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6月20日(木)☆

 ヤンマガ見ました。あの脂肪の海を泳ぎたいです。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」5巻

 第2部はこのジョジョという作品の世界観としても最大スケールに突入する内容で、かなりの人気を有しています。1部から出ている波紋、石仮面がここでも登場。「1部2部」は特にストーリー面でどうなるどうなるという楽しみがあり、「3部以降」はバトル面でどうなるどうなるという楽しみが強い。別の作品にも思える感じですが、根底にあるのは作者の「読者に飽きられないように作られている『サスペンス/引きの上手さ』」です。

 5巻後半から始まる2部ですが、主人公は1部のジョナサンの孫/ジョセフ・ジョースター。生まれながらに波紋を使うコトが可能。相当暴力的な一面もあり、イギリス人=紳士のイメージを払拭するキャラ作りになっています。

 ストーリーの導入部分になるこの巻では、この2代目ジョジョの紹介と、スピードワゴンがメキシコにて発見した遺跡にて、大量の石仮面と石柱に眠る謎の人型生物「石柱の男」の存在が明かされます。そして謎の生物を眠ってる内に破壊してもらおうと呼び寄せた波紋使いストレイツォの裏切。50年前のディオの若さ/強さへのあこがれ。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」6巻

 前半は吸血鬼と化したストレイツォとジョセフの戦い。石仮面を被った吸血鬼というワケで1部においてのボス/ディオに匹敵する存在ですが、2部ではこの吸血鬼すらも雑魚に過ぎません。この辺の世界観のエスカレートのさせ方はジャンプ漫画の王道です。

 昔の姿(顔)でジョセフの前に登場するストレイツォにゾクゾク。ジョセフの戦いは単純な殴り合いバトルでなく、トリックが多めなので楽しい。鏡のトリックは流石に無理を感じますが。

 後半ではスピードワゴンの生存が確認。ナチスに捕まり、「柱の男」の情報を引き出されようとしています。ここで登場するシュトロハイム少佐は、台詞がほとんどイっちゃってて今でも結構パロディに使われています。

 ここでナチスの実験により「柱の男(サンタナ)」が覚醒。何でもありの生物です。相当ヤバくなってきたトコロでジョセフ到着。女装がバレて自信をなくしていますが、バレないと思ってた辺りちょっと天然かも。


6月19日(水)☆

 ああ、ヤンマガチェックし忘れてしまった(掲示板参照)。明日まだ残ってるかなあ。

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浅田寅ヲ「すべてがFになる(原作/森博嗣)」

 クールで硬質な絵は非常に原作にマッチしています。浅田寅ヲの描く作品には初めて触れましたが、カッコイイです。もちろん自分が原作を読んで描いていたイメージとは異なるキャラ描写もありましたけど。ていうかほとんどがそう。どいつもこいつも眉ひそめて難しそうな顔してますね。

 漫画化の際の希望に「犀川をカッコ悪く」とあるのが森博嗣らしいです。多くの読者が犀川に「タレ目/B'z稲葉の線を細くした外見」という印象を持っていそうです。雑誌の投稿イラストなどから察するに。ちなみに僕の犀川イメージは佐野史郎です。

あ! いま敵増やしましたヨ!

この浅田寅ヲ版犀川はワイルドです。アンダーフレームの眼鏡で無精髭。髪もボサボサでとんがってます。でもこの犀川、かなりアリです。自分のイメージが修正されるまではいきませんが。一方、女性キャラはかなり違和感ありまくりです。儀同世津子のゴージャスぶりもそうですが、萌絵が黒目がちなトコロが特に。国枝女史はイメージ通りでしたが、女性じゃないので。

 原作を読んだ時は、扱ってる舞台が全く無縁の世界で、十全に理解していたとは言い難かったものの、それでも超人対決の理解可能な部分を断片的に拾い『ああ、スゲえ』と感動しました。ネットに触れるようになった今、漫画版で改めてこの「すべてがFになる」に接して以前よりも理解が容易になっていたかと言えば、いや全然。

