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4月10日(水)☆

 本日の購入書籍。

古処誠二「UNKNOWN(講談社ノベルス)」
結城昌治「風変りな夜(中公文庫)」
服部まゆみ「ハムレット狂詩曲(光文社文庫)」
植島啓司「男が女になる病気(福武文庫)」

 古本屋にてひょっこり見つけた「男が女になる病気」。去年書店で並んでるの見かけたけど福武文庫じゃなかったハズ。そっちの方が入手しやすいと思うんですが、どこだっけ? 新潮文庫だっけ?

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山田正紀「風の七人(講談社文庫)」

南国カンボジアの魔城に挑む日本忍者の大活劇。当代一の忍びの手練れ、きりの才蔵とましらの佐助、怪僧にして妖術の総帥七宝坊主、怪力武者の裏切り陣内、豪腕の名手、群青・緑青の双子の兄弟、豊艶な美女さらの七人が、異国の地で目もさめる疾風怒濤の活躍。

 この口蓋の一文目、「南国カンボジアの魔城に挑む日本忍者の大活劇」がこの作品の内容を端的に語っていますが、端的過ぎて何のことやら分からないと思います。

 関ヶ原の合戦後、京都では(大阪の陣を控えて)幕府の警戒心も強まり、旅芸人/遊女/陰陽師などといった宿無しへの軋轢が激しくなってきている。豊臣家の滅亡は避けられないと見て亡命先にカンボジアを選んだ真田幸村、しかしその隣国シャムに根付いているこれまた日本流れの軍異様な強さで横行している。そこで連中と戦える人材を求め、京に使いを出し、迂曲左折の末7人のデコボコ部隊が生まれる、という感じです。

 数名からなるチームが一つの目的を成し遂げる為に編成される、山田正紀お得意の構成ですが、この7人がもう使えないのばっかり。いつもなら、一芸に秀でた個々人の集まりが、それぞれの「芸」で各所の難関を突破していくのに、邪魔したり足引っ張ったりしてる部分が目立ちました。

 タイトルや、ラストで一行が(欠員しても)全滅しない辺り「七人の侍」の影響を隠していない。でも何だか全体的に軽いノリでした。


4月9日(火)☆

 本日の購入漫画。

荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」39〜42巻

 4部もあと数巻(4冊)で揃います。そうすればジョジョがようやく最初から揃う。

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板垣恵介「餓狼伝」10巻

 鞍馬と久我のスパーリング後半、そしてFAW大会に丹波文七参戦決定、その相手は堤城平。その試合開始までを収録。

 久我の蹴りの変幻自在ぶりの描写が好きです。急変化する軌道。あと無表情なのもイイ。組手を終えて去る久我ですが、今後この「餓狼伝」に出る予定はあるんでしょうか。絵的なモデルは巨人の松井だそうですが、描き続けてるうちに板垣流になっています。もっとも板垣恵介の絵はたいていモデルとかけ離れた絵になってますが。ドイルのモデルが女性アイドルだなんて。

 館長室での松尾象山と姫川勉の闘いでは、例の断片的な心理の瞬間をちりばめる技法が初登場(ルーツ的には「グラップラー刃牙」の刃牙VS烈でのアナウンサーの『実況が追い付かない』だと思われます)。そして武宮流「虎王」がこの大会でのキーワードになる様子が伺えるシーンが幾つか出てきます。

 後半はいよいよ「丹波文七VS堤城平」がゴング。序盤から飛ばしまくり。刃牙VSジャックのような打ち合いから開始です。

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カーター・ディクスン「爬虫類館の殺人(創元推理文庫)」

第二次世界大戦下のロンドン、熱帯産の爬虫類、大蛇、毒蛇、蜘蛛などを集めた爬虫類館で、不可思議な密室殺人が発生する。熱いゴム引きの紙で目張りした大部屋の中に死体があり、そのかたわらにはボルネオ産の大蛇が運命をともにしていた。そして殺人手段にはキング・コブラが一役買っている。幾重にも蛇のからんだ密室と殺人の謎に挑戦するのは、おなじみヘンリ・メリヴェル卿。

 いま文庫の裏に載ってる口蓋をタイプしてみたんですが、何か内容と違ってた気がします。蜘蛛は爬虫類じゃないとかそういうコトじゃなくて、これ間違ってませんか?

