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8月30日(金)☆

 今回分でようやく「バキ」は以後「週刊感想&新刊が出たらその感想」状態にもって来れました。長かった。8月下旬雑記は板垣祭りになってます。

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板垣恵介「バキ」10巻

 病院から逃走し独歩の顔面を爆破したドリアン。遊園地での命乞いすら擬態でした。そんなドリアンの前に現われるのが烈海王。烈に強さというものを問いかけるドリアン。その会話が以下。

「強さとはいったいなんだろう」

「自己の意を貫き通す力 我儘を押し通す力」「私にとっての強さとは そういうものです」

「......とするならば」

「敗北を熱望しながら現時点まで無敗のあなたは」「一度も勝ったことがない」

 自己の夢をかなえられる者こそが勝者。敗北を知りたいという望みをかなえられていないドリアンは、戦闘で誰にでも勝てる強さを持っているばかりに自分の夢「敗北」を達成できない面では敗者に過ぎない。強い者が敗北を知りたいと願ったが故の悲劇です。

つまらぬ勝利をもたらせてくれる」(1巻)
甘美な敗北を堪能するためには」(7巻)

 勝利と敗北をドリアンがどう受け止めているのかがこれらの台詞に含まれていました。

 そんなドリアンに新たに芽生えた願いが「目の前にいる烈に(格闘で)勝ってみたい」。しかしそれがかなうコトもなく、敗北。自我の崩壊により幼児退行。この烈との闘いにも「敗北を知りたい」という思いで望んでいたならばそれが遂にかなった瞬間だったのですが、その辺非常に皮肉ですね。

 ここで烈の見せた技は最大トーナメントで克巳のマッハ突きを真っ向から切り落とした超マッハ突きでしょうか。克巳は関節8箇所をほぼ同時に連鎖加速させていたんですが、ここでの烈を見ると更に色々な関節(伸ばすばかりじゃなく引く部分なども)を用いていそうです。

 巻の後半はシコルスキーが梢江を誘拐、そして死刑囚ハンターとしてオリバ登場までを収録。

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板垣恵介「バキ」14巻

 巻頭の作者の言葉、

>10年後の「板垣恵介」を予想して下さい。
11年後の引退計画を綿密に打ち立てている。まるで来年の引退計画を打ち立てる今年の俺のように...

 毎年もうやめたいと思い続けて10年後も今の生活やってるんだろうなあという言葉なんですが、最近の漫画の展開だと数カ月ぐらい休養してもいいんじゃないかとも思えてきます。ネタが降ってこない状態にも見える。

 この14巻はジャック・ハンマーの参戦表明、烈VSドイルを収録。

 烈が一瞬見間違う程体格に変貌のあったジャック。その理由は「骨延長」手術によるものでした。1年未満での20センチアップを「骨延長手術の効果がこれほど顕著に現われた例は 世界でも空前だろう」と語る鎬紅葉。自分の医者としての天才ぶりをさりげなくアピールです。ジャック、ドーピングに打ち勝った上にコレ。奇跡に更に奇跡です。

 烈とドイルの闘いはジャックの横やりが入ったものの烈勝利。この辺からドイルのキャラがよく分からなくなってきました。随分と一方的にやられました。オリバと接戦を繰り広げたのはなかったコトにして下さい。

 ジャックに薬を打たれ気を失った烈を出血多量ながらも朝まで警護したドイル。そのドイルを神心会本部医務室まで運ぶ烈。門下生の輸血によって命を取り留めるドイルですが、それでも止まらない。粉塵爆破で神心会1フロア吹っ飛ばしました。烈とのバトルで闘いへの考え方に葛藤が生まれつつありそうなドイルですが、今まで通してきた生き方はそうそう捨てられない。


8月29日(木)☆

 本日の購入書籍。

板垣恵介「バキ」14巻
皇なつき「黒猫の三角/原作:森博嗣」

土屋賢二「棚から哲学」

 土屋賢二を久々にゲット。この人はホント面白いのでマジでオススメ。

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 どう考えても当たり障りのあるコトばかり書いてる当サイトです。そう言えばネットサーフしてて、

「買って読んだからにはとにかく誉める」

「こっちは金や時間消費してるんだからつまんなかったらつまんないと言っちゃいます」

という主義をトップで公言してる正反対の2サイトを見つけました。うちはどっちかったら後者ですね。最大公約数化すると薄めになるし、八方美人化すると書くコトに遠近感がなくなって自分でやってて楽しくない感じ。