 相変わらず西之園萌絵の計算即答がカッコイイ。真賀田四季に妹/未来がいたなんて忘れていました。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」53巻

 超特急を舞台にプロシュート兄貴(ザ・グレイトフル・デッド)&ペッシ(ビーチ・ボーイ)との戦いのラストまでを収録。この巻辺りから異様に濃くなってきます。

 そう言えば、ジョジョでは二人組の敵が現れた時、片方の顔が初登場時には明かされてないコトも結構あります。単純にデザインが固まってないからという理由なのかも知れませんが、明かされていなかったのが後々意味をなしてるコトが多いです。今回はプロシュートがそうで、ザ・グレイトフル・デッドの老化させる能力で自分自身も老化させてジジイになってのだまし討ちをミスタに決めました。老化して倒れたミスタの頭に弾丸を撃ち込みました(帽子の裏側でこっそりピストルズがガードしてましたが)。まさにギャング。

 敵二人はミスタを後にし、運転室へ向かいます。ここからこの巻の主役はブチャラティです。解説役はピストルズナンバー6。ブチャラティ一人でこの強敵コンビを相手にして、しかも勝ちます。逆転に次ぐ逆転というよりも、終始劣勢、絶体絶命の連続から勝利をもぎ取ると言う、屈指の名バトルです。プロシュートを倒されてからのペッシの変貌が凄い。終盤でまたどうしようもないヤツに戻るのも凄い。擬音のパキョオオアアアンが凄い。普通このシーンでこの擬音描けません。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」54巻

 次なる刺客はメローネ。こいつのスタンドは自動操縦型。従来の自動操縦型の欠点は「正確性のなさ」だったのですが、この「ベイビィ・フェイス」は成長する学習型のスタンドとして登場。赤ん坊が学習していく感じでスタンドの性質を表現しています。

 このスタンドを作り出す為には追跡対象の血液と、母胎が必要。序盤ではその様子が描かれていますが、メローネの変態ぶりばかり目につきます。格好からして変です。

 相手になるのはジョルノで、この闘いを経て、ゴールド・エクスペリエンスを使って損傷した肉体を別の物質(ブローチなど)で部品にして作り直すコトを学びました。

「人というのは成功や勝利よりも『失敗』から学ぶ事が多い......『部品』に関する君の能力......君のおかげでぼくの『ゴールド・E』はとにかく成長できた」

でもこれで回復係担当に決定しちゃったんですけどね。


6月18日(火)☆

 昨日の夜に殊能将之「樒/榁」読了。そして本日の購入漫画。

浅田寅ヲ「すべてがFになる(原作/森博嗣)」

 ようやく買いました。今年2月の発行だったのでこの時期入手したのはもう再版かな、と思ってたら初版。

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今週の餓狼伝感想

 巽、松尾象山にアゴを殴ってみろ発言。肩でがっしりとアゴ固定です。太い態度に出ましたが、そこで象山が拳を放つと手で止めやがりました。サクラ仕込みの騙しっぷりです。しかも止めたコトだけで相当のものなので、集まっていた記者は賞賛気味。アゴ殴れはどこにいったのやら、いつの間にか話が刷り変わってて場にどよめきが沸き起こるのがやり手です。

 しかし、そこで象山が拳からゆっくりと指を2本、巽の眼球の下に開きます。下瞼プニっと接触。止められてもオレァその先を考えていたぜ表明でしょうか。せっかく主導権を握ったかに見えた巽、ちょっと屈辱受けたっぽいです。

 この2人、カードを設けて闘いそうな雰囲気でしたが実際どうなるのか。餓狼伝2大巨頭ですからまだぶつかるコトはないと思うけど。

 最後に象山が駆け引きで逆転を決めた今号のやり取りを読んでも、僕には巽の方が恐いです。どことなく腹黒そうで。ていうか今回のを恨みそうで。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」42巻

 まずはハイウェイ・スターの噴上裕也との戦いが決着。病室でのシーン、ジョースター家男児の特質「女にモテる」で、仗助が噴上の取り巻き女達を自分の側に引き込むと思ったんだけどなあ。仗助のモテっぷりは初代ジョジョぐらいなのかなあ。

