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2月20日(水)☆

《更新履歴》...管理人についてに「本好きへの100の質問」回答追加。

 今日も出来れば早めにアップして読書モードに入りたい。多島斗志之「症例A」にイイ感じで気持ちが乗ってきた。

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今週の餓狼伝感想

 前回の感想で僕はこう書いてます。

>鞍馬、ラストのタックルで掴むと思わせて蹴りってのはそんなに捻ったフェイクとは思えないんですが、とにかく今回を読んでみた感じ、この試合もそれなりにバトルが描かれる様子が伺えたので楽しみです。まだここは序盤と考えれば捻りが薄くてもオッケー。

というワケで鞍馬の左蹴りが船村の頭に決まったトコロで次号に続く、となってました。そして今号はそのダメージでまずは船村ダウンのシーンからです。アナウンサーが「終わったのか!? 終わったのか!?」と絶叫。どんなに絶叫しようとまだキック一発です。試合は始まったばかりです。

 

まあ、終わったんですけどね。

ちょっとびっくりです。んで、後半は鞍馬が控え室へと戻る廊下の途中、姫川登場。煙草を鞍馬に向けてピッと飛ばす。その煙草に対して鞍馬がプロレスを仕掛けて勝利して終了。今の文読んでもワケ分からないでしょうね。

 この煙草にバックドロップを仕掛けたりする描写、鞍馬がプロレスにハマってきたってコトを描きたかったのかなあ。ちなみに姫川、最後のヒキ文がなければ姫川って分かりませんでした。てっきり新キャラだとばかり。 


2月19日(火)☆

 赤江漠「春喪祭」、結城昌治「犯行以後」読了。小説読了は何だか久々のような気がする。ここんところ漫画の話ばかりしてますね。今日もだから。

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冨樫義博「レベルE」3巻

○No.011

 マクバクの女王編後半。女王の一目惚れの相手が「女」だったので安心しきってるクラフト達をしり目に女王、惚れた相手を「女」から「男」に変える遺伝子操作手術を決行。

 この辺で出てくる科学的な知識はとにかく圧倒されますね。ワケが分からないのはともかく。「幽遊白書」終了後、冨樫義博自分のやりたいコト思いっ切りやって、その中で色んな本を読み漁ったんだと思います。いいなあ。

 最後はバカ王子の力を借りて何とか地球人絶滅の危機を回避。物凄いハッピーっぽい女王と未来のムコの姿が描かれているラストシーンですが、後々バカ王子の仕掛けに気付いた時、マクバク女王悔しがるでしょうね。悔しがっても、どうにも出来ない。そこがバカ王子の悪魔っぷり。

○No.012〜No.013

 『集中力』によってレギュラー誰かの潜在意識の中に筒井雪隆たち如月高校野球部員が閉じ込められる話。犯人は9名のうち一体誰なのか? それを探し当てる「そして誰もいなくなった」的な展開になるのかと思わせながら、ラストでも犯人はビシッと明確に明かされないのが冨樫らしい。そして、犯人は実は消去法で割り出せるようになってるのも素敵です。

○No.014

 カラーレンジャー編。このエピソードもきっちり決まってます。僅かなページに凝縮された緻密なストーリー構成が決まってます。

○No.015

 バカ王子の婚約者登場。

 この「レベルE」で最高傑作とも言っていいであろうエピソードです。35ページでこれほどの精巧な話を作り上げる冨樫義博に脱帽です。答えを知ってから改めて読み直すと、途中途中での台詞も全く意味合いが裏返る。作者の試みの高さがスパークしています。涙が出るほど感動です。

○No.016

 「価値観の無効化」が描かれたこの「レベルE」ですが、最後のエピソードではその「無効化」が作品世界内にも浸透したトコロで終了。

 と言うワケでこの「レベルE」、冨樫義博の先鋭した部分の結晶ともいってイイ作品です。

 現在連載されている「ハンター×ハンター」にもこの作品で描かれた作者らしさは(ちょっと薄めですが)継承されていて、更にはキャラクターの魅力も「レベルE」以上のものになっているので、幾ら休んでもいいので作者がやりたい話を作っていって欲しい。「作者がやりたい話=読者が読みたい話」になってるのが冨樫義博ですから。


