ジョジョの奇妙な冒険
第5部 ジョルノ・ジョバァーナ -黄金なる遺産-
<47巻>
この巻からジョジョ第5部の開始です。自分的にはバトルのネチッこさが好みでたまらない5部です。
主人公はジョルノ・ジョバァーナ。あこがれはギャング・スター。ディオと日本人女性の子供です。スタンドは「ゴールド・エクスぺリエンス」。現段階(47巻)でのその能力は、「生命を与える」。こう書くと非常に漠然としていますが、具体的にはコンクリートやレンガを叩くと草木が誕生する/人を叩くと意識が鋭敏化する、といった具合です。
ディオが子供を設けていたのも驚きですが、母親の日本人女性の「子供ができたからって自分の時間がなくなるなんてまっぴらだわ」という台詞も妙な違和感を感じます。台詞としては別に普通ですが、何だか現代的で、URYYYのディオと並ばない。
ブチャラティ、初登場時は相当変な顔です。もう絶対捨てキャラでした。
<48巻>
「スティッキィ・フィンガーズ」のブチャラティとの闘い終了。そしてお約束の味方化。ブチャラティの協力の元、ギャング組織「パッショーネ」の一員に加わるべく、入団テストを受けにある人物の元に向かいます。
刑務所で自由に生活しているポルポ。指を食っていたのは結局何だったのかポルポ。彼から受け取ったライターの炎を24時間消さずに持っている。これが入団テストの内容です。そしてジョルノは1時間もしないうちに消してしまいました。
遠隔自動操縦のスタンド「ブラック・サバス」が登場して、炎を消した者にスタンド能力を引き出すか死が待ち構えている例の『矢』を突き刺そうとします。影の中を移動するこのポルポのスタンドを、広瀬康一との共同戦術で撃破。
ここでもし矢に貫かれていたら「ゴールドエクスぺリエンスレクイエム」発動で63巻まで一気にかっ飛んでいたのでしょうか。5部のボスの能力を喰らったかのようにストーリー早回しで。何で必死に「矢」を拒否して「ブラック・サバス」と闘っていたのか。
<49巻>
バナナに変えていた拳銃を上手いコトくわえてくれて、ポルポへの粛正終了。そしてジョルノがブチャラティのチームに入ります。ブチャラティチームはリーダーであるブチャラティの他にフーゴ/ナランチャ/ミスタ/アバッキオがいます。一気に登場するので混乱しまくりですが、いま改めて読み返すとキレやすい/バカ/縁起担ぎなどといった各キャラの特性が描かれてるのに驚きです。
ポルポの遺産を入手すべくカプリ島に向かった一行への敵として、まずはズッケェロが登場。ここではまずレオーネ・アバッキオの能力「ムーディ・ブルース」が紹介されます。「対象人物の過去を再生できる」。喰らうには相当イヤな能力です。バトルよりも、実生活でもし喰らったらと想像するとイヤなものがありますね。ズッケェロ戦は船を「2隻重ねてた」ってのがネタの詰め込み過ぎで分かりにくくなってるかも。
戦闘後のズッケェロに対する拷問がひどいです。連中がギャングであるのを実感。
<50巻>
物体を一瞬のうちに固定する能力「クラフト・ワーク」のサーレーとの闘い。相手になるのはグイード・ミスタで、彼のスタンド「セックス・ピストルズ」も紹介されます。6人の小人のようなスタンドで、弾丸に張り付いて軌道を変えたりする。
「クラフト・ワーク」、止めた物体にコンコンと力を溜める/そして開放ってのは6部アナスイの「ダイバー・ダウン」にちょっとネタが継承されている感じ。
ポルポの隠し財宝ゲットでブチャラティが幹部に昇格。ジョルノも密かに人望を高めています。そして幹部に昇格したブチャラティへ次なる任務として、パッショーネの裏切り者達に狙われているボスの娘/トリッシュの護衛が回ってきます。まだスタンド能力が明かされていないチームメンバーもいるのに、更にレギュラーが増えました。
ここで出来た『ブチャラティチームVS裏切り暗殺チーム』ってのがこの5部の大部分を成す構図になります。
そして早速敵が登場。今回はナランチャ・ギルガが闘いますが、ナランチャのキャラクターこと「バカ」が強調されまくってます。
<51巻>
そういやナランチャってジョルノよりも年上なんですね。信じられない。