 次は吉良が新しい家族との暮らしの中で起こる、ネコのスタンド「ストレイ・キャット」との激突エピソードです。敵キャラである吉良中心での6話にも渡るエピソードを描けるトコロが凄い(連載面でも)。吉良が「しのぶ!」なんて妻を心配していたりするのがびっくり。殺人鬼にロマンスの予感。トマス・ハリスの「レッドドラゴン」的絶妙なシチュエーションです。ちょっと吉良に人間味が出てきてるのが今後の展開にどう関わるのか興味津々。そして遂に川尻浩作の息子/川尻早人に、父親でない(別人)とバレました。

 そして最後に収録されているのは、鉄塔で生活している住人を発見する仗助、億泰、未起隆トリオの話。鉄塔の住人、スナフキンチックで愉快そう。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」43巻

 鉄塔男、実は敵でした。1.5ページ使って鉄塔ハウスの図解が出たりで、トニオ編のような息抜きエピソードかとも想像したんですが、かなりのシリアスなバトル。もはや本体の意志から一人歩きしている鉄塔スタンド:スーパーフライ。その能力は、養分の為に人間を一人鉄塔内エリアに閉じ込める(脱出しようとしたら鉄塔の一部になってしまう)。都市伝説にありそうなものを、スタンドで表現。

 誰が鉄塔エリアに残るか(もちろん仗助達は鉄塔男を残そうとする)、ゲーム性の強い闘いになってます。しかもステージが鉄塔なのでアクロバティックな演出も多め。最後は上手く纏めています。

 次のエニグマ戦もシリアス。何でも紙に閉じ込めてしまうスタンドで、かなり強い。仗助が負けたほどです。実はビビリの噴上裕也が闘う決意をしたトコロで次巻へ。仗助の最後の台詞が1部のツェペリ男爵を髣髴させカッコイイ。


6月17日(月)☆

 WJ29号感想。

いちご100%

 巻頭ポスターの水着東城のにちゃんとラインが入ってたのでよし。本編では新しく女キャラが登場しました。真中の妄想で早くひん剥いて下さい。

ナルト

 今回はシノVSカンクロウの消化試合です。この闘いではカンクロウが見せた一旦切った傀儡へのチャクラの糸を瞬時に繋ぎ直すってのが一番良かったです。化かし合いではこれ以上にシノが上回っていたけど、シノの勝ち方よりもツボでした。

 次は、次こそはサスケVSガアラですか。随分と後回しになったので、生半可な闘いでは読者の期待にそぐわないモノになると思うので、作者、非常にプレッシャー感じてるかも知れません。

ワンピース

 海軍本部元帥/海軍総大将「仏」のセンゴク、中将/「大参謀」つる等、今回も新キャラがわらわらと登場。聖地マリージョアでの会談、ヤギが資料を食ってます。七武海2名の元懸賞額が約3億となっています。こうして見るとルフィの1億ってのは相当凄いです。

 ここではドフラミンゴの能力が少し公開されてますが、取り敢えず今のトコロは謎(どうとでも取れる)。ドフラミンゴはべラミー辺りとシルエットが被ってるキャラなのでイマイチ新鮮味がないなあ。

 白ひげもその姿が遂に公開。肩書きが「世界最強の男」です。ミホークの時の「世界最強の剣士」もそうですが、世界最強と書き切っちゃうトコロがイイ。

 ジャヤにて酒飲みの巨漢が「黒ひげ」だったコトが判明。でも数ページ前の白ひげのインパクトに食われた感があります。ルフィ一行がジャヤ上陸の際にちょこちょこ出ていたキャラ達が黒ひげ海賊団であったコトも判明。ルフィの謎の台詞、あいつらには手を出すなってのは彼らのコトだった様子。

