9月20日(金)☆
泡坂妻夫「喜劇悲奇劇」読了。
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●古処誠二「UNKNOWN」(講談社ノベルス)
侵入不可能なはずの部屋の中に何故か盗聴器が仕掛けられた。密室の謎に挑むのは防諜のエキスパート・防衛部調査班の朝香ニ尉。犯人の残した微かな痕跡から、朝香は事件の全容を描き出す。
第14回メフィスト賞受賞作。メフィスト賞はイロモノ/ゲテモノの代名詞なんですが、どうしてこんな極々ノーマルな作品が選ばれたのでしょうか。座談会で選考人が「どうしてメフィスト賞に応募したのか分からない」と論じてた作品があったけど、確かこれのコトだったような気がする。
読後の印象としては、とにかく僕が今まで読んできた中で平均的/標準的なミステリという印象。インパクトは別にない。才能のある人がさらりと書いたような手際の良さも感じるし、悪く言えば量産型作家の1作という感じも受けましたが。悪く言うな。
この人に関しては01年の12月31日の雑記で僕こんなコトを書いていました。
>最近気になるのが古処誠二作品。「2002本格ミステリ・ベスト10」の読者投票ランキングでの読者コメント、
「どの作品にも『動機』に意味を持たせてある。謎解きの面白さだけで終わらせない作者の非凡な才能を感じます」
これで興味を持ちました。動機ってのは純粋に謎を解くのみなら不要な要素だと思っているので、その部分がしっかり書かれてるってのはストーリーも重視してそうです。
んで、この辺はどうだったかと言えば、確かに謎解きとストーリーの両輪がしっかりしてる作品でした。
舞台は自衛隊。ホームズに朝香ニ尉、ワトソンに野上三曹。探偵資質ってのは同じモノを同じように五感で受信しても人よりも多くの情報を吸収するってコトだと考えれば、探偵はどこにでもいるもんだな、と思います。自衛隊ならではの問題や閉鎖世界のアレコレも、ちょっぴり衒学チックに、でもうるさくならない程度に描写されています。
9月19日(木)☆
本日購入書籍。せっかく未読が減っても古本屋で補給してしまうサガ。
近藤史恵「凍える島」(創元推理文庫)
近藤史恵「アンハッピードッグズ」(中公文庫)
梨木香歩「西の魔女が死んだ」(新潮文庫)
恩田陸「木曜組曲」(徳間文庫)
瀬名秀明「虹の天象儀」(祥伝社文庫)
恩田以外は読んだコトない作家ばかりです。瀬名も実は初。「西の魔女が死んだ」は評判がイイので気に留めてた作品。
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●今週の餓狼伝感想
前回のラストからの続きで、姫川と泉冴子のまぐわいシーンから。この2人は板垣的に美男美女なんでしょうが、何か違う。次の山場である北辰館トーナメントへ向けて、それに関わるキャラの掘り下げに入ってるみたいです。
前回の藤巻がうらぶれた生活環境にあるのに対して、姫川は身なりも地位も何ら不自由なさそうな環境。しかし5年前に象山に敗北した事実が姫川の心に刻み込まれてる様子。そういう意味ではこの作品、象山以外(現段階では)の各格闘家の根底に共通するものを感じます。
象山との闘い直後の回想が出ますが、腕関節を1回転捻られています。うめき声もギブアップ宣言もしていないというコトで、象山は姫川は負けていない、まだ途中だけど続きは後でと言っています。この言葉が姫川の敗北を決定付けています。
ラストは冴子のマンションから立ち去り夜道を歩いてる姫川の背後に藤巻登場。「どっから出てきたか見てたぜ」と息巻いています。泉冴子はそれほどイイ女じゃないよ、と言いたいトコロですが、藤巻的には全てなんでしょうな。
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●今週のバキ感想
前回の柳号泣のラストから一気にシーンは変わり、夜の波止場にてドイルと克巳が友情を確かめ合ってます。空手を教えたりしてます。死刑囚であるドイルを中東に逃そうという腹の様子。高飛び屋までいるなんて、神心会の人脈はもはや何でもあり。中東って何か危険そうな気もしますが、ドイルならどうにかやっていけそうです。
船に乗り込んで腕時計を見、「あと15分か」と出航を待つドイル。その時「まるで生娘の別れだな」と謎の人物が発言。ジャックかオリバ、どちらだ?と思っていたらそれは何と柳。前号ではじめての体験をして涙を流して声を上げたてめえを棚に上げて「まるで生娘」発言。神の意表を衝く発言です。