前半はナランチャVSホルマジオ。ホルマジオの能力「リトル・フィート(相手を小さくする)」が先に明かされ、ナランチャのスタンド「エアロ・スミス」の対象をサーチする能力の説明がこの闘いでの謎の一つ。答えは二酸化炭素をサーチ。バカキャラのナランチャが機転の良さを見せるこのギャップがイイ。
後半はボスの指令によってポンペイに移動したブチャラティチームに息付く間もなく暗殺チームの刺客イルーゾォが登場。支配下にある鏡の中に相手を引きずり込むスタンド「マン・イン・ザ・ミラー」の使い手。イルーゾォが許可しなければスタンドを持ち込めないなど、この能力は3部の「死神13」に近い感じですね。同じく3部16巻で花京院が力説していた「鏡に『中の世界』なんてありませんよ...ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから...」を打ち破っての能力。って作者が忘れただけ。
こいつの相手をするのはパンナコッタ・フーゴですが、彼のスタンドは殺人ウイルスをばらまく「パープル・ヘイズ」。敵味方おかまいなしのウイルスです。大迷惑。
<52巻>
「マン・イン・ザ・ミラー」は結局フーゴのみならず、アバッキオとジョルノも加わって3人がかりでの勝利。
ウイルスに感染した身体で鏡の中の世界にジョルノ突入、テンパったイルーゾォがほとんど自滅的なラストを向かえました。殺人ウイルスの存在が異様な緊迫感を演出しているバトルです。免疫力のあるヘビを誕生させワクチンを取り出し、ジョルノ、ウイルスを解除。このシーンは説明が長く、30秒で発病/即死させるウイルスなのに長い台詞しゃべってんじゃねえとドキドキものです。
次なる指令はポンペイで手に入れた鍵を持ち、ネアポリス駅へ。暗殺チームからはプロシュート兄貴とペッシの二人組が登場。プロシュートの「ザ・グレイトフル・デッド」は人を老いさせる恐ろしいスタンド。ペッシの「ビーチ・ボーイ」は釣り竿です。対象以外の物体は通り抜けるコトが出来る糸と針の釣り竿。ジョジョ敵スタンド使いの二人組ってのは頭の切れるヤツとバカの組み合わせが多い気がしますが、今回はペッシがバカキャラです。見た目からして。
<53巻>
超特急を舞台にプロシュート兄貴(ザ・グレイトフル・デッド)&ペッシ(ビーチ・ボーイ)との戦いのラストまでを収録。この巻辺りから異様に濃くなってきます。
そう言えば、ジョジョでは二人組の敵が現れた時、片方の顔が初登場時には明かされてないコトも結構あります。単純にデザインが固まってないからという理由なのかも知れませんが、明かされていなかったのが後々意味をなしてるコトが多いです。今回はプロシュートがそうで、ザ・グレイトフル・デッドの老化させる能力で自分自身も老化させてジジイになってのだまし討ちをミスタに決めました。老化して倒れたミスタの頭に弾丸を撃ち込みました(帽子の裏側でこっそりピストルズがガードしてましたが)。まさにギャング。
敵二人はミスタを後にし、運転室へ向かいます。ここからこの巻の主役はブチャラティです。解説役はピストルズナンバー6。ブチャラティ一人でこの強敵コンビを相手にして、しかも勝ちます。逆転に次ぐ逆転というよりも、終始劣勢、絶体絶命の連続から勝利をもぎ取ると言う、屈指の名バトルです。プロシュートを倒されてからのペッシの変貌が凄い。終盤でまたどうしようもないヤツに戻るのも凄い。擬音のパキョオオアアアンが凄い。普通このシーンでこの擬音描けません。
<54巻>
次なる刺客はメローネ。こいつのスタンドは自動操縦型。従来の自動操縦型の欠点は「正確性のなさ」だったのですが、この「ベイビィ・フェイス」は成長する学習型のスタンドとして登場。赤ん坊が学習していく感じでスタンドの性質を表現しています。
このスタンドを作り出す為には追跡対象の血液と、母胎が必要。序盤ではその様子が描かれていますが、メローネの変態ぶりばかり目につきます。格好からして変です。
相手になるのはジョルノで、この闘いを経て、ゴールド・エクスペリエンスを使って損傷した肉体を別の物質(ブローチなど)で部品にして作り直すコトを学びました。
「人というのは成功や勝利よりも『失敗』から学ぶ事が多い......『部品』に関する君の能力......君のおかげでぼくの『ゴールド・E』はとにかく成長できた」
でもこれで回復係担当に決定しちゃったんですけどね。
<55巻>