BLEACH

 今回力に目覚めたのは織姫でした。目覚めたその能力は、ロッズを操るコトが可能。流れ的にたつきが目覚める、と読者に思わせようとしていた気もします。

ストーンオーシャン

 ヴェルサスのスタンド「アンダー・ワールド」は「地面」に記憶された過去の出来事を掘り起こす。意外と明かされるのが早かった能力の内容。エルメェスも引きづり込まれました。旅客機の中です。地面に突っ込む4分前。いきなり2人して絶体絶命。今回こんな絶体絶命な緊迫感のあるストーリーを作り出した作者の巻末コメントがコレ。

>興味のないワールドカップで、ひとつ引きつけられた事があった。トンマージという名前。


6月16日(日)☆

 これアップしたら今日はもう寝ようかな(21時半)。

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那由多遥「サブラ2002/11号」

 「真っ白な肢体を、ギリギリまで露出する姿はもはや健気さが漂う」。これは的確な表現です。もうホント、那由多遥は微妙な位置のアイドルとして何とかビッグになろうと健気に頑張ってる感じが大好きなんですよ。でもメジャーにならないで下さい。ピュア系なのにここまで出してるのがツボ。乳がデカいなどといったウリがないので、それに匹敵する技、「ノーブラでを大衆に公開する」という武器を獲得。もう僕ノーブラといえば那由多遥のイメージを植え込まれました。愛してます。

 今回はグラビアが7ページありますが、とりわけ気に入ったのは2/3ページ目。真っ白バディです。光で線とばしてるのでしょうか。見たコトないぐらい真っ白。白人の身体の様です。ていうか大袈裟ではなくギリシャ彫刻の様です。このお椀でおかわり! 顔も少しふっくらしてきててもう好み直撃。それがよく分かるのは3ぺージ目ですね。この表情もいつになく自然な笑顔。

 3rdビデオ「コットン」6月20日発売とのコトで、今回のグラビアはそこからのショットなのかな? ビデオはもちろん買う。今から、思いっきり握りながら楽しみにしてます。握るってのは「手に汗」ですよ。ギュッと。こう、ギュッと。

ああ、那由多遥に握られたい。


6月15日(土)☆

荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」40巻

 2回入る「吉良吉影の新しい事情」がとてもイイ感じ。整形によって川尻浩作という男にすり変わった吉良。川尻には妻と息子がいたので、この二人に正体がバレないように生活しなければならない。非常にスリリングです。しかも、妻は本物の川尻浩作に倦怠を感じていたのに、すり変わった吉良にはロマンスモード、息子は父親の部屋を盗聴盗撮してる電波野郎。よりによってこんな家族だったというのが面白い。

 逃走した吉良の父親は息子を守るべく「矢」でスタンド使いを生産します。まずはジャンケン好きのガキがスタンド使いに。スタンド名は「ボーイ・2・マン」、その能力は、ジャンケン5回勝負で勝ち越したら相手の能力を吸収できる。相手になるのは岸辺露伴。たかがジャンケン勝負なのにもういちいち大袈裟で異様に笑えます。変格バトルは荒木氏のお手のものなので、仕掛けに富んでるエピソードに仕上がっていて非常に面白い。4部侮りがたし。

 でも赤ちゃんのイカサマがよく分からないんですよ〜。ここが決め手なのに。誰か教えて下さい。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」41巻

 自分は宇宙人だと主張する支倉未起隆登場エピソード、これも前巻のジャンケン勝負にように、仗助と露伴のチンチロリン勝負という変格もの。また露伴です。露伴のキレ方が真に迫ってる為、1〜3部で繰り広げられた命がけの闘いにも匹敵する緊迫感が味わえます。

 支倉未起隆が宇宙人であったのかどうかは最後まで分からず終いです。透明の赤ちゃんといい、謎が謎のまま終わってるものも4部は幾つかありますね。

 本体の正体が不明なトコロから始まる「ハイウェイ・スター」との闘いはチェイスもの。60キロ以上のスピードは出せない敵スタンドから仗助がバイクで逃げ回ります。逃げ回りながら、本体を探し出さなければならないという困難なバトル。先2つのジャンケン/チンチロリンが、題材としては息抜き的な話だったのでシリアスさに拍車が掛かります。 


