小畑健


小畑健「はじめ(原作:乙一)」

 乙一の不可思議小説を小畑健が漫画化、WJ2003年5号〜6・7合併号で前後編にて掲載。小畑健って誰だか知らないって方に念のために説明しますが、かつてジャンプで「力人伝説」という漫画を連載していた人と言えばピンと来ると思います(関連リンク)。

 小説の漫画化(もしくは別メディア化)というものは非常に難しいと感じます。原作に対するイメージを再現するのは不可能。何故なら、読み手のイメージは多種多様千差万別だからです。それでも漫画化はされてて、そのスタイルは大きく二つあります。

1:原作に思いっきりアレンジを加えて自分の漫画にする。

 これもまた、どんなアレンジを加えても評価は分かれると思います。すぐ思いつくトコロで石川賢がいます。無茶苦茶な内容に変える人で、原作の味は基本的に殺します。評価が分かれる人でしょうが、僕は好きです。

2:原作をただなぞる。

 元々原作が面白ければ粗筋状態の作画でも楽しめますし、漫画は絵です。もしつまらない漫画をつかまされても絵が上手ければ絵を見て楽しむコトがまだ残されています(別に原作なしの漫画でもそうですな)。そして、原作の持ち味を十全に描くコトは不可能なので、絵の上手い人に漫画化させるのが原作付きのベストの選択に思えます。ドラマを役者目当てで観てる人の心理に近い発言かも知れませんが。

 んで、今回の「はじめ」は2です。小説では小汚い描写のはじめでしたが、可愛い制服姿を拝むコトが出来ました。小畑健は作画能力が異様に高いので、何を漫画化しても絵で許せる感じです。なんて書き方だとストーリー的に面白くないように取れそうですが、内容は原作を読んで知っていたので殆ど同じ話をトレースするという意味では新鮮さがなかったぐらいで、元々原作も良作なので初めて接した人でもそれなりに楽しめそうです。

 というワケで、「はじめ」以外の乙一作品も漫画で読んでみたいと思いました。小畑先生はヒカルの碁の連載で忙しいと思うので、島袋光年先生にお願いします。


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