ジョルノとミスタを追跡するホワイト・アルバムのギアッチョとの闘い。能力/ホワイト・アルバムは「氷結」。一見シンプルながらも強力な攻撃です。全ての運動を停止させる絶対零度まで持ち込むヤバい能力。このギアッチョ戦、僕的ジョジョ名バトル1位かも。敵(ギアッチョ)がしぶといってのが面白さに拍車をかけています(イってるキャラ造型も良すぎ)。まだ死なねえのかってぐらいに蘇ります。主人公サイドがしぶといってケースは読者も読んでて予想が付くけど、敵がここまで粘ってくれると感激を覚えます。
ここで初めてボスの姿が描かれますが、まだその顔は読者に明かされず、暗い室内で頭からローブを羽織った猫背な姿です。今にして思えば何でこんな貧相な格好してるのか全く分かりません。キャラの絵が固まってなかったからなのか、DIOとでも思わせようとしていたのか。
ここでのジョルノの台詞「『ボード』にして乗って来た「草」を集めろと言ってるんですッ ミスタ!」は名言。丁寧な命令です。
そしてようやくボスとの御対面。しかし会うのはトリッシュとその護衛一人。当然チームのリーダーであるブチャラティが向かいます。ボスが娘を運ばせた目的が、ボス自身の手で娘を始末する為と分かったブチャラティは反撃を開始。
<56巻>
前半はブチャラティVSボスを収録。ここでボスの能力「キング・クリムゾン」が明かされます。未来を知るコトが出来る。3部DIOの『時を止める』、4部吉良の『過去へ戻る』に続いての時間ネタです。非常に分かりにくい能力です。説明によると、
>簡単に言うと「時間」を飛び越える事ができる。正確に言うとこの世の「時間」を十数秒消し去り、その中を自分だけが動く事ができ、他人の動きを予知するように見る事ができる。
ちょっと煙に巻かれたような説明です。描写を見た感じからは、能力発動で一瞬時間を止めていて、数秒未来の映像が流れる、そして映像が終わった瞬間にその結果状態へ時間の辻褄合わせで瞬間移動する、そんな感じかなあ。
人はいつも意識を自覚しているとは限らないので(寝てる時に限らず)、「もうこんな時間か。ぼーとしていたなあ」って時はこの能力が発動していたと考えましょう。ていうかそれが着想かも知れないし。
ここではボスの能力の顔見せといったトコロでバトルは終了。引き分けですかね。いやブチャラティ実はここで死んだんですが、それでも5部ラストまで動いたり喋ったりします。ブチャラティがボスへの「裏切り」を表明したトコロでフーゴ脱落。二度と仲間に加わりません。敵として登場するコトもないです。そんなコトになるとは誰も想像してなかったでしょう。作者も含めて。
トリッシュの言葉から次なる目的地はサルディニアになりましたが、そこへ向かう前にこのヴェネツィアで早くもボスの親衛隊スタンド使いが登場。2人組みで、ナランチャの舌に敵スタンドが張り付いて言いたいコトが言えなくなります。
<57巻>
前半はティッツァーノ(スタンド:トーキング・ヘッド/舌に張り付き意志とは反対のコトを喋らせる)とスクアーロ(スタンド:クラッシュ/水から水へと瞬間移動する)のペアとの闘い。ここでの主役はナランチャです。
バカのクセに相変わらず闘いになると騙しに長けていますね。ほぼ一人でこの敵2人組みを倒しました。ブチャラティの「アリアリアリアリ!」に続いて「ボラボラボラボラ!」「ボラーレ・ヴィーア(飛んでいきな)」が出ました。あまり流行りませんでしたが。
そしてようやくサルディニア島へ向かいます。飛行機を盗んで一気に距離を詰める手に出ました。そこで登場する次なる刺客がカルネ。滑走路を歩いて登場しますが、絵的に無茶苦茶無気味なキャラです。パッと見スタンドなのか本体なのかも分かりません。スタンド「ノトーリアス・B・I・G」を出した瞬間ミスタに射殺されました。早い。『登場→死』の早さではヴァニラ・アイスにも匹敵します。
この「ノトーリアス・B・I・G」は本体が死んで怨念のエネルギーではじめて発動したスタンド。「死ぬ」なんて一回限りのコトなのに、何でこんな空中密室に都合のいい能力者が派遣されたのか謎。あ、でも死ぬ前にスタンド出してたから元々は自動操縦じゃない能力があったのかも。
<58巻>