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 うちのカウンタはニ度打ち禁止じゃないので実アクセス数はどうなのよという人がいるかも知れないので、リドミのカウントアイコン最近7日分へのリンクを張っておきます。曜日によってすっげームラあります。月曜恐るべし。

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今週の「バキ」感想

 特に進展なし。主人公の圧倒的な強さが今号も持続です。梢江が参戦表明をしましたが、今のバキの強さなら梢江を庇いながらぐらいのハンデがあってもイイぐらいです(類例:サッカー漫画での心臓病)。

 柳は以前「酸素含有率6%以下の気体」でバキを倒していますが、再戦でこの技をバキが破るってのが格闘漫画の常道だと思うんですが、出してませんね。2度は効かない不意打ちの技っぽいので使ってないのでしょうか。だったら前回の闘いでそのままトドメ刺してるだろうしなあ。柳、とろけそうなぐらい甘い。

 敗北をプレゼントするどころか足腰立たなくなるまでやってやるぜとバキシャウト。死刑囚編開幕時には命懸けの壮絶な闘いが予感されたのに、もはや部活ノリになってます。


8月28日(水)☆

 何だか昼型になっちゃってます。残暑アタックでちょっとツラいのでもう一度夜型にしたいんですが。夜型にしたらその頃はもう昼も涼しくなりそうだなあ。

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板垣恵介「バキ」9巻

 遊園地での独歩VSドリアン開始から決着までを収録。

 独歩の左手首は当然のコトながらありました。徳川邸なんかでのギプスの長さから無さそうに見えもしましたが、前回ドリアンに斬られた直後、近くのアングラな医者にすかさずくっつけてもらってました。

 そして放たれる菩薩の拳。ドリアンは腹の中に酸入りのビンを飲み込んでいました。料理店での食事の前に飲み込んでいたのか、それとも後なのか分かりませんが、ビンだけ上手いコト吐き出してます。ていうかこんなの飲み込んでてジェットコースターからダイブするな。

 ドリアンに小石を投げ付けたのは何だったのでしょうか。相手に催眠術を使わせる切っ掛けを与えただけになってます。一瞬にしてドリアンはそれを砂にまで握り砕きました。その砂を独歩に吹き掛けて瞬間催眠のスイッチを入れます。しかし独歩、催眠術をかけられながらも、虚像として描いたドリアンは自分にとって都合のイイ弱者ではなく海王相応の強さを持つ強敵でした。

「百戦錬磨の愚地氏は闘いが安易でないことなど知り尽してるのだ」「闘いとは不都合なもの 闘いとは思い通りにはならないもの」

 この辺が敗北を知ってるがゆえの、闘いに向き合う姿勢の現われに思えます。

 左手/胸骨/両膝を破壊されたドリアンへの最後のトドメとして加藤が登場。気迫に飲まれ「わたしの敗けだアアツツツ!!」と絶叫し大泣きするドリアン。涙、鼻水を飛び散らしながらガクガク痙攣。これにて、「決着だ」

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小池栄子「honeydew」(アクアハウス)

 再観賞。薄汚れた洗面所での格好が悩殺です。横乳バリバリです。ナイロンチックな細いヒモが背中に食い込んでいるのも豊潤さが見て取れます。実りの秋です。

 んで、トドメはやはりラスト近辺の娼婦風スタイルでの下ケツですね。もうプルンってしてて、プルンって。いやもう、これは、あの。あの。

 

わたしの敗けだアアツツツ!!


8月27日(火)☆

 「うっちゃれ五所瓦」が漫画文庫化スタートしてますが、これ結構読みたかったり。昔サンデーで連載してた相撲漫画です。

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麻耶雄嵩「まほろ市の殺人 秋 闇雲A子と憂鬱刑事」(祥伝社文庫)

 書き忘れるトコロでしたが、この作品で印象に残ってるのがA子の以下の台詞。

「“普通”という言葉はミステリの世界では禁句なんですけど」(P109より)