 爬虫類、奇術師という具合におどろおどろしい舞台装置がちりばめられた作品ですが、もちろん一番強烈な存在はヘンリ・メリヴェル卿。キャラを頭の中でイメージするとこいつだけ浮いてます。奇術師は男女二名が登場して、代々憎み合っているロミオとジュリエット的な家系。この二人の行く末も気になる展開です。いやホントは別に気にならなかったけど。

 密室で発見されたネッド・ベントンの死体が、自殺ではなく他殺と判断されたその理由が、「動物園園長のネッドは、蛇まで巻き込んで死ぬようなタイプではない」というもの。このような感じで、個々人の性格が物語(事件)の流れにしっかりと組み込まれている小説でした。

 密室トリック自体はどうしようもないものに思えましたが(ていうか最近のミステリで、密室事件が起きた時に、ワトソン役が可能性の一つとして持ち出す「過去の推理小説からの例」ですよね、コレ)、犯人の隠し方がとても上手かったです。僕、この人は容疑の圏外に置いていましたから。


4月8日(月)☆

 WJ19号感想。

いちご100%

 僕、登場人物の名前もよく分かっていませんでしたが、ショートの女の子が西野で黒髪ロングの女の子が東城、なんですね。今回は表紙でこの二人の胸のサイズの違いが分かりました。中学生でしたっけ? 何食べたらそんななるんでちゅか。

ワンピース

 「あいつら」ってどういうコトでしょうか。ベラミー一味を差してるのかも。妙に海の現象について詳しかったベラミー、内心空島の存在を信じていて、ひたすら調べまくった結果なのかも。それをルフィが感じ取り、ケンカを買うなと言ったのかなあ、と思いました。

ナルト

 魔界転生を彷佛させる「穢土転生」。初代と二代目が大蛇丸によって復活。柩から出てきた時はあまりの普通なデザインぶりからザコ忍と思いました。魔界転生はパワーアップして黒光りしてる感じで生まれ変わるイメージですが、この「穢土転生」は腐った死体状態で復活。

 このノリだと「穢土転生」による火影三代目が大蛇丸の切札になるのかも。もしかしたら大蛇丸自身も誰かに「穢土転生」されたのかも。

 後半はシカマルが囮になって追っ手を引き付けました。シカマルはトリッキーな闘いが期待出来るので楽しみです。

ブラックキャット

 何か絵柄が変わったような気がします。それとも作者が変わったのでしょうか?

ストーンオーシャン

 しばらくアナスイとウェザーがメイン張っていたので、久々に徐倫を見ました。脱獄後に訪れたのはロメオ邸。「でもやっぱりはがしておこう」って。「念のために」って。

 救急車に運ばれかけていた例の3人が「DIOの息子たち」とプッチ神父に呼ばれています。これは比喩なのか、それとも額面通り「子供」なのか。後者だった場合、気まぐれで殺さなかったのはジョルノの母親だけではなかったってコトですか。この3人、少なくとも2人は母親似なんですね。ベッドで横たわってるヤツはどうなのか。


4月7日(日)☆

板垣恵介「餓狼伝」9巻

 この9巻って確か最近の書籍にしては珍しく帯が付いてなかったような。

 この巻では二つのバトルが中心になっています。堤城平VS長田、鞍馬彦一VS久我重明。

 松尾象山立ち合いでの堤と長田の闘いでは、どうにも堤の強さばかり際立ってる様子。重い/疾い/休まない堤三拍子がここで描かれています。一方の長田は別のトコロで後輩にトロい/ショボい/影が薄い3連コンボを決められてるのですが。