今週号はここで終了でしたが、柳はドイルに何の用があって来たのでしょうか。取り敢えず真っ先に思いつくのは『チーム組んで白格闘のヤツら潰そうぜ』と誘いに来たってのですが。ドイルはもうそんな誘いに乗らないだろうし、バトルになるのか? シコルスもどっかに隠れているんでしょうか。
9月18日(水)☆
●土屋賢二「棚から哲学」(文春文庫)
この人の本は紹介が難しいですね。とにかく文章が独特で面白い。読み手がどれだけ拾えるかにかかってる文章です。土屋賢二の文章に関しては、旧サイトで「われ笑う、ゆえにわれあり」の紹介で書き切った感じなのでそれを持ってきてみます。決して手抜きではない。
この本は紹介したくないんですよ、実は。僕のギャグ、色々ここからパクってるから。とにかく笑いの感性に関してはダントツ、最前線ですね。この凄まじいまでの笑いの密度は何なのか。土屋賢二を僕に教えてくれたM橋氏よ、ありがとう。これを初めて読んだ時、余りのカルチャーショックにこの話術どうにか実生活に取り入れる事が出来ないだろうかと考えました。実際ちょっとずつ会話などに応用してみたりしたんですが、結果は単なるイヤミな男扱いでした。何故この面白さが分からないんだ。
土屋賢二、本業は哲学者で大学教授なんですが、物事に対する従来の見方や切り口を変えて、逆説や言葉遊びで笑いに還元してしまうあたりがやっぱ既成概念に捕われない哲学者の懐疑的思考だなと思います。
笑いとして巧妙にオブラートされつつも、実は本質を突いていたりするのもあって、この本では「愛ってなんぼのものであるか?」なんて上質の至り。男の内面を評価しているような事を言ってる女性でも、その実外見で内面を決定しているコトをそれはもう徹底的に、くどいぐらいに、逃げ道を完全に塞ぐ論理で述べています。例えば、
《外見のよい男》1.おおらかな 2.繊細な 3.ファッションセンスのいい 4.いい人
《外見の悪い男》1.無神経な 2.神経質な 3.かっこばかり気をつかう 4.人はいい
という具合に、同じ性格だろうと結局見た目で相手の評価が変わるなど。ここから始まり、「でももしかしたらホントに内面のみのこだわる女性がいるかも。しかし...」と、可能性を一つ一つ潰して論破していく様は壮絶です。鬼です。
僕が思ったのは、この外見で中身が決まるってのは同性に関しては逆になるなあってコト。女が女を「にぎやかで楽しい」とか「デリケート」とか好評価する時ってたいてい自分と同程度以下の人だったりするでしょ、ルックスが。自分より美人にはイイ評価しないよなあ。ていうか、何とかして些末な欠点を探し出してそこを針小棒大に叩くし。「同性に評価されないのはステータスのひとつ」ってのはコレなのね。
ところで僕、なるべくおおらかな人間でいようとムカつく事があってもグっと押さえていたら「鈍感」だの言われ、そこで「鈍感ではない。ムカつきながらも堪えて流していただけでホントはデリケートなんだ」と分かってもらうべく、イラついた時には態度に出すようにし始めたら今度は「何でも気にする」との扱い。異性から。これで僕のルックス、想像ついたでしょうか。
とまあこんな感じ。エッセイ集なのでどの作品からでも入れるし、文章そのものが面白いので、別にこの「棚から哲学」単品として特筆すべき要素はありません。どのエッセイ集もアベレージ異様に高いです。超オススメ。
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●皇なつき「黒猫の三角」(原作:森博嗣/ASUKA COMICS DX)
Vシリーズ第1弾のコミック化作品です。シリーズプレ短編の「気さくなお人形、19歳」も収録。
ビジュアルが直接伝わるゆえに、漫画化出来る小説は限定されていそうですが、この2編は可能な範囲なんでしょうね。ちなみに僕、小説の「気さくなお人形、19歳」を読み終えた段階で練無を女と思っていました。最初一人称が「僕」だったので男と思って、ファッションの描写から実は女だったのか(ボク女)、と。そしたら「黒猫の三角」で更にもう1回ひっくり返された感じ。
紅子、小説内に出てくる描写から、ロングでフランス人形のように目が大きい、ってのは頭では理解できるんですが(森の好みの女性が宮沢りえや常盤貴子ってあたりからも紅子はそんな感じなんだと思う)、どうしてか僕の紅子像は髪がショートでパーマ、小柄でツリ目なんですよね。
この漫画版「黒猫の三角」では、きちんと小説の描写通り、ロングでフランス人形のように目が大きい紅子です。目、クリクリしてますよ。
