内藤泰弘


●「トライガン」1巻

 世界観がイイ感じです。全体に漂う王道/オーソドックスな展開も、未来感覚の小道具満載の西部劇という世界観設定とそれを細かく描き出す画力で色んな角度から味わえる漫画になってます。作者が自作を好きで好きでしょうがないというのが伝わってくるのが好感触。あとアメコミ好きな漫画家ってやっぱ絵上手いなと思いました。

 まずはヴォルドールにて、主人公の人間台風/ヴァッシュ・ザ・スタンピード登場&紹介エピソード。凄腕のガンマンながらも「不殺(ころさず)」の信念を持つヴァッシュ。ちなみに後にパートナーとなる牧師はどちらかと言うと「悪・即・斬」です。

 このヴォルドールでは町ぐるみでヴァッシュの首に懸かった賞金600億ダブルドルを狙います。切り札的にネブラスカ親子が現われますが、その役割はもちろんヴァッシュの銃の腕前の凄さを見せつける噛ませ犬です。まだ序盤だし。連邦政府はヴァッシュを局地的災害と認定していたので賞金は既に無効になっていました。

 次のエピソードは砂蒸気(サンドスチーム)・フロウリッシュ号を舞台に武装盗賊/バド・ラド団との闘い。メインの敵はバド・ラド団団長/B・D・ネオン。


●「トライガン」2巻

 B・D・ネオンとの戦い決着。異様に人を殺してきたネオンもイイ人っぽく終了。ここではプラントなるロストテクノロジーの存在が描かれました。

 次は荒廃した大地にポツンとオアシスのようにある肥沃な土地を巡っての抗争。土地を奪おうとするモーガンとネブラスカファミリーがバトルの相手。拍子抜けする決着を見せました。長女マリリンがツボでした。

 次のエピソードからトライガンのストーリー本流に突入といったトコロでしょうか。ヴァッシュが探してる男/ナイブズ、そのナイブズに仕えるレガートが顔見せ。レガート、肩の部分が異様に膨れてるんですけど。生首でも入れてる設定考えてたんでしょうか(無限の住人ネタ)。12枚のコイン、それを更に二つに割った片割れをヴァッシュに渡します。残りの方を12人の刺客に持たせる。少年漫画の王道ノリ開始です。

 この巻には最後に読み切り版トライガンが収録されています。ちょっとポップな感じ。


●「トライガン」3巻

 まずはヴァッシュの軽い回想シーンあり。レムとナイブズ、宇宙船、そのプログラム異常など。

 コインを持つ刺客との戦いは、モネブ・ザ・ゲイル/E.G.マイン/ドミニク・ザ・サイクロプス。3名倒したトコロで一気にナイブズの元へ。レガートが、集結していた刺客にヴァッシュ殺害命令の号令をかけた瞬間、「誰が殺していいなんていった」とナイブズの力でレガートはプレスされます。足とかあり得ない方向に曲がってます。

 ナイブズがヴァッシュの右腕に宿る「エィンジェル・アーム」の力を引き出し、地上を薙ぎ払わそうとするも、ヴァッシュ、自身の足を撃ちバランスを崩して天に向かって砲撃。月を削りました。辺りも崩壊して、今回はここで水入り。「トライガン・マキシマム」で仕切り直しの続投となります。


●「トライガン・マキシマム」1巻

 最初のエピソードは仕切り直しでヴァッシュが再登場する話。ニセモノ登場なんかも絡めて。ヴァッシュの隠し方が面白かったです。

 ワル保険屋の話をはさみ、列車強盗の話。「ヴァッシュ・ザ・スタンピードの身内の概念は阿呆ほど広いんだ」という言葉がよさげです。

 巻末作者漫画によると「トライガン3巻」が出る前にこちらの「マキシマム1巻」が出てた模様。このマキシマム冒頭のフィフス・ムーン事件なんかはリアルタイムで追ってた読者には謎なものだったのかな。


●「トライガン・マキシマム」2巻

 ナイブズの配下的存在/レガート及び「GUNG-HO-GUNS」が本格的に再始動を開始する巻で、この巻ではサムライ/雷泥とのバトルがあります。

 ナイブズに五体不満足にされたレガートが絵的にヤバくてイイ感じです。主人公の腕がもげてたり下半身がちぎれてるヤツがいたりフリークスチックなキャラ造型が目に付きます。

 ラストはヴァッシュのかつていた砂漠のシップへ。ここでは人形使いレオノフと巨漢キャラのグレイとの戦闘があり。決着は次巻にて。


●「トライガン・マキシマム」3巻

 ウルフウッドVSグレイ、ヴァッシュVSレオノフが収録。

 グレイは『ナインライブス』の異名の通り、9名の小人が中で操っていました。パペットマスターのレオノフはヴァッシュの古い知人だった様子。断片的に過去が描写されるもはっきりとしたコトは不明です。人形対策にとったヴァッシュの切り返し方法は、スプリンクラー(?)を破壊して一帯へ水を降らせる。それにより、人形とそれを操る為に張り巡らせた数十キロの糸へ水の重圧を加え、レオノフの指を締め付ける。

 レオノフ戦も含めて、ヴァッシュの長命ぶりにアプローチされている巻かも。


●「トライガン・マキシマム」4巻

 ナイブズ再登場シーンがありますが、髪型変わってるのでしばらく誰だか分かりませんでした。「トライガン」3巻では長髪にて登場でしたが、過去回想でも今回の短髪バージョンが多いです。

 次の闘いの舞台は龍津城砦。ここではホッパードとミッドバレイが敵として現れます。ミッドバレイは音を武器に、ホッパードはコマのような下半身を利用して闘います。ホッパード、デザインがどうなってるのかよく分からないです。


●「トライガン・マキシマム」5巻

 龍津城砦近辺を舞台にした闘いが一区切りするまでを収録。

 ホッパードとミッドバレイ以外にもレガート、更に「GUNG-HO-GUNS」ロストナンバー13のエレンディラ・ザ・クリムゾンネイルが登場。

 ホッパードがジュライに関係していたキャラクターで、回想シーンなどを通してジュライの事件が描かれます。ホッパードの「失われた半身」ってのは盲目の女性のコトなんですな。ジュライ事件以前から下半身の千切れたキャラでした。


●「トライガン・マキシマム」6巻

 龍津城砦での長期戦が続いた次のエピソードではヴァッシュの銃の腕前なんかを扱った短編。

 2人「ミカエルの眼」から「GUNG-HO-GUNS」要員として殺し屋が登場。登場時に軽いミスディレクションあり。

 後半ではプラントがエネルギーを生産すればするほど「黒髪化」が進行する(力は無尽蔵ではない/全ての髪が黒髪化すると寿命が尽きる)、などと言った事実が判明します。


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