 その後輩こと新キャラの鞍馬彦一、前巻まででその実力が読者に知らしめされたグレート巽の後継者として登場。漫画オリジナルキャラです。組手を相手取る久我重明は、夢枕獏の別作品からの乱入。

 鞍馬は、スタミナ/パワーといった基本部分が容量高め、だけどルールを知らないヤツです。そう考えるとコイツってオリバのルーツでしょうか。鳴り物入りで登場したこの鞍馬、まさかその同じ巻で久我にボロボロにされるとは思ってもいませんでしたが、成長する天才の過程をも見せてるのかも知れません。

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結城昌治「影の殺意(角川文庫)」

最後の分別/ある恋の形見/あとは野となれ/気ちがい/影の殺意/あるスパイとの決別 以上6編収録

 これも短編集です。本格(パズル)ミステリの条件は「伏線を組み合わせると、解ける」、この辺だろうと思うんですが、そう考えると本格ではないと思えるものも含まれた短編集。僕は実際のトコロ、『面白い小説ならミステリの条件を満たしていないミステリでもイイ派』なんですが、ミステリの定義を「伏線を組み合わせると、解ける」としてる人には『初期傑作ミステリー』っていう部分は看板に偽りあり、かも。

 「気ちがい」など、ここに乗せてHPが削除されないか不安なタイトルの短編もあるこの作品集、取り分け面白かったのは「ある恋の形見」と「影の殺意」。両者とも本来のミステリの構成/段取り/手札の見せる順番を変えた作品です。その辺に特に「伏線を組み合わせると、解ける」に該当しないものを感じるんですが、小説として一級品なので構いません。

 「影の殺意」、中盤からの盛り上がりがハンパじゃないです。僅か35ページほどの短編なのにこのエネルギーは何なのか。メイン登場人物の二人のどちらにも感情移入できる感じ。ラストはやるせないです。


4月6日(土)☆

《更新履歴》...「WJ感想リング」のHPへのリンク変更。

 宮部みゆき「R.P.G.(集英社文庫)」読了。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」17巻

エンヤ婆、大暴走の巻です。

 7名の刺客を悉くジョースター一行に迎撃されたエンヤ婆が霧のスタンド「正義」を操り自ら出向いてきます。ホル・ホース、見開き扉絵(連載時巻頭カラー)で何故か承太郎らと並んで描かれています。この時は仲間にする予定だったのでしょうか。

 エンヤ婆はスタンドが強烈ながらも存在や立ち回りがコミカルな部分が多く、笑っていいのか、サスペンス性にドキドキするものか、作者の意図が読めないトコロもあって楽しい。最後の倒され方も随分あっさりしています。

 最終的に全タロットが使われた第3部のスタンドですが、当初敵のスタンド使いをどれぐらい出すつもりだったのか想像するに、この7人の刺客+エンヤ婆、で次はもうDIOだったのではないのかと思っています。スタンドバトルの調子を作者自身が理解してきたコトなどから、DIOまでの中継バトルを増やしたのではないのかと思えるんですが。

 エンヤ婆から情報を引き出そうとするジョースター一行の前に登場するのが「恋人」のカードを暗示に持つダン。植え付けられたDIOの「肉の芽」を成長させる力を持っています。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」18巻

 ダンの要求に忍耐している承太郎。やられたコトをメモしてるシーン、連載時には凄い陰険な感じがしてこんな主人公イヤだと思ったですけど、今読み返すと面白いです。承太郎、歴代ジョジョで一番好きです。

 ダンの陰湿さが相当なものだっただけにオラオラ4ページ連発はかなりのカタルシス。

 連載2回分でギャグっぽく倒された「太陽」を経て、次はかなりの強敵「死神13」へ。精神が無防備になっている睡眠中に、夢の中で攻撃してくるスタンド。目覚めると夢の中の出来事は忘れているという強敵ぶり。2回夢の中で攻撃された花京院が本体が赤ん坊であるコトに気付きましたが、他の3人に止められ、決戦は夢の世界へ。口に隠していたサソリをモバアアっと吐き出す赤ん坊の絵が容赦なくて素敵。この赤ん坊マジで可愛くない。

