3月31日(日)☆
●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」4巻
表紙、ジョナサンですよね? 不敵な笑みがジョセフに見えるんですが。
前巻の続きでジョジョとブラフォード/タルカスとの闘い。ブラフォードは最後に人間の心/痛みを取り戻しましたが、タルカスは悪党のまま消滅。タルカス戦ではツェぺリも命を落とします。3巻で登場して4巻で死亡。早い早い。そういや昔はアイドルも寿命短かったよなあ。ウインクとか。
タルカス戦はあからさまに「北斗の拳」ノリで、読んでてちょっとこそばゆい感じ。ジョジョがケンシロウしてます。
ディオの潜む館へと向かう途中、ツェぺリの波紋の師匠トンペティが二人の弟子ダイアーとストレイツォを従え登場、ジョジョ一行と合流。ツェぺリの回想シーンで出てきたトンペティがすかさず現われちゃう辺り、初期です。
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●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」5巻
この巻にて、第1部終了。ジョセフ・ジョースターとディオ・ブランドーの長きに渡る闘いに決着が付きます。
ディオの十八番能力は「気化冷凍法」。ダイアーがその能力紹介の為だけに死亡。ホント、前巻で登場したのはこの能力に瞬殺される為だったとしか思えないほどあっさり。あ、何だかここ読んでていきなり思ったんですが、一瞬の攻防なのに説明の台詞が異様に長いのが「ジョジョ」の天然的な面白味の一つですね。
んで、ディオVSジョジョ。ブラフォードから渡された剣/ダイアーの用いた薔薇攻撃を駆使しての二転三転する闘い。最後は波紋をぶち込み、ディオの胴体を貫通させてジョナサンの勝利。しかしテラスから落下するディオ、波紋が頭部へと伝わる前に首を切断。
そして最終戦の舞台は、アメリカへと新婚旅行に向かうジョナサンとエレナが乗り込んだ客船。首だけになったディオがワンチェン(東洋人)を使い、ジョジョの肉体を乗っ取るべく最後の勝負を仕掛けます。ああ、ジョナサンはイイ奴過ぎでしたよ。
この闘いの最終的な勝者がディオだったコトが分かるのは第3部に入ってから。この巻での象徴的なディオの台詞はこれですね。
「何世紀も未来へ! 永遠(とわ)へ......生きるはずのこのディオがッ!」
一見よくある悪役の常套文句/断末魔ですが、本当に未来へ生き続けジョースターの血統と戦い続けています。
3月30日(土)☆
●乙葉「サブラ 006(2002.4.11号)」
表紙&巻頭グラビア特集。
相変わらずギリギリの脂肪です。人によってはギリギリどころか余裕でアウト(太ってる)な感じですが、僕的にはギリギリあり。ここが境界線。
一番のお気に入りグラビアは表紙折り返しのやつですね。もうムチムチしてます。いくらでも都合良く描ける絵と異なり、乳がデカいと相対的にハラとかもデカくなるのが現状。それを踏まえて、このハラはギリギリです。脇バラとか特に。
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●那由多遥「サブラ 006(2002.4.11号)」
4月28日に3冊目の写真集が出る模様。タイトルは、
「露(あらわ)」。
一見強化外骨格みたいな名称ですが、きっとセカンドを越える露出で悩殺してくれるはず。
何だかもうポイントさえ見られなければ房は丸見えで構わないぐらいの勢いの遥ちゃんです。今回のグラビアでは、トビラ部分にあたる写真が良かったです。露出は足りないながらも、妙にそそる。インタビューによるとブラコンであるらしい。
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●板垣恵介「グラップラー刃牙」31巻
2回戦第7試合/天内悠VS愚地独歩(勝者:愚地独歩)
範馬勇次郎の推薦で飛び入り参加となった天内。勇次郎推薦ですよ、勇次郎。それ故、どんなに独歩が優勢に立とうが『何かある』と思ってしまうのが読者のサガ。独歩の奥さん/夏枝もまた独歩の圧倒的な姿を見ながらも、
「どうして......?」「あなたが勝つ姿が思い浮かばない」
と考えています。そして事実天内が逆転しますが、独歩の膝を破壊するもトドメを刺さず、負けを認めるよう懇願。そんな天内にトドメを刺したのが勇次郎。肩から心臓にかけて手刀を叩き込みました。これ、死んでるでしょ?
