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5月10日(金)☆

《更新履歴》...イラストに「花」追加。

 この「花」ってのは単に今回のトップ絵のオリジナルサイズのものです。

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板垣恵介「グラップラー刃牙外伝」

 マウント斗羽と猪狩完至のドリームマッチ。最大トーナメント終了から第2部死刑囚編へと移項する前の、外伝です。汗だくでにらみ合う二人のアップの表紙がもう暑苦しい。

 連載中は途中で珍しく休載した期間がありましたが、「餓狼伝」の版元が講談社に移った時期でその表紙を描き下ろしていたからでしょうか。僕の所有してる「餓狼伝」1〜5巻、スコラ版のままです。流石に表紙の為だけに買い改める気にはなりませんでした。

 マウント斗羽と猪狩完至のドリームマッチというよりも、この二人のモデルの闘いがドリームマッチ。夢枕獏も何かの著作にて「アントニオ猪木とジャイアント馬場の闘い」について言及していました。そして、実は公式ではない場において二人は勝負をしたコトがあり、その時には馬場が勝利したらしいコトを記していました。

 んで、猪木がその結果について言った言葉が、「喧嘩なら負けなかった」。非常に微妙な発言ですが、もし羽生に将棋で負けて「喧嘩なら負けなかった」と言ったトコロで嘲笑を買うのに対して、「プロレスで負けても喧嘩なら負けない」という言葉には理解できるものがあります。

 プロレスも含めて、ボクシングや空手という格闘技には、やはり根底に同じベクトルの「強さ(到着点)」を目指してるものがあると感じます。

 この「外伝」で描かれてるのは例によって「レスラーは技を避けない」というプロレス観。スタミナの奪い合いですね。

 最後は猪狩の勝利と見ていいのでしょうか? 何だか斗羽が自分をこの世から抹消(隠居生活)するために、試合自体仕組んだようにも思えます。馬場はきっとどこかで生きているという作者なりの願望/演出もちょっと入ってるのかも知れません。


5月9日(木)☆

今週のバキ感想

 独歩から、烈とオリバは死んだと聞かされ驚くドイル。んで、続けて独歩が言った言葉、オリバは隕石が衝突、烈は大地震で地割れに飲み込まれて死亡。ドイル、馬鹿にされたのを悟り、攻めるべく構えたトコロに独歩のベレー帽カッター。躱すドイル。んで、場所を公園に変えてのバトル開始。

 独歩の「自分は空手を使わずにぶん殴り合いだけでやるけど、あんたは武器を使う、絶対使う、使わずにはいられない」的発言にドイルやや憤慨そうな表情。そして攻撃を仕掛けたドイルに独歩、回し受け&連撃。空手使用。というのが今週のバキでした。

 今回を読んだ感じでは、ドイルは挑発に弱そうです。そういや昂昇も烈も真面目に闘うタイプでした。オリバはユーモアキャラの要素を含んでいますが、闘いの部分では話術が薄かった気がします。ドイル、今まで口で挑発してくるキャラと闘ってなかったみたい感じです。野次に弱そうです。

 ラストの独歩のやり方は、ドイルに「卑怯」と思わせるコトを目的としてそうです。武器使いまくりで端から見たら卑怯の権化のドイルに「卑怯」と思わせる。これが狙いっぽいです。

 ドイルは自分が周りにどう映ってるのか無自覚で、それでいて『オレって無敗でカッコイイ』と一人シリアスを決め込んでるナルシストだったのでしょうか。

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板垣恵介「グラップラー刃牙」42巻

決勝戦/範馬刃牙VSジャック・ハンマー(勝者:範馬刃牙)

 決勝戦終盤にて、優勢に闘いを進めていたジャックの肉体に異変。マックシングの果てにゲロり放題。ガリガリに痩せこけます。そして何よりも凄いのが、このガリガリ状態こそがジャック完全体とも言っていい姿だったコト。ドーピングはいけません的な社会派倫理派な展開を思わせてのこのストーリー運びが素敵です。