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荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」19巻

 「死神13」戦終了。絶対的な強さを誇っていた「死神13」、スタンドと闘った経験なしってのも手伝ってかサクッと敗北。

 そういや20巻にて「9栄神」のカードが登場する際、花京院がタロットカードで暗示されるスタンドは「世界」を除いてもういないという意味のコトを語っていますが、この「死神13」のコトはみんな納得してくれたんでしょうか。闘い直後は黙っていたみたいですが、カードに詳しいアブドゥルが説得に力添えしてくれたとか。

 んで、次の「審判」戦にてそのアブドゥルが実は生きていたコトが判明、再び一行に加わるのですが、これは当エピソード内で途中からストーリー修正した結果そうなったように思えます。それぐらい無茶に纏めた印象を持ちます。ポルナレフ一人を騙す芝居だと思って読み返しても承太郎や花京院の表情が真に迫り過ぎなので。


4月5日(金)☆

寺沢武一「COBRA(集英社文庫)」1巻

 宇宙海賊コブラの冒険活劇を描いた寺沢武一の代表作。魅力は、テンポの良いストーリー運びと洒落た台詞等々、沢山。漫画は絵のメディアなんだから、その世界観は絵で表現、そんな基本的で当たり前なコトを思い起こさせる作品です。

刺青の女(前編)

 平凡なサラリーマンとして生きるジョンソンが、自分が過去宇宙海賊コブラであったことを思い出す、この「コブラ」という作品全体の導入からはじまり、「キャプテン・ネルソンの財宝」にまつわる事件に巻き込まれるファーストエピソード。

 このエピソードから登場するクリスタルボーイ、このデザインが秀逸。この巻のラストでコブラに破れますが、作者としても勿体ないと思ったのか、一回限りのキャラクターで終わらず今後も登場。コブラの最大のライバルにまで変貌します。

 女性キャラが凄いムチムチしてます。尻、最高です。コスチュームも肌の露出度が高くて、時には丸出し。今の週刊少年ジャンプ作品からは想像できないデザインです。

 ヒロインと思われたキャラがあっさり死ぬのも驚き。

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寺沢武一「COBRA(集英社文庫)」2巻

刺青の女(後編)

 第三の刺青を持つ女性ドミニクがいるスノウ・ゴリラのアジトへの潜入、そして「キャプテン・ネルソンの財宝」の在り処/砂の惑星ザドスへ。

 表紙の女性がドミニク。この表紙のエロさもイイ。半裸で四つん這いになって、髪をわしづかみにされてる金髪美女。ロマンです。ムッチりした素晴らしいケツは勿論こっちを向いてます。ねえ、ムーミン。

 場面転換が無駄なく行なわれ、その場その場の細かい世界設定を無理なくさり気なく描写してるのが上手いです。ハリウッド活劇的なものを、(アシスタントはいるでしょうが)一人でキャラクターや小道具、舞台のデザイン/シナリオ作成/コマ割りしてる武一のパワーに憧れます。この「刺青の女」だけで今の漫画家なら5冊ぐらいかけて描くであろう内容と密度を誇ってます。

宇宙の大魔王

 連載時は2週分だったのでしょうか。それにしてもやはり最近の漫画からは想像できないテンポの良さ。現在の漫画家はコブラを読め、読め、読んでくれ。

 アラジンと魔法のランプ的な中世ペルシャ感覚満載でスペースオペラ。大魔王なんてその気になればクリスタルボーイよりも強くできますが、終始コミカルなキャラで通しています。 

黄金の男

 今回は宇宙カジノが舞台。ミステリ的な打破もあるのがコブラ。このエピソードではカジノの支配人/ハンマーボルトジョーの「空飛ぶ腕」にどう対処するかが見どころの一つ。まあ、あっさり切り抜けますが。