更にそこから始まる勇次郎の語りから察するに、天内は勇次郎イズムの反面教師として連れてこられたように思えてきます。当初から作者が天内をこういう扱いにするつもりだったのか疑問ですが、結果的に反面教師。
そして勇次郎が勝ち残っている9人纏めて自分にぶつけろと豪語。連載時はせっかくここまで大会しっかり描いてきたのにここで勇次郎にグダグダにされるのかと焦ったものです。
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●板垣恵介「グラップラー刃牙」32巻
蛮勇を振るう勇次郎を止める為に、麻酔銃が使用されます。勇次郎が銃ごときで止められるワケはないんですが、大会を続行させるにはどうにか退場させなければならない。
「予測もしなかったぜ---!!」「こんな場所で銃とは......ッッッ」なんて無理矢理勇次郎の心理描写がありますが、これは『勇次郎でも油断するんだ』というコトに繋がり、今となっては作者も後悔してそうなエピソードだと思います。
2回戦第8試合/渋川剛気VS鎬昂昇(勝者:渋川剛気)
兄/鎬紅葉とあれだけ逆転に次ぐ逆転の勝負を繰り広げて2回戦に勝ち上がってきた昂昇ですが、あっさり敗北。新紐切り/眼底砕きも通用せず、達人渋川の圧勝。
そして3回戦(準々決勝)へと突入しますが、この3回戦4試合、それぞれどの勝負もその辺の格闘漫画の決勝戦にも匹敵する密度を誇っています。
3月29日(金)☆
カーター・ディクスン「爬虫類館の殺人(創元推理文庫)」読了。
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●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」3巻
ジョナサンVSディオ第2ラウンド開始といった感じの巻で、ジョジョはツェぺリの元で波紋の修業を、ディオは切り裂きジャック/タルカス/黒騎士ブラフォードを「屍生人(ゾンビ)」として配下に。
吸血鬼の力に対抗すべく、太陽の光と同じ波を持つ「波紋法」なるものが登場。最初の頃はセンドーなんて呼ばれ方もしています。この辺はなんでしょうか、当時「北斗の拳」などがヒットしていたので、バトル漫画なので見栄えのある必殺技、のようなものを導入したのでしょうか。
ジョジョの「波紋法」の師匠になるツェぺリ男爵もヒットキャラです。ジョジョ同様真面目なんですが、どことなくコミカルさがあります。見た目や擬音など。
巻の中盤からはディオの潜伏先「ウインドナイツ」へ。入り口のトンネルでは切り裂きジャック登場。ジャックとの闘いで波紋の修業の成果を見せるジョジョ。そして町に突入するとジョジョ一行の前にいきなりディオ再登場で、タルカスとブラフォード、2名のゾンビをけしかけます。
ディオの「オレは歴史さえも下僕にできるッ!」という台詞からこの2人の騎士の説明が始まるのが面白い。読者に向かってしゃべってますよ。
3月28日(木)☆
本日の購入書籍。
「サブラ 006(2002.4.11号)」
もう極力雑誌は増やさない方向で行きたかったんですが、久々に那由多遥登場ゆえ買わずにはいられませんでした。
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●多島斗志之「症例A(角川書店)」
多島作品で取り分け印象深いのは「密約幻書」「聖夜の越境者」など、逆転が待ち構えてるミステリ。この辺は連城作品にちょっと近いものがあると思ってます。あまり言いたくないんですが、「密約幻書」なんて自分が今まで読んだ『どんでん返しベスト5』に入るミステリです。何故あまり言いたくないかと言えば、そう言っちゃうコトで構えて読んでしまうからです。いま言っちゃいましたけどね。
作者自身も、著者近影などを見るに何だか男前でカッコイイです。いつの写真だか知りませんが。
んで、この「症例A」、「密約幻書」とは違う作風なんですが、非常に興味深く読めました。異なる作風でも面白かったってのが自分としては嬉しい。たいてい「手札の多い作家」ったら、気に入るとしてもその中のどれか一つの手札(作風)だったりするコトが多いので。これ以前にも「海賊モア船長の遍歴」という作品が従来の多島節と一線を画す内容でした。これもまた海洋アドベンチャーとしてワクワクしながら読めた作品。多島、結構色々なコトに挑戦してます。
「症例A」は、精神病理を扱ったもので、異なる2つの視点が一応ミステリとしての収斂を見せますが、この作品の醍醐味はそこよりも、精神病理へのアプローチ、ここがとにかく楽しい。楽しいというか興味深く読めました。書いているコトの一つ一つが慎重ですね。帯の香山リカの推薦文、