 詩なんかで使われる、自己陶酔する為の聞いた風な言い回し/レトリック/哲学者気取りとしての『普通って何?』とはまた違う、論理を展開させる立脚点としての『普通』撤去。相手を理で納得させる為には、曖昧な自分の主観が多分に含まれる『普通』という言葉を用いては無理。法廷的です。「ミステリの世界」に限らず、論理に重きを置きたいスタンスの人にはなかなかの至言です。

 でもこういう立場で話をしても聞く相手が自分の『普通』に凝り固まってたりで、実際のトコロかなり面倒だったり。

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板垣恵介「バキ」8巻

 神心会に遊園地に連行されたドリアン。彼と末堂厚とのバトル、そして独歩/克巳/烈登場までを収録。

 遊園地入場前での神心会門下生多数を前にドリアンは「まさか君たち...この人数でわたしに襲いかかるつもりではないだろうね...」「何万人集まろうが 君たちは一対一でしかわたしと闘えぬ」とその場を凌ぎます。詭弁で逃れたんですが、ドリアンの力が未知数だった連載当時は『こんなコト言ってるけど、いざ全員が一斉に掛かって来ても勝てるんだろうなあ』と思ってました。今となってはかなり怪しいですが。

 末堂戦はジェットコースター上が舞台。当然落ちます。タックルで末堂共々落下するドリアン。しかし自分はアラミド繊維を街灯に引っ掛け速度を緩めての地面衝突。一方の末堂はダイレクトに地面に。勝ち誇るドリアンの台詞を薄れゆく意識の中無言で聞く末堂の心境や如何に。この後味の悪さが小気味良いです。

 そこで登場するのが独歩/克巳/烈の3人。克巳の「てめえが素直に心中するとは思っちゃねェが......」という台詞から察するに一部始終を見ていた感じです。鬼です。

 烈の回想を経て、ドリアンが海王であるコトが明かされますが、余り活かされなかった設定ですね。


8月26日(月)☆

 WJ39号感想。

遊戯王

 マリク闇人格消滅、敗北。自害して闇人格共々消える、なんてコトもなく、降伏で闇人格のみをサクッと消滅させるなんて軽く拍子抜け。

テニスの王子様

手塚はたかだか数年で異様に老けたというコトです。

ナルト

 「狸寝入りの術!」「シャハハハハアッ! やっと出て来れたぜェ!」。ウワサの狸寝入りの術が発動したものの、その際のコマも小さくあっさりしすぎで何か迫力ありません。

 ナルトは真直ぐなキャラなので、こいつが出てくるとバトルのひねりがちょっと足りなくなる感じ。でもそんなナルトが主人公だからなあ。ハンター主人公のゴンも正統派実直バカですが、それでも脇キャラが上手く話にひねりを与えてくれてる感じなんですがね。

ワンピース

 4人の神官。バロックワークスで既に「○○衆」的な敵は充分描いていたので、あんまり読んでてワクワク感がないです。

プリティフェイス

 巻末の作者コメント、

>ところで今回4ページ目第4コマの絵は、鏡の裏から見た絵です。念のため。

 これ、左右の描き間違いを言い訳してるんですが、自虐なのか、それとも本気でこれで言い逃れできると思ってるのか分かりません。

いちご100%

 巻きに入ってるんでしょうかね。たけしが抜けて連載終了逃れ枠一つ多めに確保出来てると思うんですが、それでも駄目なのか? 

 西野キャラ変わってませんか? 北大路の描き過ぎでどんなキャラだったのか作者も忘れたのかも。

ハンター×ハンター

 巻末の作者コメント、

>No153の218ページ5コマ目の5「神隠しの祠」は9「豊作の樹」の誤りです。訂正でした。

 いや全然わかんない。誰も分からないって。ていうか分かったヤツが編集部に連絡して気付いたのかなあ。 

ストーンオーシャン

 2週空いたのでウェザーとプッチの過去の話だとは数ページ気付きませんでした。ヴェルサスが何かやってるなあぐらいの気持ちで最初読んでいました。

 ウェザーが16歳の時から帽子を被ってるのはどういうコトでしょうか。しかも今と微妙にデザインが違ってます。

 激動の過去が明かされます。シリアス全開。ウェザーを兄と知らず愛し続けたペルラの最後の言葉、「あたしの心の中にはもう......雨が降る事さえない」、これがウェザーの能力に繋がるんですね。ちょっと無理矢理な感じもしますがストレートに感動できます。


8月25日(日)☆

 17000アクセスありがとうございます。

 既読未感想小説の山が崩れそうなので、取り敢えず「まほろ市」の感想を片付けます。

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倉知淳「まほろ市の殺人 春 無節操な死人」(祥伝社文庫)

「人を殺したかも知れない...」真幌の春の風物詩「浦戸颪」が吹き荒れた翌朝、美波はカノコから電話を受けた。七階の部屋を覗いていた男をモップでベランダから落としてしまったのだ。ところが地上には何の痕跡もなかった。翌日、警察が鑑識を連れどやどやとやって来た。なんと、カノコが突き落とした男は、それ以前に殺され、真幌川に捨てられていたのだ!