「日に30時間の鍛練という矛盾のみを条件に存在する肉体」

この台詞が超カッコイイ。言ってるコトは「一週間に十日来い♪」なんですが、シチュエーション次第でとてもカッコよくなります。

 そして刃牙の最後の強烈な反撃、フロントネック。刃牙の背中に勇次郎の象徴とも言える「鬼の貌」が浮かびました。ここで歯を食いしばって耐えるジャックのモノローグが印象的です。 

「あと30秒...?」「あと20秒耐えたら俺の勝ちだッッ」

今しか認めないジャックが、たとえ数十秒とは言え未来を考えたコト。心(思想)の敗北と勝負の敗北が重なっての完璧な決着に思えます。

番外戦/ジャック・ハンマーVS範馬勇次郎(勝者:勇次郎)

 決勝を終えたジャックが向かったのは東京ドーム駐車場。ここで待っていた勇次郎との闘いが描かれますが、1週分で勇次郎勝利。てめえの息子の頸動脈を噛み切る勇次郎が半端じゃない。刃牙が勇次郎に勝つ姿が浮かびません。


5月8日(水)☆

 エロいっすかね。トップ絵エロいっすかね。まあ、「いちご100%」よりはエロいかも知れませんが、「オヤマ!菊之助」ほどではありません。と、何も言ってないコトを言ったトコロで本日の購入書籍。

山田風太郎「怪談部屋(光文社文庫)」
目黒三吉「低俗霊DAYDREAM(原作/奥瀬サキ)」3巻

 山風は1年2ヵ月に渡る「ミステリー傑作選」刊行、全10巻がこれにて完了。まだ1冊も読んでません。信じられん。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」27巻

 いよいよDIOとの戦いが開始。まずは「世界-ザ・ワールド-」の能力の謎っぷりが描かれます。階段を上ったはずが下りていた/柩を開いてみたら中に入ってたのは柩を開けた人物だった、という具合に見事なまでに不可解さを演出しています。

 花京院が自らの死と引き換えに暴いたその正体は、『時を止める』。最初からこうする予定だったのでしょうか。連載時には『空間を入れ替える』能力との予想もしていたのですが、少し分かりにくいし、『時を止める』方がインパクトもありますね。

 ただ、DIOが時を止めた中、ポルナレフや上院議員をえっさこら担いで位置を変えて、時が動き出した瞬間には素知らぬ顔で澄ましていたのかと思うとコミカルです。

 DIOの大衆への無関心ぶりが素晴らしい。100年前に「お前は今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」と言っただけはあります。

 ジョセフの波紋は「時止め」の前には通用せず、やはり最後の勝負に出るのは主人公の承太郎。100年前のジョースターとは正反対のタイプがDIOに挑みます。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」28巻

 この28巻にて、長きに渡って続いた第3部は終了します。

 前巻から感じていたんですが、この第3部版DIOはちょっとスーパーサイヤ人っぽいデザインに思えます。特にジョセフの血で復活してからは髪も逆立っています。あとDIO、口紅塗ってるみたいに見えます。27巻の終盤から。血色良すぎ。

 DIOとの闘いの最中、『時止め』の存在を認識した承太郎にも「時止め」能力が開花し始めます。ただしDIOの5秒とは圧倒的に短い時間の2秒。この数秒の間で非常に長い台詞を言い放つDIOと承太郎。

 2転3転する闘い、途中でポルナレフの乱入もありましたが、全くイイトコなしでポルナレフぶっ飛ばされて活躍は終了。最後の最後は力比べ。承太郎(スター・プラチナ)のパンチでDIOの蹴りを圧倒。この最後の瞬間は何のひねりもなくそのままDIOを破壊。承太郎お得意のゴリ押しです。そしてDIOの敗因を承太郎が語ります。

「てめーはおれを怒らせた」

あんまりです。何はともあれ、これにて『勝ったッ! 第3部完!』。


5月7日(火)☆

《更新履歴》...トップ絵変更。

 久々に絵を描いた気がする。「露」を見ながら描いた。もちろん我流にしちゃってますが。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」25巻