>精神科医の倫理とは、正常と異常の境界とは......? この作品の登場以降、“こころの問題”を興味本位で書くことは許されない
まさにこの通りの慎重な内容。サイコもののブーム以来、ファッションで乱出する精神異常者や、文学的レトリックで扱われる聴いた風な言い回し『誰もが多重人格である』などへの警鐘もあり。(自分の興味のあるジャンルだからかも知れませんが)衒学部分が楽しめたのは久々でした。
3月27日(水)☆
●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」29巻
第4部突入。舞台は日本/杜王町。今回の主役は東方仗助/スタンド:クレイジーダイヤモンド。3部でDIO戦を描き切った荒木氏、次は考えていなかったんじゃないんでしょうか。はっきり言って露骨に展開法で執筆していたものと思われます、この第4部。読者に先の展開が全く分からない、ていうか作者もある程度の刻み(アンジェロ/虹村兄弟/レッドホットチリペッパー/吉良)を段階段階で思いついて転がしていった感じです。
3部に続いてスタンドが物語の要になっています。ていうか、これで「スタンド」というものが、ジョジョワールドの主軸になった感じです。波紋や石仮面、エイジャの赤石などの時代が懐かしい。
仗助のスタンド「クレイジーダイヤモンド」の能力は「破壊と再生」。5部のジョルノはスタンドの「治癒」能力ゆえ途中から回復係りに転向してしまいましたが、仗助には「破壊」という攻撃要素があるのでまだ主役として救われてる感じです。しかし、ジョースター家の持ち味こと「女にモテる」をすかさず承太郎に持ってかれるなど、ちょっと幸先不安なスタート。
この29巻では東方仗助とそのスタンドの紹介、そして仗助が町を守る決意を固めアンジェロとの戦いに勝利、次なる敵/虹村兄弟登場までを収録。
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●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」30巻
虹村億泰/形兆の兄弟との戦いでまるまる1巻使ってます。当初設定されたスタンドのルール「スタンドは一人につき一体」を破っての軍隊スタンド「バッド・カンパニー」。形兆、弟を殺そうとするなどやりたい放題でしたが、巻のラストではどうにか纏まりました。
「矢と弓」のルーツは何なんでしょうか。「石仮面」が「吸血鬼」を造り出す道具だった時のように、疑似歴史的な部分を創作して欲しい気もするんですが、全くそんなそぶりもなく、ただ存在してます。
4部冒頭ではその場限りの語り手だったと思われる広瀬康一も矢に射抜かれスタンド使いに。しかしその能力はこの巻ではまだ不明です。
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●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」31巻
小林玉美のゆすりにキレて遂に広瀬康一のスタンド「エコーズ」が開花。音(擬音/描き文字)を使った、漫画ならではの能力です。
にしても玉美、これほどスタンド能力をみみっちく使ってるヤツは初じゃないでしょうか。これが「究極の生命体カーズの誕生だー!!」と同じ「ジョジョ」で括られる漫画とは信じ難いです。
パーマンをモチーフにした「サーフェイス」の間田敏和なんですが、去年の写真と今とであまりにも容貌が違い過ぎる。玉美も康一に破れてから何だか縮みましたが、間田もこのエピソードが終了して次の登場には頭身が康一と同じになってます。この変化は幾ら何でもって感じです。
3月26日(火)☆
本日の購入書籍。
連城三紀彦「年上の女(中公文庫)」
赤江瀑「八雲が殺した(文春文庫)」
連城はしばらくぶりです。この人は面白い作品が多いので嬉しい。既読を再読してもイイんですが、未読が溜まるとなかなかそんな気にもならないのが現状だったり。
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●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」15巻
「悪魔」のデーボVSポルナレフ、これはホラー映画的なシチュエーション。スタンドの着想は超能力を具体的に(人型などで)表現、というものなんですが、呪術で人を呪い殺すなんて現象も確かにこの世界観ではスタンドの仕業に出来る感じ。
