光の帝国(TVドラマ版)


●第1回『未知の力』

 ようやくビデオに撮っていたのを観ました。かなりのアレンジが加わってますね。

 原作は、常野一族の本核にビシッとは触れず、各短編の主人公がその周辺を漂いながら、自己の運命を如何に裁きながらの生き方を見せるかという感じの内容でした。このドラマ版ではその「運命」「本核」に対して明確な照準が定められ、ある意味かなりベタなアレンジがなされてる様子。

 能力に関してもドラマなりの別ルールが設定されてるみたいで、原作では春田一家全員が備えていた「しまう」能力(超記憶力)も、光紀のみになってます。んで、主人公になってるのは春田記実子で、彼女には未来予知の能力があてられてます。

 もうこのドラマは、原作のおおまかな設定を借りた別物ぐらいに考えた方が良さ気。こう書くとダメ印象を持たれるかも知れませんが、これはこれで僕かなり気に入りそうです。

 内容について。

 白髪で黒ぶち眼鏡の老人が出てきて、(まさかコイツがツル先生じゃありませんように)と願っていたんですが、最後のキャストを見るとツル先生だと判り軽くショックを受けました。その助手的な存在の遠目、遠耳、こいつら服の配色ベタ過ぎです。明らかに世界観が違うキャラです。今回を観ただけじゃこの3人組、アホな悪玉トリオに取られ兼ねないです。

 そして何より記実子役の前田愛が可愛かったです。というか、可愛かったでちゅ。困ってる顔がとても可愛かったでちゅよ。と言うワケで第1回の感想は、

 

前田愛の真ん丸のお尻にノックダウン。以上。


●第2回『一族の力』

 今回放送分で一番驚いたのが、ツル先生のアクセントの位置が僕の考えていたのと違っていたコトです。「ル先生」ではなく、「ツ先生」なんですね。むしろフラットに。

 父から常野一族に伝わる能力を知らせられる記実子。記実子の能力、未来予知は一族でも100年振りに開花した希少な力。ちなみに父(及び祖父)の能力は「犬と会話が出来る」。何となくちゃちいです。謎の存在・薫の能力が気になるトコロ。

 東京に出てきたツル先生一味がフォーマルな格好をしていましたが、それでも何か世界観違うキャラに感じます。何故だ。ネクタイか。相変わらず怪しいです。

 ツル先生の元に向かう記実子。愁いを含んだ愛ちゃんの表情がたまりません。新幹線に揺られながら切なげに窓の外を眺める愛ちゃん。(可愛い可愛いコリャたまんねえぜ)と思ってたら、そこでビデオがいきなり切れました。NHKは時間が正確な上、ビデオとテレビの表示時刻に微妙なズレがあるのにGコード予約したが故の悲劇です。結構気に入ってたエンディング曲が聴けなくて残念。


●第3回/闇の力

 未来を見る能力を使うと、過去の思い出が失われていく。この事実に対する記実子の葛藤が描かれていた第3回放送分でした。

 この場合自分ならどうするかとか考えてみましたが、記憶が無くなっていくのはキツいっすね。結構記憶/積み重ねといったものに拘泥するタイプなので。過去(記憶)のないタイプの人ならメリットしかない能力です。万馬券ドカンと一発当てて生活に不自由のない状態にしてもう能力使わないってのが良さ気ですね。ドカンと当てたら思い出もドカンと失いそうですが。

 薫の能力は触れた相手の過去を知る力と判明。記実子と正反対の力です。悪役演出の小道具である、部屋で飼ってるハムスターの存在に、薫の思想が無理矢理付加されてました。

「ハムスターは自分の名前を覚えない。いくら教えてもこっちを見ない」

 こんなセリフを記実子に聞かせるのは、利用しようとしている立場としては得策ではありません。思い出をどんどん失っていく記実子を記憶に対してメモリが低い上にスパンの短い動物に例えてるように聞こえますから。


●第4回/未来の力

 記実子、薫を救うのにかなりの思い出を失いました。ていうか、VS薫が物語の最後の要になると思っていたので、この最終回の序盤でちょこっと触れられて薫に関するエピソードが纏められていたのには驚きました。

 母・里子の研究室の腹黒な雰囲気を醸し出していた同僚が実は常野一族と判明。「他人の寿命が分かる」能力。この能力者は40歳で寿命が尽きる、それ故里子との将来を考え、学生時代身を引いたという切ない事実が明らかに。にしても母、常野一族に大人気です。

 んで、物語はどこに収斂するのかと言えば、「母が危険な目にあう」予知に対して、その未来を変える為に家族(能力者)が一団となる部分です。未来予知で視た映像を手掛かりに母がどこに向かってるのか場所を狭めつつ、記憶をすばやく「引き出し」て道順や施設をすかさず把握する弟、更に幼馴染みのクライミング技術もが絡められ、一気に救出へと巻きます。しかも最後に役立つのが、父の「犬の言葉が理解できる」というちゃちい能力。まさかこれが最後の決め手になるとは考えもしませんでした。

 総括して見ると、当初原作の設定を変えた別物と思っていたこのドラマ版、別物は確かなんですが、「常野物語」のメインテーマと考えられる「特殊な能力を持った人が、その運命とどう折り合いをつけて人生に向かうか」がきちんと押さえられていた内容です。薫の存在でひょっとしたら能力者同士のドンパチバトルものになるのかとも途中思いもしましたが。全4回という短さを考慮してか登場人物の数も上手く削がれていて、引き締まった内容でした。


映像化関連へ

トップへ


 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送