2月18日(月)☆

《更新履歴》...「樽井さんのページ」に相互リンクして頂きました。

 今週のジャンプ感想。毎週感想書いていても、実はいつも立ち読みです。2回ぐらい読みますけどね。コンビニ変えて。

いちご100%

 新連載。パンチラ止まりのお色気シーンがあるラブコメです。桂正和はどうなったんでしょうか。

 漫画だと髪型が違うだけで同じ顔状態(みんな可愛い)な為、別にどの女の子でもいいんじゃないの?って感じに思えるんですが。顔の描き分けは出来るんでしょうが、どうしても何度も描くレギュラーキャラは作者の作風に於けるベストの造型になってしまうのが問題。露骨に不美人とか出ないものでしょうかね。まあ、描きたくないし。

 表紙の黒髪ロングの女の子がなかなか出なくてどういうコトかと思ったんですが、ベタなシチュエーションで登場済みでした。

ワンピース

 何と言っても新展開なのでワクワクしたい。サブタイトルの「ログ・ポーズが丸いワケ」ってのが本編の最後に判明。

 次の島は空にある。空に島があるってのは、このグランドライン道中でもっと後半に出そうなネタだったんですが。ラピュータ(「ガリバー旅行記」の方)っぽい感じですかね。ていうことは次の仲間『音楽家』がいるのかも。

ナルト

 まだこの作者特有のヒネリが出てきません。ナルトがガアラのヤバさに試合を止めさせようとしますが、そんなにヤバいとも思えないんですが。確かにガアラはヤバい奴ですが、そんなコトは今さらです。

ハンター×ハンター

相変わらずマサドラがテキトーな絵です。

修業シーンばかりでちょっと読むの疲れてきましたが、今回の修業でどこまで旅団と渡り合えるようになるのか楽しみです。あ、ババアと旅団ってどっちが上なんでしょうかね。ババアっぽい感じがしますが。

ストーンオーシャン

 ウェザーリポートの肩に「星のあざ」があるコトが判明してから、真淑やかに囁かれているウワサがあります。

ウェザーリポート=ジョルノ説。

これを知ってから、ウェザーリポートの顔が確かにジョルノに見えて仕方ありません。単に画風で済ますコトも出来ますが、実際はどうなるんでしょうか。あの不自然な帽子の下に黄金ヘアーが隠されているのでしょうか。『部』毎の関わりが薄いのがジョジョシリーズですが、5部でポルナレフが再登場してるケースがあるので油断できません。DIOとの親子対面の可能性もあります。

 刑務所からの追っ手の目に止まらないようにしたい為、車を盗んだりも出来ないウェザー&アナスイの脱獄コンビ。そんな中、老人を救うコトで足を調達できました。天候を操る能力で車の周りにだけ雨を降らせないようにしていますが、こんなコトしたら余計目立ちます。追われます。

 今週はそれよりもミッキーマウスの絵を見たがってるアナスイがツボ。見たいのかよ。


2月17日(日)☆

冨樫義博「レベルE」2巻

○No.006〜N0.009

 小学生5名を巻き込んでのRPG編。改めてこの「レベルE」を読み直して感じたんですが、話/ネタの密度が半端じゃないですね。説明が薄くて一読して分かりにくい部分もある気がしますが、そこがまたイイ。読み手に行間を補完させる感じで。読み捨ての雑誌ではなく、コミックスとして残して置くに充分な内容の作品です。

 お姫様登場シーンなんか上手いです。清水(ゴン似)の好きな女の子/糸井理奈をお姫様として出すと思わせる伏線を色々と張っておいて(「気になるのはうちのクラスの糸井理奈も欠席しててまだ連絡ないんですよ(P91)/「ん...?この声はまさか...(P99)」)女装したバカ王子登場。