イエローテンパランスは当初からああいう展開を予定していたんでしょうか。『花京院が裏切り者』という謎の念聴が導入になってるエピソードですが、この謎は『イエローテンパランスが花京院に化けていました』という割と安易なオチでした。強いスタンドを倒すには本体を叩く、というのが実践された話。
シンガポールからインドに突入、いよいよポルナレフの妹の仇「吊られた男」両右手の男ことJ・ガイル登場。「皇帝」のホル・ホースも登場しますが、その初登場シーンが凄い。象に乗って現われます。アブドゥルがホル・ホースの銃弾を喰らいます。これはその後実は額をかすめていただけだったと判明するんですが、どう見ても貫通しています。荒木飛呂彦、この段階ではアブドゥル殺していました。
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●荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」16巻
J・ガイルにトドメを刺すべくエメラルドスプラッシュを放とうとしたトコロで、金貨で「吊られた男」の軌道を予測させなくしましたが、これってそのまま本体にトドメ刺してオッケーなんじゃないんでしょうか。まあ、これで一応相手の手札を全て叩き潰して完全勝利、となったのでヨシとします。
「女帝」戦ではジョセフが主役。人面疽の攻撃を受け一人で吹っ飛んでるジョセフ、それを見て「なんだこの人!」と驚くインド人が面白い。全く何だこの人です。久々にジョセフの決め台詞「おまえは『何々』という」も出て決着。
「運命の車輪」、これもホラー映画的です。何かこういう感じでひたすら車に追われるのあったような。最後まで運転手が不明なままのやつ。
3月25日(月)☆
今週のジャンプ感想。今号はイマイチ読みごたえがなかった感じ。
●ワンピース
扉絵連載のハッチャン、フられるわタコ焼き奪われるわでどうしてこうなってるのか。前回ってどうだっけ?
本編、空島へ行こう的ワクワクムードは欠片もなく、すでに荒くれ者の街編になっています。これ、どれぐらい続くんでしょうか。半年ぐらいかなあ。フェイントフェイントなんていう擬音はアニメではどうなるんでしょうか。
街中の描写なので、異様に絵の密度が高かったです。前が砂漠だっただけに。いや砂も点描キツいか。
●いちご100%
可愛いんだからどっちの娘でもいいでしょ。
●ナルト
緊迫感、敵の強さを本気で感じさせるジャンプのバトルものったらこれと「ハンター×ハンター」の2つくらいだと思うんですが、今週はハンター休み。
トーナメント中断で突入した「木の葉崩し編」。今回は大蛇丸があくびをしただけです。あくびして涙浮かべただけで色々と深読みしちゃうあたり、作者の術中にかかってるのか。
●ストーンオーシャン
扉にて今回の敵スタンドの能力「ボヘミアン・ラプソディ」が纏められていました。作者的にもどうにかネタが固まったというトコロでしょうか。
現実に飛び出したあこがれのキャラクターを見ると自分の魂が抜け出し、そのあこがれのキャラクターと同じ(ストーリー上の)運命を辿るというもの。
たいてい、あこがれるぐらいのキャラクターっていったら、いい扱い/ハッピーエンドを迎かえてるキャラになりそうなものなんですが、オオカミなんかにあこがれていたアナスイはどうかしてると思います。
本体、飛行機で逃走。どうなるのこれ。打破できるのかこの能力。飛行機墜落とかおちゃらけたオチになるのか?
3月24日(日)☆
●今週の餓狼伝感想
控え室、ボブの前に現われた松尾象山。次のカード、「グレート巽VSイーゴリーボブ」が見せ物用としてイカサマが準備されてるのを見抜き、真剣を仕掛けろと強要してる様子。直に言ってませんが、これはもう強要以外の何物でもありません。
どうやらボブは元北辰館門下生だったみたいです。10巻で姫川と松尾象山がこの大会のカードについて語っていたシーン、ボブを評して「問題はそれよ」との象山の台詞がありますが、これはこの「ボブは元門下生」ってコトだったのでしょうか。原作読んでないのでひょっとしたら別の意味もあるのかも。
んで、ハラを決めて試合に挑むボブ、というトコロで終了。台本のつもりの巽に真剣を挑むボブ、という構図になりました。それでも消化試合っぽい印象はありますが。
何か象山の台詞を読む時、『声:ビートたけし』をイメージしちゃいます、僕。象山に限らず愚地独歩もそうなんですが。
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●板垣恵介「グラップラー刃牙」28巻
2回戦第4試合/花山薫VS愚地克巳(勝者:克巳)