 「アトゥム神」のテレンス・T・ダービーとのゲームバトル。前巻のラストから始まったこのダービー弟との闘いは、この25巻の最後きっかりで終了。

 花京院は復帰第一戦ですが、残念にも敗北。対戦レースゲーム「F-MEGA」。この頃にスーパーファミコン出たんだったか。よく覚えてないや。ああ、花京院、せっかく復帰合流したのにもう勝つコトなくDIOに倒されるんだなあ。

 次の野球ゲームでは承太郎が挑みます。ここでダービー弟の能力が『相手の心を読む』であるコトが判明。かなり凄い能力ですが、掘り下げはイマイチ浅かったような気もします。今の荒木飛呂彦ならもっとこねくり回すでしょう、コレ。

 『心を読む』、こういうタイプの倒し方は主に2通りで、『1.分かっていても返し様のない攻撃を仕掛ける』『2.無心』、このどちらかなんですが、承太郎のとったのはどちらでもないイカサマ。ジョセフがコントローラーを操作するというものでした。イカス。

 そういやスト2で待ちガイルが横行していた頃、「こんなのダービー弟でも勝てん!!と憤慨したものです。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」26巻

 承太郎/ジョセフ/花京院とは別ルートになったアブドゥル/ポルナレフ/イギーがまみえる相手は、この世界とは異なる空間へと移動するコトが可能なスタンド使い/ヴァニラ・アイス。DIOへの忠誠心を描写する為として、登場して9ページで自らの首を刎ねました。そしてDIOの血で復活。

 前のダービー弟戦が、ゲームというちょっとほのぼのしなくもない題材だったというのもあってか、その反動も手伝ってヴァニラ・アイス戦は異様なまでにシリアスなバトルに映ります。アブドゥルの死に方が呆気無いです。インドの時よりも、今回の方こそ死んだのが信じられないほどのあっさりぶり。イギーもポルナレフを守って死亡。アホヅラの犬として登場しながらも、最後は男前でした。

 ボロボロになってのポルナレフ勝利。ヴァニラ・アイスはDIOの血で復活したので吸血鬼と化していたのですが、それに対するポルナレフの言葉、「口の中に剣を突っこんだあたりから吸血鬼になりかけていたようだな」とあります。

 「吸血鬼=日光が弱点」って設定を作者が忘れていて、バンバンヴァニラ・アイスを光の中で活躍させてて、途中で設定を思い出したんじゃないのかとも思います。


5月6日(月)☆

板垣恵介「グラップラー刃牙」40巻

 表紙での巻数40の位置がこうするしかなかったのかと思える場所に。表紙イラスト、絶叫する刃牙のアップなんですが、大きく開けた口に「40」。ああ、でもレイアウト考えたらここしかないか。

シークレットウォー・イン・ベトナム

 この巻ではジャックの母/ジェーンと勇次郎が出会った過去が描かれています。大会決勝のかなりいいトコロでこの回想(?)に突入したので連載時はちょっとウザかったです。

 ベトナム戦争時における勇次郎の活躍が全編描かれています。ジェーンと勇次郎の出会い、と書きましたが、はっきり言ってこの過去編は勇次郎の強さを再確認するだけです。強いのなんの。途中でサム・ゲーリー准将の皮を被ってるのは「羊たちの沈黙」でしょうね。

 勇次郎とストライダムのファーストコンタクトもありますが、ただ出会っただけです。作者がストライダムを出してみたかったので出しただけにしか思えないチョイ出演で終わり。