 小学生5人が担任が宇宙人だと知ってもその事実をあっさり受け入れるのもこの作品らしいです。

 絶体絶命状態へと向いながら一体どうなるのか、そこでのラストの纏め方も上手い。広げに広げた風呂敷のたたみ方が素敵です。

○No.010

 マクバク族の女王サキが地球へムコ探しに来訪。マクバク族女王との交配後、交配対象のみならずその星のオス全ての生殖能力が無くなる(交配中ウイルスがオスへと入り込み、覚醒して他のオスにまで空気感染する)、つまりその星のその生物は子が生まれなくなるので絶滅するコトになる。そこでクラフト達3名は、何とか王女に地球人の中にムコを見い出すコトの無いようあれこれ策を弄する話。

 例によって宇宙人種族(今回はマクバク族)の設定が絶妙。このNo.010のラストではクラフト達の努力のかいも無く、サキ王女地球人に一目惚れ。しかしその相手が女だったというオチで終了。ここで終わってもある意味オチが付いてるんですが、続きは3巻へ。

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石川賢「柳生十兵衛死す(集英社/原作:山田風太郎)」2巻

 柳生の里での喇嘛仏戦、異世界徳川秀忠の空中戦艦からの攻撃が一段落、正世界での邪阿弥を探し十兵衛と竹阿弥は京へと向かう。その途中でまたもや異世界からの刺客登場。

 まともな歴史と異なる歴史とのキャラクターがゴチャゴチャしていて分かりにくい感じもしますが、異なる歴史(平行宇宙)側の設定が楽しいです。

 異世界ではとにかく忍びの天下。徳川家康が忍びで、更に別の時空へ移動する力を得ている。真歴史では家康(1代目将軍)、秀忠(2代目)、家光(3代目)となっていますが、異世界ではまだ2代目が決定されていない時代。そこで秀忠、家光それぞれが2代目の座を得るべく争っている様子。

 京にて十兵衛の前に現れる家光とその二人の配下、佐々木小次郎と宮本武蔵。異世界でもこの二人の剣豪は対決していて小次郎が勝利を収めているらしい。パラレルワールドを描くならやってみたい設定の一つですね。

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石川賢「柳生十兵衛死す(集英社/原作:山田風太郎)」3巻

邪阿弥に関してはどうやら正世界の方がイッちゃってるようです。

十兵衛VS武蔵のステージとして巌流島へと能トリップ。能が時間無差別のどこでもドア状態です。この闘い、忍びの時代の武蔵が切ないです。

 この闘い終了後、時空が暴走して十兵衛とウマナミ、そして武蔵は時の奔流へと飲み込まれます。この異次元的な移動の中、絵的に武蔵がまるで空飛ぶじゅうたんみたいな扱いになってるのが切ない。

 意志次第で望む歴史の瞬間へと向かうことが出来る。世阿弥のアドバイスを受け、忍びの家康が誕生する以前の時代へと向かいます。途中で(奴らにたちむかえる力が欲しい)と十兵衛がちょっと考えたら未来的な世界の医療戦艦内部に一瞬突入しました。慌てて考えを振り切って忍び家康誕生の時代へと心を向けますが、その未来の医療戦艦で武蔵が一瞬にして治療を受けて何やらメカメカした感じになってます。

 そして1560年に突入。十兵衛がいた時代から100年程昔です。バックトゥザフューチャーばりに時間いじり放題です。

 存命中の山風が「これは凄いね」とBJを見て語ったらしいんですが、時期的にこの巻あたりのコトでしょうかね。


2月16日(土)☆

冨樫義博「レベルE」1巻

 月1掲載での連載で、絵の質は勿論のこと、ストーリーの質が半端でない。納得のいく作品を作りたいが故の月1連載、と思われます。まあ、絵に関しては連載ラストではグダグダになるんですが、とにかくストーリーですね。コミックス僅か3巻分ながらも信じられないまでのアイデアが投入されている話の作り込みには脱帽です。