4月4日(木)☆

 本日の購入漫画。

荒木飛呂彦「ストーンオーシャン」11巻

 表紙のプッチ神父かっこいい。神父らしからぬ格好が素敵。

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今週のバキ感想

 ドイル、路上で眠りについた烈を朝まで警護。この様子からしてどうやら敗北を受け入れていそうです。寝ている烈から金を物色していたチンピラ、度胸あります。幾ら寝ててもこんなガタイのイイ中国人の服ゴソゴソ漁るのはちょっと考えにくいです。

 今後どうなるのか予想出来ません。ていうか予想するのがメンドくさい。感覚的に、武器依存バトル中心でまともな肉弾戦が少なかったドリアン編を、別の枝に分岐した、イフの展開をドイルを使ってやっているという気も。

 どこから別の枝に分岐するのかと言えば、「勝ってみたいな」で直後に烈に負けた辺り。ここで幼児退行で終了ではなく、別の方向に進行。

 にしても死刑囚、キャラの属性/付加能力が脱獄時のものと一致していない感じ。ドリアンもドイルも死刑執行(絞首/電気椅子)を実際に喰らいながらも耐え切ってきたキャラです。よりによってこの2人で武器依存や擬態といった、肉体そのものとは言い難い強さをメインに描くのはチグハグな印象。

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荒木飛呂彦「ストーンオーシャン」11巻

 表紙がプッチメイン。でも何だか覗き見してるみたい。徐倫が一見着替えをしているかの絵ですが、手錠をブーツに回してるよく分からないポーズ。荒木氏、ファッション誌のポーズを見ながら描いたのでしょうか。んで、この部分のアレンジに困ったとか。

 とにかく前巻のラストで死んだフーファイターズの復活劇が見事。まあ、すぐまた死にましたが。徐倫の目の治療を出来るのはFFしかいないのを作者が思い出して一瞬復活させたのかも。

 DIOに関するエピソードも久々。初期に比べると画風の変化が非常に分かるのが、DIOという長期レギュラーキャラのお陰。ジョルノの母親を殺さなかったり、友人を探してたり、このDIOってホントなじむなじむ言ってた頃のDIOなんですか。

 徐倫VSプッチ神父、第一戦は赤ん坊を入手したのでプッチの勝利。この辺が第6部「ストーンオーシャン」の折り返し地点になるのじゃないかと思います。

 ミューミューの本名がミュッチャー・ミューラーってのが、「略してジョジョ」っぽい。


4月3日(水)☆

山田正紀「日曜日には鼠を殺せ(祥伝社文庫)」

「この門をくぐる者、すべての希望を捨てよ!」
二十一世紀型最新鋭の恐怖政治国家。統首の誕生パーティーが始まり、政治犯が檻から解き放たれた。一時間以内に恐怖城から脱出できたら特赦が下りるのだ。元公安刑事、テロリスト、主婦、ニュースキャスターなど八人の男女が鼠のように追い詰められる。究極バトル・レースの火蓋が切って落とされた!

 サクっと読める祥伝社400円文庫です。で、これは一応SFとしてジャンル分けされていますが、その辺はどうなのかなあ。単純にエンターテインメントという感じです。あ、テレパス出てたからSFなのか? いやまあどうでもいいんですけどねこの辺。

 着想は順当に「バトル・ロワイヤル」だと思うんですが。「バトル・ロワイヤル」の登場で山田正紀、(ああ、ここまでやっちゃっていいのか)と吹っ切れて書いたような気がしなくもないです。殺人ゲームに人間を強制参加。過去の生存者0名。

 んで、400円文庫の当書、当然値段相応のページ数になっています。が、それがちょうどイイ感じ。参加者数を8名と少なめに設定し、ゲーム内容も、3つのエリアをステップを踏んでクリアしていくというもの(別に殺し合う必要はない)。これがテンポ良くストーリーを運ぶ結果になってます。もちろん長いのを読みたい気もしますが、そこまでやったらやっぱ「バトル・ロワイヤル」まんまと思われちゃうかな。400円文庫でこっそり出してこそ、かも。