 たいていの方は春夏秋冬順に読んだんでしょうか? 僕は秋スタート夏ゴールでしたが。倉知作品を読むのは2冊目です。んで、この「無節操な死人」ですが、メインのトリック、島田荘司を思わせる大技でした。400円文庫だから許す。

 途中で入るネットネタ(チャット)がちょこっと楽しかったです。チャットっていうよりこの無責任ぶりは2ちゃんねる的です。先行舎って。倉知も見てるのね。

我孫子武丸「まほろ市の殺人 夏 夏に散る花」(祥伝社文庫)

真幌市に住む新人作家君村義一の許へファンレターが出版社から転送されてきた。送り主の住所も同じ真幌。執筆に行き詰まっていた君村は、四方田みずきとのメールのやり取りで意欲もわき始め、まだ見ぬ彼女に恋をした。一度は彼女に会うことができたものの、彼女との連絡は突如とぎれ......。そして、思いを募らせる君村がとった行動が、思いがけない事件を呼ぶ!

 このまほろ市競作4作では一番気に入ってるのがコレ。ホモネタやラストは少々あざとい気もしますが。救われてるのか救われてないのか微妙な閉じ方です。

 かなりアンフェアくさい部分があるんですが、君村の一人称で進行してるので、君村が間違った考えをしてれば地の文にウソが含まれるのも致し方ないトコロでしょうかね。とは言っても4作中オチはもっとも分かりやすく、そのアンフェアくささを入れても途中で気付きます。

麻耶雄嵩「まほろ市の殺人 秋 闇雲A子と憂鬱刑事」(祥伝社文庫)

「早く乗せて!」非番の刑事天城憂の車に、女性が乗り込んで来た。真幌市在住の有名なミステリー作家闇雲A子だった。この春から十一件も連続して殺人事件が発生している。その「真幌キラー」をA子は追っていたのだ。死体の耳が焼かれ、傍には必ず何かが置かれている。犬のぬいぐるみ、闘牛の置き物、角材......。真幌市を恐怖のどん底に陥れる殺人鬼の正体とは?

 今回の競作は麻耶の一人勝ちに思えます。同じ舞台を設定した世界での競作、ですが所詮それぞれの作者毎の作風で執筆されてるので、多少の言葉のリンクがあるぐらいで当然別モノです。それを考慮に入れても「闇雲A子と憂鬱刑事」は世界観飛び過ぎ。あんたの勝ちだ。

 闇雲A子も飛んでますが、終盤で現われる怪盗がメルカトル熟年バージョンといった印象でイカす。真面目に書いたら後味悪くなりそうなラストも、作品全体に漂うコミカル感で上手く和らげられています。

有栖川有栖「まほろ市の殺人 冬 蜃気楼に手を振る」(祥伝社文庫)

「真幌はどうかしている」冬になると、真幌の海に蜃気楼が現われる。満彦は五歳の頃、美しかった母に連れられ初めて兄弟たちとそれを見た。蜃気楼に手を振ったら幻の町に連れて行かれる。だから手を振ってはいけない、と母に言われた。直後、こっそり手を振った長兄が事故死し、二十五年後の今、三千万円という金が残された兄弟の運命を翻弄する!