 アイデアの源泉は「幽遊白書」からの流れを汲んでいて、「価値観の相違」、これが大前提になります。「幽遊白書」では結構魔物(特に雷禅)の常識と人間の常識が噛み合わない面がテーマにも繋がっていた感じがしますが、今作では地球に飛来する(もしくは既にしている)宇宙人各種族の価値観/常識が多種多様。「価値観の相違」の先、「価値観の無効化」に突入。テーマとして描かれるというよりも、この漫画の世界観での前提条件です。人間ならではの倫理性をも度外視している為、描きようによっては非常にシビアな作品になるんですが、異星人のコミカルな価値観/常識がオチになったりするので、その辺は楽しく読める作品です。

○No.001〜N0.003

 連載最初のエピソードにつき、作品の方向性が見えない見えない。ひたすらシリアスに向かうように思わせて、ラストで騙してくれます。冨樫義博、騙すの好きですからね。騙すのに「何故騙すのか」という、ストーリーに絡んだ説得力のある理由付けを考えるのは辛いと思うんですが、このレベルEでは主要登場人物の一人/バカ王子の性格を『人を騙すのが好き』と設定するコトであっさり解決。

 登場人物や地名などのネーミング、筒井雪隆/江戸川蘭蔵/湖南研究所/ディスクン星人/エラル星人/ドグラ星、この辺から冨樫の読書嗜好が伺える感じがします。

○No.004〜N0.005

 このエピソードはシリアスですね。本能と心が相反する悲劇。内容的には「幽遊白書」の『人を食べる魔族』というネタを、改めてしっかり描いてみたという感じ。ジ・エンドで終わったと思ってラスト2ページを読み忘れないように気を付けて下さい。

 今回も坂本庵悟や夢野九四郎といった何だか嬉しいネーミングあり。

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「サブラ増刊 イエロー・ガールズ」

 小池栄子/佐藤江梨子/MEGUMIからなるユニット「イエロー・ガールズ」。ユニットなんて言っても、この写真集以外に何か活動しているのか怪しいですが。

 これは小池栄子がボンデージファッションに身を包んでいるという、それだけでアンドロメダまで吹っ飛ばされそうな素敵な写真集。テカテカですよ。

 更に感動したのは、足かっぴらいて便器に座ってます。結構売れてきてるアイドルなのに、確実に需要に答えてくれる栄子に乾杯です。

 えーと、お願いですからこれからも服着るな。おしゃれな女の子向けの雑誌でファッションやメイクについて語るようにならないで欲しい。

 ただ他の2人よりスケジュールが込み入ってるのか、写真の量が少ないのが残念なポイント。MEGUMIも可愛いのでイイけど。表紙などを見ると、衣装の布の面積の少なさからMEGUMIがいじめられ役です。栄子に髪引っ張られてる写真もあったし、いじめられ役。


2月15日(金)☆

 今日は歯痛がぶり返したので更新不可能と思っていたんですが、2/11に冗談で書いた「冨樫強化期間につきいきなり更新を停止」云々な状態に陥りそうなのでちょこっとこの雑文だけでもアップします。

 虫歯一本で真顔をキープ出来なくなる自分を鑑みるに、最大トーナメントで大半の歯が砕け散って神経剥き身になったジャック・ハンマーはとんでもない。尊敬します。

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 最近の購入書籍。

「サブラ増刊イエロー・ガールズ(小学館)」
石川賢「柳生十兵衛死す(集英社/原作:山田風太郎)」2・3巻

石川コミック版「柳生十兵衛死す」はようやく2巻を見つけたので購入。


2月14日(木)☆

《更新履歴》...活字中毒記に「我孫子武丸ファイル」追加。

 乙一「失踪HORIDAY」読了。どうしてこんなに時間がかかってしまったのか。そしてどうして今日バイト休日でありながら1冊しか読了出来なかったのか。

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今週のバキ感想

 そういや公園で梢江とキスをしてる時には音もなく接近するスペックに気付いていたバキ。その時は最大トーナメントでの汚点こと油断をクリアし、行住坐臥全て闘いの心得を持ち続けているトコロに感動したものです。女といちゃついてても気を張り詰めてる格闘馬鹿。そう感動したものです。