「動き」を感知して攻撃してくる自動操縦型の「ノトーリアス・B・I・G」。この強敵を前にトリッシュのスタンド/スパイス・ガールが遂に発動。スパイス・ガールはあらゆるモノをゴムのように柔らかくする能力です。ほとんどトリッシュの活躍でノトーリアスを突破。そう言えば娘のスタンド能力からボスの正体がどうだのっていう描写が以前あったような気がしますが、これ全然ボスの能力に繋がらない。
そして舞台はサルディニアへ移りますが、ここで登場するのが暗殺チーム最後の1人のリゾット。そしてボスが二重人格(と言っていいのか? 見た目からして変わっちゃうんですが)であるのが判明。別人格はドッピオという少年。「キング・クリムゾン」の断片とも言える能力「エピタフ(10秒ほど未来の映像が前髪の裏側スクリーンにて先行上映)」を持っています。
主人公サイドを含まない対決というコトもあり、ドッピオVSリゾットは先が読めません。ワクワクする悪役同士の対決です。リゾットの能力もいきなり相手の体内から釘やカミソリを出させるという謎っぷりを披露。見てるだけで痛くなる絵です。
<59巻>
リゾット・ネエロのスタンド/メタリカの能力は磁力の操作。相手の体内の磁力から鉄製品を作り出したり、磁力で細かい鉄の粉を自分に付着させ姿を背景に溶け込ませる。
リゾットVSドッピオはほとんどリゾットが優勢で運びます。逆転に用いたのはナランチャのエアロ・スミス。ボス恐るべし。最後の最後でボスもろともエアロ・スミスの銃弾を浴びようとするリゾット。そこでキング・クリムゾンが発動するのですが、銃弾の軌道上にいても無事でした。時間を吹き飛ばし結果のみに辿り着く能力の凄みが伝わります。
リゾットの死体を発見するも闘いの形跡を見、もう一人のスタンド使いが手負いの状態で近くにいるコトを察するブチャラティ。ボスのピンチは続きますが、途中で一般人から血(鉄分)を奪い見事に逃げ切ります。更にここでアバッキオをぶっ殺すというオマケ付き。
アバッキオのラストでの警察官の台詞、「わたしは『結果』だけを求めてはいない 『結果』だけを求めていると人は近道をしたがるものだ」「大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている」、この辺が『結果のみ』なボスの能力と対照的な内容を語っていて非常に素敵です。
アバッキオの残したデスマスクと指紋を検索してる途中で何者かからのアクセスを受けるジョルノ一行。『矢』についての謎を語るその男に会う為に、次なる目的地はローマに。ドッピオもまたローマへ向かい、ボス側からは更に2人のスタンド使い、チョコラータとセッコが登場。この二人組はヤバいほど濃いキャラです。
<60巻>
チョコラータとセッコのコンビはブチャラティが言ってる通り非常に相性のイイ能力同士です。そのスタンド能力を説明すると以下の通り。
チョコラータ「グリーン・ディ」...人にカビを付着させ肉体を崩壊させる。そしてカビは今のトコロよりも低い位置に移動すると増殖する。
セッコ「オアシス」...触れた岩石をドロ化する。本体はその中(地下)を泳ぐように移動出来る。
低い位置に移動するとカビる状況下で、ドロ化する能力で低位置へと向かわせるコンビネーション。かなりの強敵。しかも元キチガイ医者である異常人格のチョコラータはローマ市に無差別に攻撃を仕掛けます。相当不利な闘いを強いられるジョルノ達ですが、ブチャラティは死んでるのでカビないというアドバンテージが発動。
ヘリコプターでのチョコラータはこれよくネーム通ったなと思わせるヤバさ加減。医者ならではの知識で、自分を死なないように重要な臓器を割けてバラバラに切断し、本来なら人の入れない小さな場所から攻撃。今までにないイっちゃってるキャラで、ラストはジョルノの無駄無駄7ページ(内2ページ単行本描き下ろし)にて完全決着。
<61巻>
チョコラータ(手持ちの初版ではチョコラートって表記されてるけど他のどうなの?)の敗北を知ったセッコは、携帯に残されたメッセージからコロッセオに向かいます。そこにブチャラティ達の目的がある。
ブチャラティVSセッコのサシ勝負です。ていうかブチャラティ闘い過ぎ。死んでるのに更にダメージを受けてます。鼓膜も視力もなし。でもたまに都合良く聴こえたりしてるようです。セッコ戦ラストではドッピオ登場で目的地がコロッセオだとボスにバレてしまいました。