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高見広春「バトル・ロワイヤル(太田出版)」

西暦1997年、東洋の全体主義国家、大東亜共和国。この国では毎年、全国の中学3年生を対象に任意の50クラスを選び、国防上必要な戦闘シミュレーションと称する殺人ゲーム“プログラム”を行なっていた。ゲームはクラス毎に実施、生徒たちは与えられた武器で互いに殺し合い、最後に生き残った一人だけは家に帰ることができる。
香川県城岩町立城岩中学校3年B組の七原秋也ら生徒42人は、夜のうちに修学旅行のバスごと政府に拉致され、高松市沖の小さな島に連行された。催眠ガスによる眠りから覚めた秋也たちに、坂持金発と名乗る政府の役人が、“プログラム”の開始を告げる。

 「ビートたけし殺人事件」でおなじみ太田出版から出たヒット作。分厚い小説ですが、その分厚さから『え? これってもしかしたら夏彦な感じ?と一瞬思うかも知れません。しかし、内容は青春全開殺し合い小説。導入部分を越えたらもう後はただひたすら殺し合い。

 一応主人公は七原秋也ってコトになるのかな。彼を極々ノーマルな人物像に描いて、その周辺に敵味方が配置された構成。それにしても七原秋也、こっちの世界の思考で考え過ぎな気もします。こんな情勢下のパラレル日本に生きていたら、プログラムに対してそれなりの覚悟が出来ていそうなもんですが。うーん、読者をナビゲートする役割という意味もあるから仕方ないのかも。

 ある程度人物の削がれた中盤からが面白い。生徒それぞれに別の武器が与えられるってのも各自の属性(風太郎忍法帖で言えば忍法)を分かりやすく肉付けしてる感じ。

 目下コミック版の連載が続行されていますが、こちらの桐山がオリジナルの持つクールでマシンでターミネーターなイメージを上手く伝えてます。今となっては映画版の安藤くんの方が好きだったりしますが。

 読了直後しばらくはとにかく桐山に惚れ込みまくったのですが、今改めてこの作品を前にして、出てくる言葉と言えば、

 

一緒に死ねる恋人がいる時に死ねるってのは羨ましいですね。


4月2日(火)☆

今週の餓狼伝感想

 今号は特に進展なし。グレート巽とボブの試合開始前、それを控え室で眺める主人公/文七、そこに伊達が登場して先の城平戦の健闘を讃える、一方リング上ではボブが巽に「真剣」を仕掛けるのを宣告(不意打ちはしないみたい)、巽それを受ける、で終了。

 読者は、巽とクライベイビーサクラとの死闘を知っていても、そう言えば丹波文七は巽が闘う姿を見るのはこれが初。じっくりと目に焼きつけるのでしょうか。しかし試合前の前フリの長さから、試合自体は一瞬で決着が付きそうな感じがします。真剣に対してとても厳しい表情を見せる巽。図に乗るなハネッカエリめが、とばかりに瞬殺の予感。

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板垣恵介「餓狼伝」7巻

 巽VSサクラ、ゴング。序盤は巽のラッシュで圧倒しますが、全く効いてません。試合が決まってからのこの1週間に仕込んだ幾つかの小技、嗅覚/聴覚をマヒさせてのラッシュで決める作戦は一瞬にして無に帰しました。

 このラッシュでサクラのメガネが破壊。盲目がどんな状態で盲目なのかが判明。眼球が丸々ない。板垣恵介のサイコ嗜好がちょっぴり伺えます。

 闘いの途中途中で巽とサクラ、それぞれの過去が描かれています。サクラの過去の出来事は一つ一つが今のサクラのキャラ作りに反映されています。与えるだけの愛はいらない/奪いなさい/「待つ」という時間は長い。