 そんなバキも最近では欲優先になってしまっていて、腑抜けモードが続いていました。それも今号で一段落。「次」。なんで次なんでしょうか。次が来ないのかも知れません。

 後半では遂にジャック・ハンマー登場。最初後ろ姿しか見せてなかったのですが、その段階ではパラレル版のクライベイビーサクラかと思いました。子豚の丸焼きを10秒足らずで平らげました。

 先週勇次郎が語った禁欲の果てにたどり着ける境地などたかが知れている、これは最大トーナメントの時点でのジャックをも否定してる言葉だったのですが、どうしたんでしょうか。バキにしたように、勇次郎はジャックにもアドバイスしたのでしょうか。

 とにかく、烈がジャックだと気付かなかった程デカくなってるのが気になります。これは、戦法そのものを作り直したのか、それとも再びマックシングでしぼむ為の仕込みなのか。


2月13日(水)☆

向山貴彦「童話物語(上)大きなお話の始まり/絵:宮山香里」(幻冬舎文庫)

世界は滅びるべきなのか? その恐るべき問いの答えを得るために、妖精フィツは地上へとやってきた。最初に出会ったひとりの人間を九日間観察して判断することがフィツの使命。しかし、フィツがたまたま出会ったのは極めて性格の悪い少女ペチカだった......。

 この上巻ではペチカという13歳の少女の歪み放題の性格と、フィツとの出逢いによって故郷から逃げ出さなければならなくなった彼女の旅が描かれます。

 序盤、ペチカがいじめられるシーンが半端じゃない。高い釣り鐘台へと登る途中で梯子を揺らされたり、モップを口にねじ込まれたり。まあ、作品によっては口に無理矢理ねじ込むってのはとても魅力的なシチュエーションですが、タイトルの「童話物語」から勝手にほのぼのした話を予想していたのでびっくり。

 ペチカがゆっくりと優しい心を開いていくってのはまあ基本ですが、とりわけ上巻の名シーンと言えるのが、フィツが小さな虹をかける場面です。これを読んでいた時は何気ないほのぼのムードを出す演出程度に思っていたんですが、下巻の口絵でこれに絡んだクライマックスが浮かびかなり燃えました。

 この文庫化に関して、単行本時にはなかったクローシャの設定資料として「クローシャ大百科事典」が添付されています。

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向山貴彦「童話物語(下)大きなお話の終わり/絵:宮山香里」(幻冬舎文庫)

妖精フィツとの突然の別れから一年、十四歳になった少女ペチカは大都市パーパスで暮らしていた。初めて幸せを手にしたかに見えたペチカだったが、世界の最後を告げる「妖精の日」はすぐそこまでやって来ていた......。すべてが崩壊へと向かう中、始まるペチカの最後の旅。

 ルージャンの壁登り能力がどうしてもシコルスを思い起こさせます。それはさておき下巻は一気にクライマックスへと雪崩れ込みます。井辻朱美の言葉、

>宮崎アニメを一本観たのと同じような感覚体験をさせてもらった本書

この言葉が、この作品に対して自分的にも同様の感想です。巨大な敵とそれに立ち向かう者、守るべき存在、など終わってみればきっちり物語原型を押さえていた作品です。話の途中ではその辺の骨格に捕われずに読み進めていたんですが、ホント終わってみれば、ああ、という感じ。