紅子は感情移入が難しいキャラと森博嗣は語っていますが、読んでてホントに感情移入しにくいです。何か、何喋ってても空々しいというか芝居掛かって聞こえる。喋ってる内容が喩え子供を思う親の気持ちであっても、紅子の台詞だと空々しく感じるのは何でか。漫画版でもその印象はありました。
皇なつきの作品を読んだのはこれが初めてです。少女漫画(?)にしては背景の描き込み細かいなと思いました。
9月17日(火)☆
●結城昌治「始末屋卯三郎暗闇草紙」(徳間文庫)
闇から闇へともめ事を始末する、幕府御家人・筧卯三郎---関口無心流柔術の達人で、人呼んで始末屋という。
武士は権力に奢り、商人は金もうけにうつつを抜かす時世に厭気がさしながら、さりとて職人の真似事をするわけにもいかず、人間関係のごたごたに首を突っ込んでは収入を得る始末屋稼業、唐桟の着流しに一本差し、今日も江戸の町を行く...。
娘のいのち濡れ手で千両/深情け不義の手違い/初不動地獄の証文/都鳥遺恨の簪/つつもたせ濡れ場の筋書/河内山冥途の路銀/水子地蔵由縁の枕絵 以上7編収録
時代推理、となっているんですが、結城昌治お得意のハードボイルドですね。骨子としては足で情報を得、事件の真相を暴く刑事モノです。ぶっちゃけ時代を江戸に持っていっただけにも思えますが、当時の背景/風流などの下調べが充分で、作品を包み込む外見的な印象は微妙に異なります。
作風/本質がしっかりしてる作家は、どんな舞台を扱っても読むに耐えられる作品を作り出します。結城昌治の書く作品は、人間の弱さなど限りなく不変的な内容を料理してるのでジャンル不問の面白さがあります。1冊読んで面白いと思ったら、どの作品もオススメできます。
当連作集では、各短編毎に史実上の有名人が登場。物語のキーになったりならなかったりですが、山風の明治もののような遊び/サービスを感じます。
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●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」63巻
表紙のトリッシュがセクシーな63巻です。
ブチャラティが暴走チャリオッツこと『レクイエム』を完全破壊するコトで、入れ替わっていた魂が元に戻りました。すでに本体は死んでいるブチャラティはここで死亡。56巻で死んでから魂が天に召される描写まで7巻もかかりました。
最終的に『矢』を手にしたのはジョルノ。そして貫かれた彼のスタンドは「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」へと進化。新たなるその能力は、相手の行動をゼロへと引き戻す。ディアボロの未来予知が、ジョルノの心臓をキング・クリムゾンで打ち抜いていようが、消し飛ぶハズの時間をも引き戻す。決定された未来に届かない。ディアボロは死ぬという結果すら幾度も永遠に味わう地獄にはまり込みました。
最後に収録されているのがエピローグ「眠れる奴隷」。ジョルノが涙目のルカを倒した頃のブチャラティチームのエピソードです。この話は作者の巻頭の言葉、
>「運命」で決定されているとなると、努力したり喜んでも仕方ないという考えも生まれる。そこなんですよ。人間讃歌を描いていて悩む点は。答えはあるのか?
この辺りがモチーフになってる運命論を扱ったエピソードになっています。死期の近い者の死ぬ時の姿を形どる運命のあぶり出しのような石型のスタンド「ローリング・ストーン(ズ)」。ここでブチャラティは胸を貫かれ死ぬ姿が象られます。しかしその石をミスタが破壊。
56巻で死んでいたハズのブチャラティがそれ以後も動き続けた理由がコレなんでしょうな。ボス戦決着方法とはまたひと味違った、決定未来へ人間はどう向き合うかが描かれているように思えます。ここに運命への突破口を感じさせるものがある。
これにてジョジョの奇妙な冒険第5部、完。
9月16日(月)☆
20000アクセスありがとうございます。
これからも黙々と更新していきます。たまに覗きに来ていただけると嬉しいです。
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●森博嗣「赤緑黒白」(講談社ノベルス)
深夜、マンションの駐車場で発見された死体は、全身を真っ赤に塗装されていた。数日後保呂草は、被害者の恋人と名乗る女性から、事件の調査を依頼される。解明の糸口が掴めないまま発生した第二の事件では、色鮮やかな緑の死体が...!美しくも悽愴な連続殺人!