 コロンボや古畑的な犯人落としで、サスペンス感の高い作品。読んでく内に単なる犯人落としじゃなくなるんですが。途中で犯人が目撃する怪奇現象がかなり豪快に解き明かされます。序盤での蜃気楼の説明がミスディレクションと同時に伏線になってるのがヤラれた感じ。

 予想を一つ除いて次々と否定される可能性。となればどうしてもその残された1つが正解だと思いがちなトコロに別の答がバンと出ます。あんまスマートじゃない答なので不満はあります。見え見えでもスマートな答にしてよかった気もします。


8月24日(土)☆

《更新履歴》...リンク集に「Walk Slowly」追加。

 解析見てたらリンク張って下さってるのを発見。どうもありがとうございます。

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板垣恵介「バキ」6巻

 まず前半ではバキ&達人VS柳のバトル。主人公サイドが2人というシチュエーションです。ここでバキは柳に敗北するのですが、その際に柳が用いたのが「この地球上でもっとも強力な毒ガス」

その答は酸素。

 本来大気中に含まれてる酸素の比率は21%、その酸素含有率を6%にまで低下させた気体をほんの一息吸ったトコロで人は意識を失う。最強の毒ガスが酸素って答は何か腑に落ちません。「酸素が足りない気体」が最強の毒ガスって説明になってますから。よく耳にする何気ない気体の名前を出して驚かそうという、その場のインパクトだけっぽいです。

 後に「空道」は柳オリジナルでなく師匠が存在する組織だったものだと分かります。そして掌に真空を作り上げるというのも毒手や鞭打と並んでその「空道」の技の一つと判明します。柳は刑務所にいたコトを「対人用として造り変えるにはこの上ない環境」と語ってます。というコトは「空道」での「掌の真空化」は本来対人用の暗殺術ではなく演舞の類いなのかなあ。

 後半は柳に敗北したバキと他4名がミッチャンの屋敷で反省会。そこに登場するのがドリアン。ここから長いドリアン編の開始です。ダーティになった克巳の攻撃を喰らい丸焼けになるドリアン。もちろんその程度じゃ死にません。そして克巳をダーティ化させた師匠として加藤清澄登場。ドリアンは飲み込んでいた手榴弾を取り出し徳川邸爆破し逃走。滅茶苦茶です。

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板垣恵介「バキ」7巻

 逃走したドリアンを追ってアジトに潜入した加藤。この2人のバトルでほぼ終始する7巻です。もちろん加藤は負けます。もちろん!

 ドリアンは「実力を隠し通すという擬態もまた......」「甘美な敗北を味わうにはまた必要」と語っていますが、擬態ふぜいで耳落とされるような生き方をしてきたんならもっとボロボロになってると思います。

 アラミド繊維、ヒゲ飛ばし、人間ポンプに次いでここで新たに明かされるドリアンの能力は、中国拳法、催眠術、シャンソン熱唱。すっげー歌ってます。何ページ歌ってるんでしょうか。

 中国拳法は絵的に非常にかっこいいです。1.5ページ使っての構えた姿が決まってます(50/51ページ)。

 神心会本部のサンドバックの中から発見される加藤。ドリアンえげつないです。烈じゃなければ瀕死の加藤にトドメを刺すのは同門だったトコロです。そして加藤の仇を討つべく神心会100万人がドリアンを付け狙う状態に突入。ドリアンの乗ったタクシーの運転手までもが神心会門下生。


8月23日(金)☆

 清涼院流水ファンサイトからネットバトルを仕掛けられたらどうしようとビクつく毎日です。ウソです。

 結城昌治「犯罪者たちの夜」読了。小説感想溜まってます。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」56巻

 前半はブチャラティVSボスを収録。ここでボスの能力「キング・クリムゾン」が明かされます。未来を知るコトが出来る。3部DIOの『時を止める』、4部吉良の『過去へ戻る』に続いての時間ネタです。非常に分かりにくい能力です。説明によると、

>簡単に言うと「時間」を飛び越える事ができる。正確に言うとこの世の「時間」を十数秒消し去り、その中を自分だけが動く事ができ、他人の動きを予知するように見る事ができる。

 ちょっと煙に巻かれたような説明です。描写を見た感じからは、能力発動で一瞬時間を止めていて、数秒未来の映像が流れる、そして映像が終わった瞬間にその結果状態へ時間の辻褄合わせで瞬間移動する、そんな感じかなあ。

 人はいつも意識を自覚しているとは限らないので(寝てる時に限らず)、「もうこんな時間か。ぼーとしていたなあ」って時はこの能力が発動していたと考えましょう。ていうかそれが着想かも知れないし。