結果的に克巳が勝利を収めましたが、ここまで苦戦するとは思ってもいなかったカード。主人公に過去破れた強敵は、新キャラの強さを簡単/明確に読者に伝える為に瞬殺されるのが格闘漫画の常道。「グラップラー刃牙」でも幼年期編ではその傾向があったのですが、この「花山薫VS愚地克巳」辺りから漫画のお約束/パターンをも意外性(「予想は裏切る、期待は裏切らない」)を出す為に上手く利用するようになった感じです。
この勝負は板垣氏が「格闘士烈伝」で書いている、アルティメット大会を観た時に受けた空手ボロ負けの衝撃が反映されていそうです。築きあげてきた空手の伝統/技術/方法論/ルール、それら全て、いざ何でもありの闘いの場を設けてみたら、死ぬ気でかかってくる相手にはロクに通用しなかったという。高等技術も何だか難易度が高いだけで、実戦には些末な技の扱いぐらい。
2回戦第5試合/アイアン・マイケルVS柴千春
プロボクサーと珍走団という、最悪のカードです。柴は好き嫌いがはっきり分かれるキャラらしいんですが、僕は何かイヤですね(笑)。
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●板垣恵介「グラップラー刃牙」29巻
2回戦第5試合/アイアン・マイケルVS柴千春(勝者:柴千春/しかし次の試合は戦闘不能と判定)
相当変則的な試合内容になっています。石膏で殴り掛かる、足をさらしで繋ぐなどあからさまな反則を仕掛ける柴。しかし光成、これを「マイケルが一言でも抗議したら ただちに柴千春の反則負けを宣言しなさい」と言っただけで流しています。まあ、これは作者のストーリーの都合上で。
過去にナナハンをぶつけられても五体満足だった柴。花山ほどではないにしろ、柴も「喧嘩の神」に愛されている感じです。努力で勝ち得た「頑丈さ」ではなく、生まれ持った「頑丈さ」に思えます。ヘヴィ級プロボクサーのパンチまともに喰らって立ち上がるにはそれぐらいのキャラにする必要もありそうですから。
セコンドの乱入で、明らかにマイケル以上にダメージを負いつつも、勝利を宣告された柴千春。しかし、ダメージはどうしようもない程で、その枠を埋める為、ロシアからガーレンが登場。
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●板垣恵介「グラップラー刃牙」30巻
2回戦第6試合/三崎健吾VSジャック・ハンマー(勝者:ジャック)
巻の冒頭はロシアからの乱入者アレクサンダー・ガーレンの紹介。永久凍土にて、大型トラック2000台でも埋まらないクレーターを、2年とかからず一人で掘り起こした男。2000台とか2年とかからずとか具体的なコトが書かれていますが、この具体例、分かりやすいんだか分かりにくいんだか。スケールでかすぎて見当つかない。
ジャックがガーレンに興味を示して、そして闘技場へ。この切り替え、今の「バキ」からは想像も付かない程テンポいいです。
この試合でジャックのドーピングに次いでの属性、「噛み付き」が公開。余りのえげつなさにヒールキャラになってます。トドメは1回戦同様、アッパーで思いっきり相手を空中回転。
3月23日(土)☆
どうにかこうにか更新出来ました。掲示板でアドバイスを下さった方どうもありがとうございます。余計なお節介だなんてとんでもない。
トクトクのサポートBBSをうろついててどうやら「Dreamweaver 」での更新に問題があるらしいと分かり、「Fetch3.0.3J2new」なるものをダウンロードしてやってみたらアップ出来ました。これシェアソフト(有料)らしく、登録しないで使ってるのでいつ切れるかわかったもんじゃありません。フォルダ単位でしかアップ出来ないの? コレ? だとしたら「活字中毒記」がスッゲー辛いんですけど。
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●J・M・スコット「人魚とビスケット(創元推理文庫)」
1953年3月7日から二ヵ月間、イギリスの大新聞に連続して掲載され、ロンドンじゅうの話題になった奇妙な個人広告。広告主の「ビスケット」とは、相手の「人魚」とは誰なのか? それを機に、第二次世界大戦中の漂流事件に秘められた謎が解き明かされていく......。
幻の傑作として新訳復刊された作品。冒頭の奇妙な新聞広告から始まり、途中で過去の漂流の様子を描写、そしてラストに冒頭の謎が解き明かされる。そんな構成になっています。
読み終えた感想としては、イマイチ。これは僕がミステリを読む際、ラストの驚きに期待を集中するタイプだという、ただそれだけの個人的な理由の為。「幻の傑作」っていう前評判に過剰な期待をし過ぎたってのもあるかも。