そしてコロッセオの男の正体が判明。3部でお馴染みジャン・ピエール・ポルナレフでした。過去にボスとの闘いで負傷し、車椅子に乗っています。ポルナレフが生きていたのを知ったボスもまたシルエットに包まれていた素顔を表わします。柱越しにドッピオからディアボロへと変貌するシーンは激烈カッコイイです。
ところでディアボロという名称は以前の巻でも出てきていますが、これはあくまでも「悪魔」という呼称で、そのうち本名が出るものと思っていたんですが、どうやらこのままみたいです。
ポルナレフVSディアボロが開始されますが、殆どまともにやりあわない時点でポルナレフは手にしていた『矢』でチャリオッツを貫きます。何がなんだかよく分からないままポルナレフは死亡、そしてボスすら驚く謎の存在があらわれ、突如コロッセオに向かっていたジョルノなど近辺にいた全員がいきなり眠気を催してその場で睡眠。かなりワケ分かりません。
<62巻>
矢で貫かれたチャリオッツは本体から独立して暴走し、『矢』を守るポルナレフの意志のみを受け継いだ『レクイエム』という存在となりました。
暴走第一段階では周囲の生き物を眠らせ、お互いの魂を入れ替える。ジョルノとナランチャ、ミスタとトリッシュ、ボスとブチャラティ、カメとポルナレフが入れ替わりました。ポルナレフの死体に入ったカメはそのまま死亡ですか。ようやく姿を見せたボス/ディアボロですが、早くも中身はブチャラティ。
ここで難題となったのが『レクイエム』からどうやって『矢』を奪うか。色々と試しても『矢』に触れようとすると自分自身のスタンドが攻撃を仕掛けてきたりして不条理連続。暴走第二段階も発動。世界の生き物が別の生命に変化。これは唐突過ぎる。
更にブチャラティの肉体に入ってたのはドッピオの魂で、ディアボロはどこか別の肉体に潜んでいるという問題も発生。ナランチャ、突然死んでます。かなりワケの分からない状態が重なっています。このワケのわからなさ加減、よく連載打ち切られなかったなと心底思います。
トリッシュ入りミスタ容器に隠れていたディアボロ、『矢』を手に入れる方法を発見してダッシュ。『レクイエム』を破壊して遂に『矢』をゲットしたと思いきや、ジョルノの腕を切断した時の返り血が軍隊アリに変貌し『矢』の柄を噛み砕きました。
<63巻>
表紙のトリッシュがセクシーな63巻です。
ブチャラティが暴走チャリオッツこと『レクイエム』を完全破壊するコトで、入れ替わっていた魂が元に戻りました。すでに本体は死んでいるブチャラティはここで死亡。56巻で死んでから魂が天に召される描写まで7巻もかかりました。
最終的に『矢』を手にしたのはジョルノ。そして貫かれた彼のスタンドは「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」へと進化。新たなるその能力は、相手の行動をゼロへと引き戻す。ディアボロの未来予知が、ジョルノの心臓をキング・クリムゾンで打ち抜いていようが、消し飛ぶハズの時間をも引き戻す。決定された未来に届かない。ディアボロは死ぬという結果すら幾度も永遠に味わう地獄にはまり込みました。
最後に収録されているのがエピローグ「眠れる奴隷」。ジョルノが涙目のルカを倒した頃のブチャラティチームのエピソードです。この話は作者の巻頭の言葉、
>「運命」で決定されているとなると、努力したり喜んでも仕方ないという考えも生まれる。そこなんですよ。人間讃歌を描いていて悩む点は。答えはあるのか?
この辺りがモチーフになってる運命論を扱ったエピソードになっています。死期の近い者の死ぬ時の姿を形どる運命のあぶり出しのような石型のスタンド「ローリング・ストーン(ズ)」。ここでブチャラティは胸を貫かれ死ぬ姿が象られます。しかしその石をミスタが破壊。
56巻で死んでいたハズのブチャラティがそれ以後も動き続けた理由がコレなんでしょうな。ボス戦決着方法とはまたひと味違った、決定未来へ人間はどう向き合うかが描かれているように思えます。ここに運命への突破口を感じさせるものがある。
これにてジョジョの奇妙な冒険第5部、完。
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