「六人の超音波科学者」「朽ちる散る落ちる」で物語のスケールとしては最高潮を向かえたVシリーズ。センセーショナルに盛り上げる、という面では前9作で書き切っているのかも知れません。
最後に残されたこの1作で扱われるのは、奇しくもシリーズ1作目「黒猫の三角」で紅子が軽くあしらっていたモノ。すなわち『動機』。シリアルキラーものの様相で最終作は進行します。
「遊びで殺すのが一番健全だぞ」「仕事で殺すとか、勉強のために殺すとか、病気を直すためだとか、腹が減っていたからとか、そういう理由よりは、ずっと普通だ」(「黒猫の三角」より)
殺人犯/秋野と紅子の面談がイイですね。S&M「すべてがFになる」冒頭の真賀田四季と西之園萌絵の会話を彷佛させます。Fの冒頭は「羊たちの沈黙」からインスパイアを受けたと作者が語ってますが、今回のは即物的な面でその印象を持ちました。
ラストが非常に不可解。これは紅子の敗北なのでしょうか。解答を得ていたけれども、その答の数値は同じだったけれども、たまたまその答に辿り着いただけで、意味合いが違っていたようにも取れます。紅子の考慮の外にあったとも思える『動機』。なんとなく読んだら特にどうってコトないラストだけど、僕はちょっと居心地悪かったです。イイ意味で。森博嗣は「ハンニバル」肯定派なので、このラストも納得できます。
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※以下S&M及びVシリーズに関するネタバレ感想。
「今回の物語を理解するには、多少広範囲の視野を必要とする」
「こんな非連続の中に、我々は、共通項を見出し物事の道理をつなごうとする。(P18)」
勘が良くて熱心な読者は「夏のレプリカ」の冒頭詩と今作タイトル「赤緑黒白」から黒幕を暴き出したのでしょうかねえ。
結局のトコロ明確な描写はなかった「犀川創平=へっ君」の回答。鏤められたヒントの断片が今作にもありました。終盤での御祝儀に書かれていた名前から林のフルネームは『○川林』(○は練無たちが読めない漢字だった)と推測。
尚、前作「朽ちる散る落ちる」でへっ君のイニシャルはSSと書かれています。離婚しても父方の姓のままであるとして、姓が『S川』、名前が『S』からはじまるというトコロまでが判明(瀬在丸のスペルはCEZAIMARU)。後は読者におまかせ状態ですな。
今作のメタレベルでの裏テーマはシンメトリーではないでしょうか。被害者の名前が線対称になっているのもありますが、内容的にも「動機」へのアプローチを扱ってる点が1作目と重なります。ラストシーンもS&M「全てがFになる」の序盤と印象が重なります。Vシリーズ10作をくるみ込むと同時に、S&Mも含めた20作をもくるみ込む。
作中で紅子は子供なら「色をそろえる」という発想を持つとの考えに至ります。そして確かに全ての引き金になっていたのは子供でした。しかしその子供が持っていたのは子供特有の自由な発想というよりも、天才の『カリスマ』。
Vのみならず、S&Mシリーズも読んでいなければ凄みが伝わらないと思う人も出そうですが、S&Mを読むコトがなくても充分落ちてるラストだと感じます。天才少女の具体的な正体を知らなくても、『天才少女』で終わらせて構わない。
それに、もしVシリーズのみを読み終えて「次はS&M読もう」って人がいたとしても楽しめるんじゃないかな、と思います。「この天才少女って成長したら凄い人になるだろうなあ」なんて考えるだろうし、手に取った「すべてがFになる」でいきなりその少女こと真賀田四季が登場するのに驚く楽しみがある。かも知れない(追体験不可能なので想像の域を出ない)。
Vシリーズは途中から読み手の興味が「S&Mとの関係」一点に集中した感じですが、各作品毎の魅力とテーマも忘れず味わいたいトコロです。
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●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」62巻