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板垣恵介「グラップラー刃牙」41巻

決勝戦/範馬刃牙VSジャック・ハンマー

 9週分の「シークレットウォー・イン・ベトナム」も終わりようやく決勝の続き。

 ジャックは必殺の噛み付きを連発し、刃牙はそれを躱す。この辺ではジャックの口の中から刃牙を映すアングルなどがあり、革新的です。歯の裏しっかり描いてるし。

 喰らえば確実に致命傷、一撃必殺の噛み付きです。喰らうワケにはいきません。喰らいましたが。右腕上腕動脈を噛み千切られました。それでも刃牙は闘うのを止めません。刃牙がエンドルフィンを出してからの両者の絶技撩乱が凄い。転蓮華/渋川流/紐切り/音速拳、今まで大会参加者が見せた必殺技が息つく間もなく放たれます。

 紐切りで、視神経に引っ掛けてる指が翌号で逆の手になってるのも思わず見逃すほどのハイテンションな展開です。

 ドーピングに次ぐドーピングでマックシング突入のジャックが大絶叫した後、おもむろに刃牙に物凄い右をヒットさせて次巻へ。


5月5日(日)☆

 那由多遥公式サイトの掲示板に那由多遥本人の書き込みがあって、そこに主婦やってます」という言葉があったのですが、どういうコトでしょうか。家事をやってるという比喩で言ってるだけだと思いたい。

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「アルフォンス・ミュシャ THE IVAN LENDL COLLECTION(講談社)」

 画集は非常に紹介しにくいですね。ミュシャです。有名です。アール・ヌーボーとかそんな感じ。テニスプレイヤーのイヴァン・レンドルが収集したミュシャ作品をより広く公開しようと「ミュシャ画集」として纏めてくれました。ミュシャの画集ではコストパフォーマンス面も含めて最高の1冊です。もう1冊これよりも高い(けど収録作品は少ない)ミュシャの画集も持っていたんですが、引っ越しの際にはこっちを選んで(残すコトにして)処分しちゃったし。

これ、僕が買った時(90年)って2000円だったんですけど、検索してみたら今定価が2800円になってるのにはびっくりしました。作品が何点か追加されたりしてるのか? レンドルがその後またコレクション増やしたりして。

 とても洗練してる作風で、僕などには理解不能な作品の多い「歴史的評価を受けてる芸術」の中でも唯一ストレートに上手さが伝わる画家です。

 少ない主線で質感を出す、そして細部に至るまで手抜きがない、装飾品の緻密さとオリジナリティ、これが僕のような素人目にも圧倒的に映ります。基本のバランス面で、写実に忠実であろうとしてるのが上手さを直で伝えているのか?

 一時期相当ハマった画家です。ファンタジーなどが流行していた時勢だった頃、非常にマッチしていた絵(と装飾)と感じてハマりました。久々にこの画集引っ張り出して眺めていたら3時間ぐらい経っていました。どういうことだ。 


5月4日(土)☆

能條純一「月下の棋士」3巻 <力将棋>

全ての神が次なる一手の中に棲む

 えー、あらすじを書いただけで訴えられる「小学館」作品を今回もまたビク付きながら扱っています。

 そう言えばこの漫画の状況は今、三段リーグ戦の真っただ中にあります。年齢制限ゆえ今期がラストチャンスの鈴本が幸田に負けましたが、その後は全勝。氷室(16戦全勝)、幸田(16戦全勝)、鈴本(15勝1敗)という三つ巴で迎える最終日。

 第一局は「鈴本-氷室」「関埼-幸田」、第二局は「鈴本-木川」「幸田-氷室」。

 幸田がまず17勝目を上げますが、「鈴本-氷室」はなかなか決着が着かない。500手を越えます。鈴本も単純に勝ち星をあげるだけなら途中でチャンスはあったものの、拒む。プロになれるか否かの瀬戸際でありながらも、「将棋」が好きでならないというコトが、刈田や鈴本本人の回想シーンから伺えるこのキャラ作りが憎いです。