 この作品に関する作者のホームページはこちら「童話物語メモリアル」。


2月12日(火)☆

冨樫義博「幽遊白書」18巻

 魔界突入。幽助/蔵馬/飛影それぞれが魔界3巨頭の元に付いてからの物語。

 この巻では「それぞれの一年 飛影後編」「それぞれの一年 蔵馬前編」、ここが濃い。週刊連載とは思えないストーリー密度です。

 「それぞれの一年 飛影後編」では特にラスト6ページ飛影の記憶を辿るムクロの語りが異様にカッコイイ。呪符を取ったムクロの正体のデザインもイイ。最後の台詞がキます。ズンズンキます。

「お前はまだ死に方を求める程強くない」

 「それぞれの一年 蔵馬前編」化かし合いが極まっています。「心拍数が正常に戻ったな さすがだ」、ここに震えました。何故蔵馬の心拍数が正常に戻ったのか。それは、(黄泉は全て見透かしていた/しかし自分を殺すならいつでも殺せるのにそうしない/取り敢えず自分は安全と見ていい)、自分が過去に黄泉に向けた暗殺者の成れの果てを見ながら蔵馬は僅かな時間の内にそう考えたものと思われます。絶体絶命な状況下でのその判断。それに対して「さすがだ」と黄泉の台詞。

 と、三大勢力による知謀知略に富んだシミュレーション的な派閥争いが期待できたこの魔界編も、この巻の後半で、一気にトーナメント化します。ここまでの仕込みが素晴らしかっただけにもったいないの一言です。「来訪者たち」のラストの黄泉の台詞、「やはりオレもバカのままだ」、ここで魔界編は終わったと見ていい感じがします。この後も実際にトーナメントは開始されますが、この台詞で全て解決してしましました。

 是が非でも掲載させる編集部の方針が話を面白く転がす可能性を消してしまった感じ。これに懲りた為、「ハンター×ハンター」では話に行き詰まったら露骨に休載するワガママが通るようになったのでしょう。

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冨樫義博「幽遊白書」19巻

 魔界トーナメント終了から、連載終了まで。

 この巻はもう無理矢理連載を引き延ばしてるだけの小ネタ集なんですが、「コエンマが父親を告発」から始まる、今までこの漫画で敷かれていた善悪の反転が目立ってます。敵味方の明確さが要求されるであろう少年誌では特例だと思います。価値観の反転を描いたのはデビルマン辺りが有名、でしょうかね。

 んで、次回作「レベルE」ではこれより更に一歩進めた、種族事による様々な文化/常識を取り込んだ「価値観の無効化が描かれることになります。


2月11日(月)☆

 2月中旬は冨樫義博強化期間にします。冨樫義博強化期間といっても、別にイラストをラフ絵のままアップしたり、いきなり2〜3週間更新を停止したりするワケではありません。単純に作品紹介です。

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冨樫義博「幽遊白書」16巻

 仙水忍と浦飯幽助のサシ勝負開始から幽助の死による戦闘終了、魔界への扉が開通、そして幽助復活までを収録。

 手元にある「幽遊白書」は3冊で、そのうちの1冊です。この巻は、作者冨樫義博が壊れはじめた記念すべき巻です。表紙折り返しの作者の言葉で「漫画家用語事典シリーズ」ってのが開始されてるんですが、これがA・ビアス「悪魔の辞典」みたいな皮肉っぷりで素敵。

>影響→誰も知らない人から受けること。そうすればオリジナルだと思われる。

 本編は、とにかく前半の仙水と幽助のサシバトル部分が秀逸。「仙水が実は多重人格」「今まで主人格たる『忍』は一度も出てきていなかった」など毎話、どこかしらハッとさせられる/驚かしてくれるモノがあります。特に自分的にツボだったのは聖光気を纏った仙水がバカ笑いする絵。もうツボ。真顔の絵から次のコマでいきなりバカ笑いしてるの最高です。幽遊キャラで一番好きなの仙水ですね。

 後半の幽助復活「魔族大隔世」ですか、これってきっと半村良「妖星伝」の外道皇帝がインスパイア元なんだろうなあ。えーと、

>影響→誰も知らない人から受けること。そうすればオリジナルだと思われる。

 

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