矢で貫かれたチャリオッツは本体から独立して暴走し、『矢』を守るポルナレフの意志のみを受け継いだ『レクイエム』という存在となりました。
暴走第一段階では周囲の生き物を眠らせ、お互いの魂を入れ替える。ジョルノとナランチャ、ミスタとトリッシュ、ボスとブチャラティ、カメとポルナレフが入れ替わりました。ポルナレフの死体に入ったカメはそのまま死亡ですか。ようやく姿を見せたボス/ディアボロですが、早くも中身はブチャラティ。
ここで難題となったのが『レクイエム』からどうやって『矢』を奪うか。色々と試しても『矢』に触れようとすると自分自身のスタンドが攻撃を仕掛けてきたりして不条理連続。暴走第二段階も発動。世界の生き物が別の生命に変化。これは唐突過ぎる。
更にブチャラティの肉体に入ってたのはドッピオの魂で、ディアボロはどこか別の肉体に潜んでいるという問題も発生。ナランチャ、突然死んでます。かなりワケの分からない状態が重なっています。このワケのわからなさ加減、よく連載打ち切られなかったなと心底思います。
トリッシュ入りミスタ容器に隠れていたディアボロ、『矢』を手に入れる方法を発見してダッシュ。『レクイエム』を破壊して遂に『矢』をゲットしたと思いきや、ジョルノの腕を切断した時の返り血が軍隊アリに変貌し『矢』の柄を噛み砕きました。
9月15日(日)☆
●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」60巻
チョコラータとセッコのコンビはブチャラティが言ってる通り非常に相性のイイ能力同士です。そのスタンド能力を説明すると以下の通り。
チョコラータ「グリーン・ディ」...人にカビを付着させ肉体を崩壊させる。そしてカビは今のトコロよりも低い位置に移動すると増殖する。
セッコ「オアシス」...触れた岩石をドロ化する。本体はその中(地下)を泳ぐように移動出来る。
低い位置に移動するとカビる状況下で、ドロ化する能力で低位置へと向かわせるコンビネーション。かなりの強敵。しかも元キチガイ医者である異常人格のチョコラータはローマ市に無差別に攻撃を仕掛けます。相当不利な闘いを強いられるジョルノ達ですが、ブチャラティは死んでるのでカビないというアドバンテージが発動。
ヘリコプターでのチョコラータはこれよくネーム通ったなと思わせるヤバさ加減。医者ならではの知識で、自分を死なないように重要な臓器を割けてバラバラに切断し、本来なら人の入れない小さな場所から攻撃。今までにないイっちゃってるキャラで、ラストはジョルノの無駄無駄7ページ(内2ページ単行本描き下ろし)にて完全決着。
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●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」61巻
チョコラータ(手持ちの初版ではチョコラートって表記されてるけど他のどうなの?)の敗北を知ったセッコは、携帯に残されたメッセージからコロッセオに向かいます。そこにブチャラティ達の目的がある。
ブチャラティVSセッコのサシ勝負です。ていうかブチャラティ闘い過ぎ。死んでるのに更にダメージを受けてます。鼓膜も視力もなし。でもたまに都合良く聴こえたりしてるようです。セッコ戦ラストではドッピオ登場で目的地がコロッセオだとボスにバレてしまいました。
そしてコロッセオの男の正体が判明。3部でお馴染みジャン・ピエール・ポルナレフでした。過去にボスとの闘いで負傷し、車椅子に乗っています。ポルナレフが生きていたのを知ったボスもまたシルエットに包まれていた素顔を表わします。柱越しにドッピオからディアボロへと変貌するシーンは激烈カッコイイです。
ところでディアボロという名称は以前の巻でも出てきていますが、これはあくまでも「悪魔」という呼称で、そのうち本名が出るものと思っていたんですが、どうやらこのままみたいです。