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能條純一「月下の棋士」4巻 <不成>

命の秒読みの中で 無限の譜を紡ぐ者

 「鈴本-氷室」は鈴本の勝ち、「鈴本-木川」は木川の勝ち、「幸田-氷室」は氷室の勝ち。プロに昇格したのは氷室と幸田。

 結果のみを記すととても味気ないんですが、各対局ごとに、試合(ルール)の勝敗勝負の勝敗で読者が感じるのは正反対の結論で、この辺が非常に深い。

 そしてA級B級不問で全てのプロがトーナメントで争う新タイトル「王竜戦」への期待が高まる中、氷室は師承である御神三吉の宿敵だった男/村木武雄に会いに行きます。村木の弟子は滝川で、この辺の構図は基本に則っています。村木の廃人ぶりがとんでもないです。いきなり氷室に日本刀で斬り付けてきました。端からみたら「たかが将棋」という、理解しにくい世界に潜む、異常なまでの執念がひしひしと伝わります。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」24巻

 ホル・ホース&ボインゴのコンビでの予知作戦もまた失敗。ボインゴは今回もジョースター一行に知られもしていません。ジョースター一行、倒した「9栄神」の数を把握してない気がします。

 次の「地獄の門番ペット・ショップ」はイギーがようやく活躍するエピソード。「9栄神」の存在が明らかになった際、『9人の男女』なんて情報がスピードワゴン財団から入手していましたが、「ホルス神」のカードを暗示に持つこのペット・ショップはです。『9人の男女』ってヌケサクもカウントされてるのでしょうか。

 鳥VS犬。神(作者)の語りを入れての解説では話を進めにくいと思ったのか、イギーが喋ります(犬語でしょうが)。一方のペット・ショップは「キョオオオン!!」「グガガガ」「キョキョーーーン」。

 復帰した花京院と合流して、ペット・ショップに辛勝したイギーの案内でいよいよDIOの館へ到着。


5月3日(金)☆

高木彬光「人形はなぜ殺される(角川文庫)」

衆人環視の中で、鍵のかかったガラス箱から蒸発してしまった“人形の首”。その直後、突発した殺人事件の現場には、無惨な首なし死体と行方不明の人形の首が転がっていた。名探偵、神津恭介への悪魔からの挑戦状か。
殺人を犯す前に、必ず残酷な人形劇で殺人予告をするという大胆不敵な凶悪犯の正体は?

 パズルです。純然たるパズル。高木彬光を読んだのはこの作品が初です。マジシャンが登場する作品ではカーター・ディクスンの「爬虫類館の殺人」が自分としては記憶に新しいですが、この作品にも魔術師/手品といったスパイスが全編に満ちていました。

 作品が執筆された時代の作風なのか、横溝正史作品と共通した臭いを感じました。高木彬光作品の代表的な探偵であると思われる神津恭介と接したのももちろん初になりますが、やぼったい金田一耕助に比べて、神津はスマートな印象。髪型はオールバックでスーツを着こなし煙草片手にポーズを決めてるキャラです、そんな描写があったかどうかはさておき。有栖川作品の火村っぽいイメージです。不衛生で長髪ボサボサの金田一はどっちかと言うと江神です。

あ! 今ので江神ファン敵に回しましたヨ!

 僕、有栖川作品(特に火村モノ)はトリックよりも「台詞」に惚れ込む部分が多いんですが、高木彬光もそんな感じで台詞に「そうなんだよ、それそれ」と頷ける部分が幾つかありました。

「僕がその場所にいあわせたならともかく、君の話だけをきいたんでは......君だって、その楽屋にずっといあわしたわけじゃあないんだし......」(神津恭介/P32より)

 この自信がイイ。同じ場所と時間を共有したなら、確実に自分の方がより多くの情報をそこから収集できるという自信がイイ。『気付く/拾う』、これこそ探偵の条件です。

「神津さん、むかしの歌舞伎には、よくこんなせりふが出て来ますよ。わけのわからぬ殿様が、家来と腰元をつかまえて、不義を働いているだろうと責めるんです。
『それとも不義を致しておらぬという、何ぞたしかな証拠があるか
こんな馬鹿なせりふは、今の世の中では通用しませんね。不義をいたしているという、はっきりした証拠を見せられなかったら、どんな人間だって、恐れ入りました---とはいわないでしょう 」(布施哲夫/P237より)