6月14日(金)☆

 そうそう、昨日書こうとして忘れていたコトって、上のサーバー広告がキッチリスッキリレイアウトが直ってたって話でした。そしたらまたグダグダになってるし。本日の購入書籍。

「サブラ2002/11号」

 だって那由多遥グラビアがあったんですもの。那由多遥グラビアは、おとなの特専街(だったか?)なる雑誌にも最近載ってましたが、ページがあまりにも少なかったのでそちらはスルー。誌名でスルーしたのではなく、あくまでページ数で。

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板垣恵介「バキ」1巻

 長期連載がもたらすセールス的な問題などから(大長編は途中からの読者が付きにくい)、第2部と称して巻数を1にリセット、タイトル変更で仕切り直しての「バキ」スタート。でも内容は続編。他にも、刃牙と書いてバキと読ますのは無理があると感じたのか、主人公範馬刃牙の表記も範馬バキにほぼ統一。「ほぼ」としたのは、11巻のオリバのせいで。

 世界各国から集められた猛者による最大トーナメントを終え、次なる対戦相手として登場するのは5名の最凶死刑囚。ニトログリセリンがある日を境に結晶化し始めたエピソードを切り口に、シンクロニシティという言葉が説明されます。

一見無関係に隔絶された物質や生物 果ては思想が 地球規模で同時同様の変化を起こす

世界各地にて、接点を持たないと考えられる死刑囚5人が、同時期に同じ言葉を残して脱獄をし、東京へと向かいます。東京もいい迷惑です。そしてその言い残した言葉がコレ。

敗北を知りたい。

でました。傲岸不遜な台詞です。自分は負けたコトがないという発言です。負けって何ですかあ〜〜〜? これだけで今回の対戦者の強さがよく分かります。

 ただ、恐らくこの2部で描こうと作者が考えているテーマは、この台詞のさらに先にあるであろう考え方、「敗北を知っている者は強い」ではないかと思っています。失敗を経験したコトがない者はギリギリでのふんばり/耐性が弱いんだ、的な意味合いで。

 この1巻では死刑囚5人の顔見せがてらに脱獄シーンが収録。どれもこれも凄い身体能力を表現しています。この時は敗北する絵が浮かばないほどでした。

 アメリカ/ドリアン...絞首刑を耐え切っての脱獄。巨漢マッチョキャラながらも首だけで自分の全体重を支えていたコトになります。最大トーナメントではジャックも刃牙のギロチンチョークで浮きましたが、結局耐え切れずにそこで敗北していました。この1点だけでもドリアンの凄さが伝わります。

 イギリス/ドイル...電気イス執行、泡を吹き、目から血を流しつつも耐え切り脱獄。目隠しをしたまま相手の顔面に拳を放ち、銃を歯で受け止める芸当を披露。

 ロシア/シコルスキー...ミサイル発射口を改造した刑務所の100メートルもの垂直の壁をよじ登って脱獄。壁に出来ているわずかな錆や傷を手掛かり足掛かりにロッククライミング。ついでとばかりにガーレンを屠って東京へ。ガーレン、最大トーナメント後も穴掘ってたのか。

 アメリカ/スペック...海底刑務所である潜水艦から脱獄。水深200メートル、必死に泳いで5分はかかると言われる距離を泳ぎ切る。5分間の無呼吸運動(ただ5分間息を止めてるのではなく酸素を過剰に消費する運動が可能)という身体能力を発揮。

 日本/柳龍光...ロケット砲もハネ返す特殊強化ガラスからなる懲罰室から脱獄。手の平をぴったりとガラスに張り付け、極限の真空状態を作り出し簡単に破壊。「この地球上で最も強力な毒ガスが何かワカるかね」という謎の台詞もあり。警備の耳に息を吹き込み、逆側の耳から脳みそを吹き出すという、肺活量/力の異常さを思わせる荒技も披露。