ポルナレフVSディアボロが開始されますが、殆どまともにやりあわない時点でポルナレフは手にしていた『矢』でチャリオッツを貫きます。何がなんだかよく分からないままポルナレフは死亡、そしてボスすら驚く謎の存在があらわれ、突如コロッセオに向かっていたジョルノなど近辺にいた全員がいきなり眠気を催してその場で睡眠。かなりワケ分かりません。
9月14日(土)☆
田中光二「異星の人」読了。それはさておきWJ42号感想。
●ワンピース
3バカトリオが選んだのは「玉の試練」でした。ここで登場したのはスカイピア神官/森のサトリ。名前が象徴するように、予知が可能みたいです。あと打震(グラップラー刃牙参照)。全てを悟られている相手に対抗する手段として考えられるのは2つ。
1:予知されようがかわせない攻撃を喰らわす(矢継ぎ早の連撃、ガード無意味な攻撃、反応できないスピードでの攻撃など)
2:無心
きっと2です。2の応用。ここではウソップが大活躍の予感。「ケチャップ弾で動きを止めて」などと考えながらも弾を選び間違えて超爆裂火薬弾を撃つ。サトリはケチャップなどあえて喰らってやると考えてまともに喰らう。再来週でこの試練終了。ゾロ早く出せ。
●アイシールド21
今回で8話ですが、テンポ良く進んでてイイ感じ。アメフトのルールも最低限しか出てこなく、その最低限も上手くストーリーの中で消化されてるし。王城ホワイトナイツって優勝してないのか。「今年こそ」なんて監督息巻いてるし。
●ナルト
アニメ化などの華々しい情報がある中、本編は非常に竜頭蛇尾な展開になってます。中忍試験序盤の騙し捻りなノリはもう見れないのか。
大蛇丸、両手失ったぐらいで焦り過ぎ。生き延びた悪役は再登場が約束されてるので、足で印結べるように烈海王(グラップラー刃牙参照)に弟子入りして下さい。次に登場する時は足からカメハメ波ぐらい出してくれると信じています。
●ヒカルの碁
選出される3人にヒカル、和谷、社を予想していた方も多いかと思われますが、ヒカルと社が対戦するコトになりました。それでも北斗杯この3人でしょうね。何とか理由付けて社も選ばれそうです。
●SWORD BREAKER
サーナの胸はどの部分までがヨロイなんでしょうか。触られてますけど。そんなコトよりも今回は敵が出なかったので全く面白くありませんでした。大予言者ズール様やグリード様出してくれ。あとグルトニー様のお姿も早く。それだけが楽しみ。楽しみ方間違ってる。
●いちご100%
扉、セーラー服にエプロンで立ち膝東城のふとももの間に膝を曲げる北大路さつき。どっからどうみても風俗です。
本編は何だか全員集合です。東城も西野も北大路もいる中、今号のサービス要員は黒川先生。黒下着で開脚&生徒の乳揉みまくり。
酔っぱらってふられた理由を語ってます。
「何が『もっと強い女だと思った』だ!!」。むしろその気丈さが原因だと思ってたのに。
「嫌だ〜〜〜っ!ボブ〜ッ!!『放れろ』なんて言うな〜〜っ!!」。外人なのかよ。外人じゃなくて、犬とかだったら燃えますね。大型犬。
●ストーンオーシャン
ヴェルサス、今や登場初期のニヒルさの片鱗もありません。行動、メチャクチャ小物じゃないですか。エンポリオ、土壇場で何をやったのか不明ですが持ち物を消しました。
エルメェスが殆どのコマヤバいです。絵的にヤバいです。そして徐倫もカタツムリにふれてしまっていたようで、胸が昔の特撮の女性型キャラみたいになってしまいました。
最後に「どうやらこの『現象』の終焉は見えてきた」「『天敵』でカタツムリの命は終わるんだッ!」とのエルメェスの台詞でマイマイカブリがカタツムリの殻の中から頭を覗かせました。決め台詞的に終わってますが、『だからどうなる』のか、全く予想がつかないのがジョジョ。
●ハンター×ハンター
海賊団のボスって以前幻影旅団を追っ払ったヤツでしょうか。記憶から薄れてるんですが、密航船をチェックしてる場所ってコトはそうなのかな。んでそのアジト、灯台を改造した要塞とのコトですが、ただの体育館です。しばらくこのバトル続ければ毎号掲載も可能かも知れませんが、冨樫のコトだから飽きて途中すっ飛ばしそうなんだよなあ。
●ホイッスル!
え?これ最終回じゃないの?