 一切の攻撃が通用しない化け物/クライベイビーサクラに打つ手なしの巽、で次巻へ。

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板垣恵介「餓狼伝」8巻

 巽とサクラの勝負に決着。

 最後に決め技として巽が使った変型締め技がこの闘いのラストにまさしく相応しい。視力があれば一目瞭然の技。しかし、人体の構造を知り尽くしていようが残りの四感を駆使しようが予想不可能な技。折れた腕を関節と逆方向にねじ曲げて締める。むしろ人体の構造/可動の限界をなまじ知り尽くしてるが故の予想不可能ぶり。

 そして敗北によって封印が解かれ、失った涙を取り戻すサクラ。想像出来ていたシーンとは言え、この泣きまくりぶりは流石に異常です。16ページ泣いてます。観客も思いっきり引いてます。

 試合の後日談、ここでサクラの「ママのもとへ送ってほしい」との依頼を受け、巽はサクラを殺します。サクラはもったいないほどキャラ立ちまくりでしたが、「餓狼伝格闘士真剣伝説」によると板垣氏としては、グレート巽の持つ『アマチュアが真剣(シュート)へ生半可な気持ちで憧れるな』という思想を決定付ける為に、これは外せなかったらしい。

 回想から現在に戻り、社長室の椅子で眠っている巽。尚、増刊号では描き下ろしとしてこの部屋の壁にサクラが描いた巽の油絵が飾ってあるシーンが追加。試合前には描かれていなかった腕/脚/目が描かれた完成版、というコトでこれは試合後にサクラが描き上げたもの。そう分かると、死闘を乗り越えた二人の友情に感動します。


4月1日(月)☆

《更新履歴》...「リンク集」に「二十世紀TOUGH-BOY」追加。相互リンクどうも有難うございます。

 本日の購入漫画。

寺沢武一「COBRA(集英社文庫)」9〜12巻
寺沢武一「ゴクウ(メディアファクトリー)」全3巻

 そんなワケで、武一漬くしです。

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 WJ18号感想。

ワンピース

 荒くれ者の街での目下のストーリー展開、骨格は「夢を失った若者」なんつーベタな感じに見えます。まあ、ワンピースはベタなものを真正面から恥ずかしがらずに描く漫画なので構いません、そこが凄みです。この調子だと空島へは思ってたよりも早く行ってくれそうです。

遊戯王

 遊戯、絶体絶命。ここまでお膳立てさせられると、どうやって逆転するのか楽しみになります。負けませんよね? この前フリで負けたら「ハンニバル」読んだ時の思いが再浮上します。

ナルト

 シビアな世界観ながらも忍犬はコミカルに描いてるのがイイ味。

 大蛇丸が復活させたのはどうやら先代火影頭首の面々の様子。聖闘士星矢の「ハーデス編」みたいにひざまづいて欲しいんですが、死者は死者と割り切りドンパチやりはじめそうです。

ストーンオーシャン

 広げに広げた風呂敷を1週分で一気に畳みました。最近の敵/スタンド能力は絶体絶命/絶望感をも与える強さで登場しつつ、あっさり退場します。さりげなく死傷者の数が不明なんてなってる辺り、被害は相当なものと思われますが。

 プッチ神父が出会った病院に運ばれる3人のうち1人目が今回の「ボヘミアン・ラプソディ」の本体でしたが、残りの2人もスタンド使いになってるのでしょうか。もしそうなら神父戦の前に中ボスがあと2人はいるコトになるんですが、それよりもDIOが気になる。

ハンター×ハンター

 ババアの修業続行中。ジャンケンを着想に念を鍛えるゴン。初期ドラゴンボールを髣髴させます。「爆弾魔」との絡みも早く見たいんですが、また仕込み段階に入ってしまったのか。

 せっかく登場した旅団がいきなり退場。フィンクス、やけに聞き分けが良かったです。ていうことはあの「G.I.製作者」の一人、旅団をも上回る相当な念の使い手なのか。そして常に侵入者を監視してるのか。

 ラストはあちこちに飛ばされた旅団のコマで締め。旅団がギャグに使われてます。 

 

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