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 ドリアンは最終的に擬態/人間ポンプ/アラミド繊維/催眠術/中国拳法最高峰「海王」といったキャラ付けがされてました。1巻の脱獄時には尋常ならざる身体能力を感じたのですが、その後は非常にパッとしない闘いを繰り広げていました。絞首刑時に、本当に首吊りに耐え切ったのか怪しくも思えますので、勝手にこの脱獄シーンの可能性を考えて遊んでみます。

1.催眠術で刑務官たちを騙していた。

 実は執行台に昇ってなかったとか、もう10分経過したと感じさせて5秒ぐらいで降ろさせたとか。でもドクターは後から入ってきて時間を計測していたので術をかけるチャンスがないですね。首吊って死なない人間っていうのも「思い描かない」コトだから、催眠術で騙してたのはやっぱ無理か。

2.こっそりアラミド繊維で負担を首以外にも散らしていた。

 足の指あたりで、階段を昇る時にあちこちに引っ掛けていたとか。でも落下のガクーンという感じから無理がありますね。重力まかせに落ちてる感じ。だとしたら足の指、繊維で切れそうだし。そもそもアラミド繊維を事前に取り上げられていないのはやっぱ変だし。腹の中に隠していたとか。それでも取り上げられるか。

 結局のトコロ、描写のままストレートに「絞首刑を耐え切った凄いヤツ」なんだろうけど、東京上陸後に見せた戦法と一致しない感じがするなあ。


6月13日(木)☆

《更新履歴》...「雑読雑感」に相互リンクして頂きました。ありがとうございます。

 何か書こうとしていたコトがあった気が。ど忘れしてしまった。

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石川賢「魔界転生(原作:山田風太郎)」

<訂正追記>

 以前の感想で『この辺、デザインも含めて「バスタード」の影響だと思われます』と書いていますが、この点に関して掲示板でふりーく北波様から以下の御指摘を受けました。

>『魔界転生』の初出は1987年、角川ヤマトコミックス 描き下ろし上下巻でして、『BASTARD!』の連載は1988年なんですが、 いかがでしょうか。

 あ、間違ってますね僕。しかもバスタードの後半のコト(13巻以降)を念頭に書いていたので、1987年なら明らかに早かったです。どうもすみません。バスタードはギーガーやらトップやら色んなモノをごった煮にしてる漫画なので、むしろこっちのほうが影響下にあるかもって感じです。

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今週のバキ感想

 ヤンチャンじゃない本編の方の感想。主人公バキ不在の方が本編と呼ばれるこの事実。主人公は「格闘」です。

 克巳の下段突き、まんまドイルの顔面に放たれていました。この顔面陥没してるドイルが今号の絵的な見せ場です。ドイル脱獄時の死刑執行人や、ドイル戦でのオリバなど、顔面陥没が付きまとうドイルですが、自分自身がその描写を極めました。

 その後の展開は、トドメを刺さずに克巳、ドイルの勝利と言い残してその場から去り、治療を受けたドイルがそのコトを聞かされ、ドアを開けた克巳の前で(どうぞお通り下さい)ポーズ。

 このドイルの振る舞いは敗北をようやく受け入れた表現と見て、どうやらドイル編、一区切りついたようです。まさか克巳が決めるとは思ってもいませんでした。烈に負け独歩に負け克巳に何度も何度も負け、ドイル、遂に敗北を受け入れた様子。一番負けた死刑囚です。

 ドイルとの関連では死刑囚ハンターのオリバ、昂昇のリベンジで関わってきたジャックが回収されていませんが、今後闘うとしてもドイルが「悪役キャラ」として闘うようには思えません。

 実はまだドイルには裏がある、という展開にするにはそれ相応のバトルへのこだわり/深みをドイルが持っていなくては面白く出来ないし(今週のラストを台無しにしてしまう)、そんなこだわり/深みがありそうに見えません。