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●荒木飛呂彦「死刑執行中脱獄進行中」(SCオールマン愛蔵版)
「ゴージャス☆アイリン」に続く荒木飛呂彦短編集第2弾です。SCオールマン愛蔵版/A5判ケース付きという非常に豪華なもの。値段も1200円とちと高めですが、買ってしまうのがファンのサガ。12年に1冊の短編集です。
○死刑執行中脱獄進行中
処刑の為の様々な仕掛けが施された牢獄での受刑者の話。VS部屋、という設定です。次から次へと息つく間もなく仕掛けがなし崩し的に発動します。ポーズ/アクションなど荒木描写全開の作品。
○ドルチ〜ダイ・ハード・ザ・キャット〜
遭難したヨットに取り残されたネコのドルチとその飼い主/愛子雅吾の生き残りを賭けた精神戦。遭難して追い詰められた者の精神が病んでいく姿、というより最初から愛子雅吾は異常でした。
○岸辺露伴は動かない〜エピソード16:懺悔室〜
最後の「デッドマンズQ」以外の作品はどれも変格な勝負モノですね。これもまた岸辺露伴を聞き手に設定した勝負モノ。ラストに意外な逆転で勝者が明らかになるのは「武装ポーカー(第1短編集収録)」を髣髴させます。意外過ぎる結末でちょっと分かりにくいかも。
○デッドマンズQ
「岸辺露伴は動かない」同様これもまたジョジョ外伝という内容なんですが、ジョジョ世界とは少しルールの異なる幽霊ワールド。主人公は意外な男で、Qがその正体を象徴しています。露伴と並んで作者に愛されてるキャラなのかな。4部恐るべし。
この「デッドマンズQ」は今後続編が出てもおかしくないような幕引きでした。作者、描かないでしょうけど(笑)。
9月13日(金)☆
19000アクセスありがとうございます。
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●今週のバキ感想
えー、柳氏泣きました。
何だか緊迫感ゼロと化してしまってる死刑囚編です。バキは梢江をお姫様だっこで、花山は死刑囚をザコ視するかのように背を向けその場を去りました。残された柳とシコルスキー、全く立場無し。バキはともかく花山はどうなんですか。スペックはそれほど強かったのか、柳とシコにまるで食指を動かしません。バキに圧倒されてこの2人の死刑囚から覇気や魅力が失われてしまった様子。
正直どんな展開を見せても『板垣先生のことだからきっと何か凄い仕込みがあって近い内にそれを炸裂させてくれる』と読んでいたのですが、そろそろ枯れはじめてるみたいな気がします。何てコトは書かずに毎回盛りたてる文章書きたいんですが。
巻末コメント、ヤンチャンバキは単行本に収録されると踏んでいたので意外な発言に思えました。それとも描き足すなんて意味だったらどうしよう。
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●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」59巻
リゾット・ネエロのスタンド/メタリカの能力は磁力の操作。相手の体内の磁力から鉄製品を作り出したり、磁力で細かい鉄の粉を自分に付着させ姿を背景に溶け込ませる。
リゾットVSドッピオはほとんどリゾットが優勢で運びます。逆転に用いたのはナランチャのエアロ・スミス。ボス恐るべし。最後の最後でボスもろともエアロ・スミスの銃弾を浴びようとするリゾット。そこでキング・クリムゾンが発動するのですが、銃弾の軌道上にいても無事でした。時間を吹き飛ばし結果のみに辿り着く能力の凄みが伝わります。
リゾットの死体を発見するも闘いの形跡を見、もう一人のスタンド使いが手負いの状態で近くにいるコトを察するブチャラティ。ボスのピンチは続きますが、途中で一般人から血(鉄分)を奪い見事に逃げ切ります。更にここでアバッキオをぶっ殺すというオマケ付き。
アバッキオのラストでの警察官の台詞、「わたしは『結果』だけを求めてはいない 『結果』だけを求めていると人は近道をしたがるものだ」「大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている」、この辺が『結果のみ』なボスの能力と対照的な内容を語っていて非常に素敵です。
アバッキオの残したデスマスクと指紋を検索してる途中で何者かからのアクセスを受けるジョルノ一行。『矢』についての謎を語るその男に会う為に、次なる目的地はローマに。ドッピオもまたローマへ向かい、ボス側からは更に2人のスタンド使い、チョコラータとセッコが登場。この二人組はヤバいほど濃いキャラです。
9月12日(木)☆
土屋賢二「棚から哲学」読了。
9月中旬は荒木飛呂彦強化期間とします。強化期間と言っても単に未レビューのジョジョを片付けるぐらいで、別に壁紙をカタツムリで埋め尽したりキリ番を素数にしたりするワケではありません。