謎の広告ってのは実際イギリスで新聞掲載されたものらしく、それに対してJ・M・スコットが想像力を駆使して物語を造り上げたのがこの作品。当時ベストセラーになったってのはその辺が主な原因だと思います。暴露本(実際は違うけど)に興味を示す感覚で。
とは言っても中盤(というか大半を占める)での漂流シーン、かなり緊迫感溢れる内容でした。男3人、女1人、計4名での漂流。読む前はその人数構成ゆえ何かしらエロティックな方向に向かうのではとの期待もあったのですが、そんな要素は別段ナシ(恋慕はアリ)。
洋上での太陽の熱/潮/汗/不安/絶望、そういったものがヒシヒシと伝わり、何だか海が嫌いになりました。この作品を読んだ後しばらく、海がちょっとでも出てくる作品を読むと潮の臭いが漂ってくる等、軽くトラウマです。
3月22日(金)
というワケで1週間分アップします。
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などと書いたもののアップ出来ませんでした。いつになったら更新できるのか不明です。いまカーの「爬虫類館の殺人」読んでます。まだ超序盤ですけどね。
3月21日(木)
結城昌治「影の殺意」読了。
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●綾辻行人「どんどん橋、落ちた(講談社ノベルス)」
クイズに多少の物語性を肉付けした感じの短編集。
清涼院流水が登場した時きっと綾辻はイラだったんじゃないでしょうか。でも、そのイラ立ちを言葉で言い表わそうとすると、かつて自分がバッシングとして受けた言葉にしかならない。「嫁はいつしか姑になる」感覚に陥り愕然とする。そして書けなくなったのかも知れません。と、また失礼なコトを考えてみました。
でも、清涼院流水は納得がいかないのに僕的にこれ(どんどん橋、落ちた)はアリと思うのは何故だろう。流水がシニフィアンいじりだけでいつも終わって、挙げ句鼻高々なあとがきを書いてるから、かな。
○どんどん橋、落ちた
綾辻行人の元、ミステリ研の後輩と思しき青年Uが現れ、Uが執筆した「どんどん橋、落ちた」という犯人当て推理小説で綾辻に挑戦、という形態をとってます(次のぼうぼう森も同様)。
えー、分かりませんでしたが、面白かったです。ちなみに収録されてる5編、全部犯人当てれませんでしたので、僕。
○ぼうぼう森、燃えた
『育ててもろた恩義は感じる。そやけど、それとこれとはまた別や(作中タケマルの台詞より)』
作中綾辻が「ロス」をバーナビイ・ロスとロス・マクドナルドのダブルミーニングだろうと考えるシーンがありますが、ウソつけ。トリプルミーニングだろ。ロス在住の新本格仕掛人も含まれてるだろ。上に引用したタケマルの台詞といい。
○フェラーリは見ていた
5編中ではちょっとパンチの足りない作品かも。「U山氏」ネタ満載で、竹本健治の「ウロボロス」風味がしますが、作家ならまだしも担当なんてどうでもよすぎです。
○伊園家の崩壊
モデルとのギャップだけで充分楽しめます。特に育男がヒドい。
そういやこの5編、伏線をキッチリ説明する辺りに麻耶雄嵩「ノスタルジア(「メルカトルと美袋のための殺人収録」)」を思い出しました。
○意外な犯人
ラスト、2段構えになっていますが、1段目にすら辿り着けなかった自分。
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●萩尾望都「訪問者(小学館文庫)」
訪問者/城/エッグ・スタンド/天使の擬態 以上4編収録
どれもどう語ればいいのか難しいものばかりです。読み終えても未読な気がする作品が自分的に結構多いかも、萩尾望都。
○訪問者
「トーマの心臓」外伝。本編冒頭にて過剰なまでにクールなキャラとして登場するオスカーの物語。ちょっと面喰らうかも。
○城
短い作品ですが、醜さも受け止めて生きていく必要を知るラストがイイ。黒いブロックと白いブロック、自分の城をどう築きあげるかという。
○エッグ・スタンド
ダンケシェーン。鈎十字犇めく占領下パリを舞台に、少年の怪物性が描かれる問題作。孵化できずに卵のまま茹で揚げられた雛を自分に重ね、愛も殺しも等しく思う少年は、聖か否か。たまに1ページ使って描かれる萩尾的イメージ描写が好き。何か、詩的です。
○天使の擬態
当短編集では最も普通に読めました。意地っ張りな女の子の恋愛モノです。
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