 ここもイイ(神津の台詞じゃないけど)。ディベートの基本「白いカラス」にも通じるし、それはもちろん「推定無罪」の鉄則です。

白いカラス...「白いカラスはこの世に存在しない」という命題は証明できない。一万羽のカラスを調べて白いカラスがいなかったことを証明しても、一万一羽目が白いかも知れない。日本中のカラスを調べたとしても、アメリカにはいるかも知れない。世界中調べていなかったとしても、明日生まれるかも知れない。以上より、存在する/しないを論議する場合、その立証責任は「存在する」を主張する側にある。

推定無罪...法廷に於いて、被告は「果して有罪か無罪か」という灰色の状態から始まるのではなく、完全に無罪(白)と推定された状態から裁判はスタート。それを検察側が物的証拠を積み重ねる事で有罪(黒)へと傾けていく裁判スタイル。内容は上記の白いカラス云々と同じコト。

 えー、かなり脱線しました。作品のストーリー部分での感想としては、面白かったんですが、非常に説明しにくいです。緻密な計画犯罪ですので、パズルものです。ああ、何だかこの言い回し正確に伝えてないような。緻密で、用意周到な計画犯罪、と言った方がいいでしょうか。初めて読んだ神津恭介モノですが、恐らく神津恭介がここまで苦戦した敵(犯人)はそういないのではないかと思われます。

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板垣恵介「グラップラー刃牙」39巻

 まずは決勝を前にして、勝ち上がってきた二人の試合前の様子/対象性が描写されています。

 ジャック・ハンマーはこれまで毎回試合前にドーピングをしてきましたが、この決勝に向けて飲んでいる薬物は、かつて北極熊を葬る際に摂取していたものと同じ薬。一方の刃牙は大量に飯を喰らった後、梢江の膝枕で眠っています。

 今日強くなれるなら明日はいらないジャック。より一層明日強くなるように思い続けて今日に辿り着いた刃牙。この二人による地下最大トーナメント決勝戦です。

決勝戦/範馬刃牙VSジャック・ハンマー

 ジャック入場の際、そのガウンの背に浮かぶ『JACK範馬』の文字。ジャックが勇次郎の血を引く者、刃牙の兄であるコトが観客の元にも明らかにされます。連載時にはこれ(兄)はかなり早いうちから多くの読者にモロバレだったように思います。だから「ジャックVS達人渋川」は、勝敗については意外性ゼロでした。

 んで、試合開始と同時に強烈な打撃戦。見開き、何度使ってるコトやら。しかもこれは準備運動です。ドラゴンボールで言えばまだ重たい胴着のまま闘っていた状態。


5月2日(木)☆

今週の餓狼伝感想

 えーアッパーズ、1号読み逃してました。またかよ自分。ボブの攻撃の最中からスタートしていました。

 今号はグレート巽VSボブの試合終了まで。ボブの腕の関節をねじ曲げて筋繊維/骨がむき出しに。試合的には巽の反則負け。なのにゴングが鳴る中、ガッツポーズを決めているのは巽というシチュエーションがイイ。「真剣」という言葉に異様な反応を見せる巽の制裁がボブに下った感じでした。

 社長の闘いは何か恐いです。安心して読めません。


5月1日(水)☆

那由多遥「露(ぶんか社)」

 帯にある『ライ(裸衣)ドル誕生』という定着しなさそうな造語はまだしも、『那由多遥(なゆたはるか)・ナゼカハダカ!?』ってのはネジが飛んでると思います。このコピー考えたの清涼院流水だったらどうしよう。本気で心配になってきました。

 この写真集「露」を見て自分の嗜好というものを再確認しました。僕は全裸よりも半裸の方が燃えるみたいです。ていうか、様々なサイトにアクセスして、全裸はどうも安っぽいイメージを擦り込まれてしまったようです。全裸=その女性を安っぽくする、これテストに出ます。半裸、しかし見えそうで見えないギリギリショット。