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●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」57巻
前半はティッツァーノ(スタンド:トーキング・ヘッド/舌に張り付き意志とは反対のコトを喋らせる)とスクアーロ(スタンド:クラッシュ/水から水へと瞬間移動する)のペアとの闘い。ここでの主役はナランチャです。
バカのクセに相変わらず闘いになると騙しに長けていますね。ほぼ一人でこの敵2人組みを倒しました。ブチャラティの「アリアリアリアリ!」に続いて「ボラボラボラボラ!」「ボラーレ・ヴィーア(飛んでいきな)」が出ました。あまり流行りませんでしたが。
そしてようやくサルディニア島へ向かいます。飛行機を盗んで一気に距離を詰める手に出ました。そこで登場する次なる刺客がカルネ。滑走路を歩いて登場しますが、絵的に無茶苦茶無気味なキャラです。パッと見スタンドなのか本体なのかも分かりません。スタンド「ノトーリアス・B・I・G」を出した瞬間ミスタに射殺されました。早い。『登場→死』の早さではヴァニラ・アイスにも匹敵します。
この「ノトーリアス・B・I・G」は本体が死んで怨念のエネルギーではじめて発動したスタンド。「死ぬ」なんて一回限りのコトなのに、何でこんな空中密室に都合のいい能力者が派遣されたのか謎。あ、でも死ぬ前にスタンド出してたから元々は自動操縦じゃない能力があったのかも。
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●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」58巻
「動き」を感知して攻撃してくる自動操縦型の「ノトーリアス・B・I・G」。この強敵を前にトリッシュのスタンド/スパイス・ガールが遂に発動。スパイス・ガールはあらゆるモノをゴムのように柔らかくする能力です。ほとんどトリッシュの活躍でノトーリアスを突破。そう言えば娘のスタンド能力からボスの正体がどうだのっていう描写が以前あったような気がしますが、これ全然ボスの能力に繋がらない。
そして舞台はサルディニアへ移りますが、ここで登場するのが暗殺チーム最後の1人のリゾット。そしてボスが二重人格(と言っていいのか? 見た目からして変わっちゃうんですが)であるのが判明。別人格はドッピオという少年。「キング・クリムゾン」の断片とも言える能力「エピタフ(10秒ほど未来の映像が前髪の裏側スクリーンにて先行上映)」を持っています。
主人公サイドを含まない対決というコトもあり、ドッピオVSリゾットは先が読めません。ワクワクする悪役同士の対決です。リゾットの能力もいきなり相手の体内から釘やカミソリを出させるという謎っぷりを披露。見てるだけで痛くなる絵です。
9月11日(水)☆
《更新履歴》...イラストに「西風へのオード」追加。
餓狼伝コミックスの新刊買う為に出掛けたんですが、本屋で文庫版「絡新婦の理」を見た瞬間ズッコケそうになりました。そのうちサイコロ形にならないかなあ。
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●板垣恵介「餓狼伝」12巻
FAW格闘イベントの残り2試合、「船村弓彦VS鞍馬彦一」「イーゴリー・ボブVSグレート巽」を収録。
ところでこの大会は勝ち上がりトーナメント戦じゃなかったようですね。僕はてっきりそうだとばかり。じゃあ「文七VS堤」なんてカードがあって良かったじゃないか! 象山はこの二人の激突バトルを見たくなかったのでしょうか。
鞍馬の黒帯掴みは流石に修正が入ってますね。バキが梢江宅でシコルス窓の外に放り出した時は描き直しなかったのに。
ボブVSグレート巽、「真剣」を受けた時の巽の顔はマジで恐い。目が座ってるってのはまさにコレ。最後に控え室でアゴ固定の解説をしていたのは試合中ボブのロシアンフックが効いてなかった理由を問われてやってたのかな?
この作品って登場人物のパワー相関図が一度確定したらなかなか変化しなそうです。それ故そのパワー相関図自体を明らかにしていない(滅多に試合をしない)のは作品の魅力として上手く転がってる感じがします。象山と巽が二強なんですが、主人公を含め他の格闘家がこの2人に勝てる気が全くしません。作品の世界観からして、バキのようにいきなりステージが上がったりする演出はなさそうですし、どう収集つくのでしょうか。原作の夢枕氏はこの作品も終わらせないシリーズとして考えてるのかなあ。読者の身にもなれ(笑)。
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