
その意味では“ヌーベルヴァーグ”とは賞味期限付きの禁断のお菓子なのだ。それを、時代を超えて食したいと思うのならば、『定型』という保存料を加えなければならない。そして、その瞬間に「ヌーベルヴァーグ」という呼称は次なるものへと逃げてゆくのである。
時代は変わっても人間の本質は変わらない、なんて誰が言ったのだろう? 誰とも違わない本質なんてつまらない。定型化して解釈付きの芸術となるよりも、二流のヌーベルヴァーグを選択したいのだ。

 結構トンガってる文章ですが、『新鮮なものを新鮮な内に一番美味しく味わう』考えは理解できます。いま味わってる「焼き魚」としての古典も、リアルタイム発表時には「刺身」の旨味もあったであろうと思います。

 当作品「マクベス」は魔女の予言が予言通りに進行する内容です。「女から生まれた人間」は誰もマクベスを倒せない。この『絶対予言』に守られたマクベスが如何に敗北するかがドラマの見せ場。絶対予言が無効化するコトなく、その予言通りに(もちろん病死や事故死でもなく)マクベスが破れる瞬間が燃えポイント。

 予言の解釈が裏返る、このコトを『きれいは穢い、穢いはきれい』と言ってるのではないかと思いました。

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ウィリアム・シェイクスピア「ハムレット」(新潮文庫)

城に現われた父王の亡霊から、その死因が叔父と母の計略によるものであるという事実を告げられたデンマークの王子ハムレットは、固い復讐を誓う。道徳的で内向的な彼は、日夜狂気を装い懐疑の憂悶に悩みつつ、ついに復讐を遂げるが自らも毒刃に倒れる---。

 復讐劇というシナリオは当時も沢山あったのですが、この作品はそれらの復讐劇の基本構造/一本道からちょっとずつ外れようとする主人公ハムレットの動きを感じます。復讐は自らをも滅ぼす。それをハムレット自身(もしくはシェイクスピア)が知ってて、誰もが陥る従来の自滅着地の復讐劇から逃れる、リベンジャーの勝利で終わる新しい復讐劇を紡ぎ出そうと葛藤してる感じがします。最終的な着地は結局破滅なのですが、この過程が従来の復讐劇と異なるので当時観劇した人には新鮮だったんじゃないのかなあ。

 予言の運命をひたすらトレースする「マクベス」と、運命から外れようとする「ハムレット」。骨組み/着地が共に「悲劇」ながらも、作者が作品を作る際どうアプローチしたのかが非常に対照的です。

 ハムレットというキャラクターは非常に好きです。上記の理由から客観的で思慮深いキャラクター造型になっています。冒頭の幽霊目撃シーンから電波系として捉えてみようかと思ったのですが、幽霊を目撃してるのってハムレットだけじゃないんですよね。単に幽霊の存在は有りという世界観なんでしょう。

 

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