 ここではボスの能力の顔見せといったトコロでバトルは終了。引き分けですかね。いやブチャラティ実はここで死んだんですが、それでも5部ラストまで動いたり喋ったりします。ブチャラティがボスへの「裏切り」を表明したトコロでフーゴ脱落。二度と仲間に加わりません。敵として登場するコトもないです。そんなコトになるとは誰も想像してなかったでしょう。作者も含めて。

 トリッシュの言葉から次なる目的地はサルディニアになりましたが、そこへ向かう前にこのヴェネツィアで早くもボスの親衛隊スタンド使いが登場。2人組みで、ナランチャの舌に敵スタンドが張り付いて言いたいコトが言えなくなります。

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板垣恵介「バキ」5巻

 無呼吸連打を大量に打ち込まれてのダメージも1発で帳消しにする程の花山のぶん殴りです。スペックに更にもう1発喰らわせて、ようやく一言。「まだやるかい」。虚勢を張るスペックにもう1発。んで、「まだやるかい」。これを幾度か繰り返すシーンがカッコよすぎ。この「まだやるかい」はかなりの名言で、当時バキとはまるで無関係の雑誌の表紙にも『まだやるかい? BY花山』なんてコピーがついていたのを見掛けました。確か風俗関係の雑誌です。

 ここでスペック、銃弾を花山の口に突っ込み下から花山のアゴを叩き上げてブリッツファイア状態に。花山、顔面大爆発。でも死なない。口、鼻から煙をもうもうと上げ、「まだやるか...」。そして渾身のぶん殴りでスペックを街灯まで殴り飛ばします。

 花山がスペックを警察に「みやげだ...」と突き出してから更に戦闘続行。スペックが復活します。スペック、街灯まで飛ばされた時、口にパンチを叩き込まれて首の後ろまでめり込んでたんですが、死なないのかアレ。烈みたいに頸骨自ら外したりしてたんでしょうか。

 ここで決着が着くのですがもう花山が凄すぎ。いま再読して昔は密度あったなあと実感してます。作者自身の画力の変遷もあって、握撃で爆ぜたスペックの腕の描写が生々しい。エピローグで明かされるスペックの実年齢97歳も決まってて、このバトルは死刑囚編のみならずバキシリーズ屈指の名バトルです。

 巻の後半は学校にまで乱入してきたドイルから逃走したバキの前に柳龍光登場。地下闘技場でトーナメント優勝者と知られた瞬間死刑囚から一斉に注目を浴びてたバキです。みんなバキ狙いです。その柳に背後から達人渋川登場。『バキを尾けるスペック→花山』といい、この頃は『人気者のバキの前に死刑囚登場→別の白格闘家乱入』という基本形を設けようとしてたのでしょうか。


8月22日(木)☆

今週のバキ感想

 バキと柳の鞭打合戦が続いています。しょせんは女子供の技だけあってビンタを張り合うOLのようにも見えます。泥棒猫! うるさいこのブス! そして鞭打を喰らうごとに声にならない絶叫をあげる柳。一方のバキはまったく平常。何故なら愛があるから。愛の一言で今のバキの強さの説明はカタが付けられます。火を吹こうが空中浮遊しようがテレポートしようがヨガだからで済まされてたダルシムと同様です。

 柳に関節を喰らわせるバキ。どんなに水をイメージしようが人間には関節がある。何をいきなり現実的なコトを言い出すんでしょうか。リアルシャドー理論をも否定しかねない発言です。何故なら愛があるから。

 そこでまさかのシコルス乱入。無精ヒゲにどこかイッてる目、「ふしゅる...ふしゅる...」と息を荒げながらの登場でコミケとかにいそうな男に変貌してます。切り裂き一本拳をも首の回転で躱すバキ。あまりに遅いパンチと語ります。愛があるから言いたい放題です。

 限りなくデウスエクスマキーナに近いバキのパワーアップですが、「怒りました/キレました/強くなりました」というどうしようもない理由付けでないからイイかな。夜叉猿と闘った時以来の飛び石パワーアップです。というワケで、今回の結論としては以下。

梢江は夜叉猿のような女です。


8月21日(水)☆

今週の餓狼伝感想

 今回は文七が堤を見舞う話です。勝者が敗者にかける言葉はない。グラップラー刃牙幼年期編で幾度か描かれたシーンです。

 文七VS堤の総集編が出るとしたら試合と今回分収録といったトコロでしょうか。ラストが上手く締まりますし。

 

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