 今週号では『ドイル編が終わった』以上に『克巳編が終わった』という印象を受けました。第2部では、ドリアンの不意打ちを喰らい噛ませ犬からスタート、加藤に弟子入りしてガソリンで外人燃やしたり、神心館の数にものを言わせる戦術に出たり、情報網を駆使してコソコソ動き回ったり、爆発してハゲたりと、まるでどうしようもない役回りだった克巳。ていうか最大トーナメントも、中国拳法の次元違いを見せつける為だけに用意された、空手界のリーサルウェポン/空手を終わらせた男/あの独歩の養子、など言葉の過剰装飾だけの中身のないキャラクターに思ってました。

 んで、刃牙登場キャラクターの克巳が作られた行程が実際その通りだったのかどうかは作者にしか分かりませんが、今回で克巳というキャラクターにとても魅力を感じました。今まで刃牙の役目だった「闘いの果ての絆」を克巳が(烈もですが)ドイル編で決めてくれた感じです。


6月12日(水)☆

梅原克文「ソリトンの悪魔(上・下/ソノラマ文庫ネクスト)」

2016年、日本の最西端・与那国島の沖合に浮かぶ完成間近の海上情報都市<オーシャンテクノポリス>は謎の波動物体に直撃され、突如海の藻屑と化した。都市を支える1万本の巨大な脚柱が脆くも崩れ去る衝撃は、近海で操業中の海底油田採掘基地<うみがめ200>と海底牧場を遊覧中の観光用潜水艇をも巻き込み、危機に瀕した油田基地と娘の救出を試みる、倉瀬厚志の苦闘が始まった。

 梅原克文ですよ。梅原克文。

「で、自衛隊さ。あそこは事実上失業者救済機関だからな。」

なんつうイカした台詞連発の「二重螺旋の悪魔(角川ホラー文庫)」でおなじみ梅原克文です。もう、この人の書くSFはグイグイ読ませます。ページがどれだけあっても、読み始めたら苦にならない文章の流れの良さがあります。

 デビュー作「迷走皇帝(エニックス文庫/梅原克哉名義)」は対象年齢を考えての結果か、ためらいがちな、非常に中途半端な作品でしたが、「二重螺旋の悪魔」、そしてこの「ソリトンの悪魔」は、一見読み手に伝わりずらいような(難しい)素材/題材でもためらわない、しかもそれを確実にエンターテインメントに昇華した内容になっています(ちなみに両者共「〜の悪魔」というタイトルですが、世界観は別物です)。

 本書下巻のあとがきに引用されている、梅原克文自身のSFへの考え方がとても心地良い。以下青字が引用。

>SFの語源であるサイエンス・フィクション。これは現実世界を疑似科学アイデアによって外挿する小説形式であり、大衆娯楽でした。元祖SF作家のヴェルヌとウェルズはエンターテインメント作家そのものであり、大ベストセラー作家だったことは歴史的事実です。これがSFの基本形式です。
しかし、SFでは伝統の形式、大衆娯楽小説としてのSFを古典SFと呼びます。そして、それは時代遅れだとさえされています。古典SFがより進化したのものが、前衛文学じみた「現代SF」とされているのです。
しかし、伝統の形式を頑固に守っているミステリーやハードボイルドのジャンルはますます繁栄しています。(うらやましい)。
一方、元祖ヴェルヌとウェルズ以来の、サイエンス・フィクションの形式を受け継ごうとしないSFはどうなったでしょうか?
ご覧の通り頽廃しました。
「現代SF」なるものは前衛文学であり、娯楽小説であるサイエンス・フィクションとは別の文化であることは明らかです。なのに、よそものが活字SF界に侵入してきて、伝統の文化を汚染してしまったのです。これが「SF冬の時代」の真相なのです。

言いも言ったりでこっちも気分爽快になります。そして、この発言に反するコトなく、梅原克文小説はエンターテインメントに徹しています。

 当「ソリトンの悪魔」は、終始に渡って海を舞台にストーリーが進みます。危機、打破の連続でまさに手に汗握る展開。ピンチピンチのジェットコースター。このテンションの持続力は半端じゃないです。前作「二重螺旋の悪魔」でも世界最強クラスの強敵が存在していましたが、この作品でもまた別の世界最強クラスの生命体が登場します。素人サイドの自分としては発想すら沸かない強敵です。