 看護婦スタイルの時の髪型が超可愛い。表紙にも採用されてる髪型。スクール水着っぽいやつの次にくるビキニの布面積の少なさがグッド。そもそも小振りの遥ちゃんなのに、それでも際どくなってる程の面積。

 今回の3rd写真集ではビリビリに破れたジーンズをはいてるショットが僕的ベスト。

 ラストの方にある暗い室内での下着(パンツ)一丁ってのが、この写真集の並びとしても切り札的な存在に思えます。色気のない白パンツ一丁です。そこに燃えろ購入者!というフェチを極めし者(編集)の計算を感じました。あんたやるな。

 この写真集に挟まっていたぶんか社の『バイアグラ購入法』というチラシはバカです。それが必要か否か、写真集の購入層と目的を考えて欲しいです。

 あ、1ケ所真っ白なページがあったんだけど、これって印刷ミス/乱丁の類いじゃないですよね? 那由多遥ファンでこのサイト見てる人、自分の写真集がどうだったか教えて下さいって那由多遥ファンが見てるワケはない。

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板垣恵介「グラップラー刃牙」37巻

準決勝第1試合/範馬刃牙VS烈海王

 「勝ったのはオレだ」。刃牙が試合前に放った謎の発言の意味が、この烈戦を通して明かされます。

 リアルシャドー。火バシの熱さを知った幼児にふざけて冷たい火バシを触れさせると、火傷をしたと勘違いした幼児はリアルに苦痛を感じる。時には実際に火ぶくれが生じるコトもある。刃牙はこの原理から、この準決勝前に、今まで見た烈の闘う姿をイメージして烈と闘っていた(リハーサル)。そして勝利を収めていた、との説明。

 ただ、この『思い込みは実現する(自己暗示)』で、火傷が生じるコトはあっても出血を伴う傷が出来るコトはないと以前「特命リサーチ」でやってました。まあ、グラップラー刃牙はファンタジーってコトで。ほら夜叉猿とか。

 この巻は全体的に肉体の部分的なアップの描写が丹念に描かれています。特に烈の足の指ですかね。

 ラストは烈からへそ突きを喰らった刃牙のガラが悪くなって終了。このへそ突きはかなり痛そうです。人さし指が根元まで突き刺さってます。

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板垣恵介「グラップラー刃牙」38巻

準決勝第1試合/範馬刃牙VS烈海王(勝者:刃牙)

 烈の猛攻に、刃牙の中に眠る「巨凶・範馬の血」が目覚めました。烈の肩に飛び乗り、烈の顎と三つ編みを掴んでビキビキと首をねじ曲げました。このシーンはヤバ過ぎです。しかも烈、首をぶらんぶらんさせながらも踏み止まり、頭に手をやりゴキゴキとはめ直しました。首を捻られる瞬間、自分で頸骨を外していた、とのコトですが、中国4000年なんでもありですか。

 最後は烈のラッシュをかわし切り、回し蹴りをぶちかまして刃牙勝利。ギリギリで烈の見せた親指の爪での斬撃、これはちょっと烈をチープにしちゃいました。

準決勝第2試合/ジャック・ハンマーVS渋川剛気(勝者:ジャック)

 試合開始直前に水を口に含んでいた達人渋川は、「バキ」6巻の独歩が語る格闘家の美学に反しているように思えます。

 渋川のアキレス腱を噛み切ったジャック。そういやアキレス腱、喰いちぎられていたんだよなあ。今(「バキ」)の達人見てて忘れていました。

 この闘い一番の見どころは『合気が如何にして破れるか』。ジャックがとったのは、スローモーションのようにゆっくりと渋川を捕らえようとする。打撃力を伴わない掴み/締め狙いです。思わずジャックの手につかみ掛かる達人にアッパー2発。顎ぐしゃぐしゃのじゃりじゃりです。

 最後は渋川の十八番たる足払い大回転を喰らわせ、ジャック勝利。ガーレン戦(投げ)同様、相手のオハコでフィニッシュに持ち込むジャックです。

 

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