 作中に登場する色々な小道具も、昨今のSFならそのアイデア一つを無理矢理引き延ばして1作にしちゃうようなおいしいネタ。惜しみなく、エンターテインメントの部品にジャカジャカ使っちゃってます。今、純粋に読者を楽しませる作品を書くSF作家は梅原克文とダン・シモンズぐらいです。読め。


6月11日(火)☆

《更新履歴》...イラストに「範馬勇次郎」追加。

 やっとキリ絵が描けました。

 2日ぐらい前になりますが、9000アクセス突破しました。どうもありがとうございます。

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今週のバキ感想(ヤングチャンピオン版VOL.2)

どうしよう感想。

えー、30ぺージもの間、異様なテンションでした。特にバキ氏。全く接触しないで暴発しそうなテンションでした。それほどのものか松本梢江ッッ! それにしても内側を30万部誌読者に公開されたヒロイン/梢江。エロ漫画の女性キャラでもこんな仕打ち受けません。

 すみませんやっぱ無理。無理です。感想も何もないです。ああ、桐山カッコイイなあ(現実逃避)。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」38巻

 この巻の冒頭の作者の言葉、

>身の回りにミステリーがある。知り合いの女性にボーイフレンドがいるんだが、この男性、デートの日、必ず夕方の6時になると家に帰ってしまうらしいのだ。なにしに、そんなに早く帰っちゃうのだ?

というのがあって、謎が明かされるコトなく最後に(39巻に続く)となっていますが、39巻ではまた別のミステリー話をしていて結局謎のままです。

 「山岸由花子はシンデレラに憧れる」は、その謎の答えを物語的に面白く、作者なりに考えた結果生み出されたエピソードなのかも知れません。

 中盤からは、承太郎&康一が重ちーの残したボタンから殺人鬼の正体へと急迫。吉良吉影はキラークイーンの付加的能力/シアーハートアタックを残して逃走。シアーハートアタックは、体温で目標を見定め、突っ込んで爆発する自動操縦型スタンドです。特徴として、異様に固い。承太郎のスタープラチナのオラオララッシュでも壊れない頑丈さ。

 承太郎が大ダメージを喰らい、絶体絶命に陥ったトコロで康一のエコーズがACT.3に成長。新能力は、『対象を重たくする』。シアーハートアタックを地面にめり込ませました。本体の吉良にも異常が。

 それにしても康一のスタンドは成長するってのが珍しいです。本体が能力を使いこなせるようになって色々な応用を生み出している、というのではなくモロ脱皮してますから。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」39巻

 エピソード「シアーハートアタック」後半が収録。何度も逆転が繰り広げられる上質のエピソード。顔も名前もスタンド能力も遂にバレた吉良吉影。康一/承太郎/仗助/億泰、と4部の主人公サイドのメインメンバーから、逃げ切りました。エステティシャン辻彩に顔と右手指紋を変えさせ、再び『群集』の中へ。この逆転に次ぐ逆転、ああ、ジョジョ読んでるなあと実感します。

 巻の後半は、吉良吉影の住んでいた家へ仗助達が捜索に乗り出します。目立たないような人生を歩んでいた吉良。トロフィーや賞状が全て「3位」。実力をセーブして生きてきた男です。森博嗣「黒猫の三角」での保呂草のキャラ造型を思わせます(保呂草のほうが後発キャラです)。

 そんな目立たない吉良ですが、自分の爪をビンに集めて取っておくという趣味がありました。爪の伸びる長さで殺人体調を占う。これを発見した時の承太郎の台詞、

「ユダヤ商人は『太陽の黒点』の動きで商売の好景気不景気を見るらしいが 吉良吉影は『爪』ののびる長さで自分の体調を占ったらしいな」

ユダヤ商人を引き合いに出すのが凄い。

スタンド能力を引き出す「弓と矢」がもう一組この家から発見されます。ここでは吉良吉影の父親の幽霊とのバトルがありますが、最後には億泰の失策で逃走されます。またお前か。

 

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