ジョジョの奇妙な冒険
第2部 ジョセフ・ジョースター -その誇り高き血統- 


<5巻>

 第2部はこのジョジョという作品の世界観としても最大スケールに突入する内容で、かなりの人気を有しています。1部から出ている波紋、石仮面がここでも登場。「1部2部」は特にストーリー面でどうなるどうなるという楽しみがあり、「3部以降」はバトル面でどうなるどうなるという楽しみが強い。別の作品にも思える感じですが、根底にあるのは作者の「読者に飽きられないように作られている『サスペンス/引きの上手さ』」です。

 5巻後半から始まる2部ですが、主人公は1部のジョナサンの孫/ジョセフ・ジョースター。生まれながらに波紋を使うコトが可能。相当暴力的な一面もあり、イギリス人=紳士のイメージを払拭するキャラ作りになっています。

 ストーリーの導入部分になるこの巻では、この2代目ジョジョの紹介と、スピードワゴンがメキシコにて発見した遺跡にて、大量の石仮面と石柱に眠る謎の人型生物「石柱の男」の存在が明かされます。そして謎の生物を眠ってる内に破壊してもらおうと呼び寄せた波紋使いストレイツォの裏切。50年前のディオの若さ/強さへのあこがれ。


<6巻>

 前半は吸血鬼と化したストレイツォとジョセフの戦い。石仮面を被った吸血鬼というワケで1部においてのボス/ディオに匹敵する存在ですが、2部ではこの吸血鬼すらも雑魚に過ぎません。この辺の世界観のエスカレートのさせ方はジャンプ漫画の王道です。

 昔の姿(顔)でジョセフの前に登場するストレイツォにゾクゾク。ジョセフの戦いは単純な殴り合いバトルでなく、トリックが多めなので楽しい。鏡のトリックは流石に無理を感じますが。

 後半ではスピードワゴンの生存が確認。ナチスに捕まり、「柱の男」の情報を引き出されようとしています。ここで登場するシュトロハイム少佐は、台詞がほとんどイっちゃってて今でも結構パロディに使われています。

 ここでナチスの実験により「柱の男(サンタナ)」が覚醒。何でもありの生物です。相当ヤバくなってきたトコロでジョセフ到着。女装がバレて自信をなくしていますが、バレないと思ってた辺りちょっと天然かも。


<7巻>

 まずはジョセフVSサンタナ。シュトロハイムの犠牲もあり、どうにかサンタナ撃破に至りました。シュトロハイムは後々復活しますが、復活するにはかなり無理のある散り方をしてます。ここでサンタナ以外にも柱の男が存在しているコトが判明。

 「石仮面の吸血鬼」と「柱の男」は双方共に太陽に弱いのですが、吸血鬼が太陽光を浴びると消滅するのに対して、「柱の男」は身を石のようにして活動停止。この漫画の食物連鎖からくる生体ヒエラルキーとしては、「人間を食物にする吸血鬼→その吸血鬼を食物にする柱の男」となっていて、今相手にしてるのは人間よりも2ランク上の存在になります。

 次なる敵への対策として、波紋の修業をすべくローマへ向かったジョセフとスピードワゴン。ここで登場するのが1部のツェペリ男爵の孫/シーザー・ツェペリ。シャボン玉と波紋を組み合わせるという、かっこいいのかどうだか微妙な技の使い手です。

 そして遺跡にて紫外線照射をものともせずに「柱の男」が復活。カーズ、エシディシ、ワムウ。「エイジャの赤石」という謎の石を求めて動き出します。その場に到着したのがジョセフ/シーザー/スピードワゴン。もう、タイミング良すぎ。


<8巻>

 ワムウの「風」をモチーフにした技が顔見せ的に登場。この段階ではジョセフが敵うワケがなく、どうにか口八丁で逃れます。よく逃れたもんだと思います。

 ワムウとエシディシに毒入りリングを体内に埋め込まれたジョセフ、その指輪が溶解するまで一ヵ月。そこで連中と渡り合える実力を得るべく波紋の修業に向かいます。場所はヴェネチア、そこにシーザーの師であるリサリサがいます。

 いきなり「地獄昇柱(ヘルクライム・ピラー)」という修業をやらされる2人。足を引っ掛けてこの修業場に2人を突き落とすリサリサが凄い。24メートルの高さから落とされて大丈夫なのが波紋戦士、などと考えてたら終盤でシーザーが「たとえ油圧にはじかれたとしても落下してそれは20mの高さ 待つのは死の運命だけ!」なんて言ってます。

 「エイジャの赤石」を所有しているのがリサリサであるコトが判明。カーズ達が何故「赤石」を求めるのか、それは、太陽を克服し、究極の生物になるために「石仮面」を完成させるのに必要なものであるから。石仮面は自分たちの食料である吸血鬼製造という目的のみで作られたのではなかったらしいです。

 修業の最終試練に向かったジョセフを待ち受けていたのはエシディシ。師範代ロギンズはエシディシにすでに殺害されていました。ワムウよりも先にエシディシとのバトル開始。当時の作風/お約束からいって、順位/ランクの低い敵から倒すってもんなんですが、作者、ワムウ気に入ったのかなあ。


<9巻>

 前半はエシディシ戦が収録。そしてこの前半で決着が着きます。人間よりも上位の存在である「柱の男」がたかだか単行本半分で消滅。この濃厚ぶり。スタンド使い一人倒すのに1巻以上使ってる最近のジョジョバトルも好きですが、この頃のテンポの良さも捨て難い。

 エシディシの「あんまりだアアア」は超名言。お前があんまり。ジョセフ、戦闘中マスクが取れますが、その後のスージーQとの会話といいどうやらこの3週間ずっと付けてた様子です。飯は?

 そして後半は奪われた赤石を追ってスイスへ。カーズ登場、その流法が「光」。シュトロハイムもドイツの科学力で復活して再登場。その役目は、カーズの技公開の試し割りでした。最後は崖下へと滑り行くエイジャの赤石を追って、カーズとジョセフ、両者落下。


<10巻>

 落下をどうにか免れたジョセフ。この落下中にカーズとの二転三転する駆け引きがありましたが、ホントに落ちてる途中かと思わせるノリです。

 その後、カーズが隠れてる館を突き止めた波紋戦士一行ですが、ジョセフのみ昼に攻めるのはヤバいと躊躇。策士ならではの判断を見せます。それでも一人押し切って館へ向かったシーザー。石仮面にまつわるツェペリ一族の悲劇。祖父ツェペリ男爵のみならず、父マリオもまた過去に「柱の男/カーズ」に殺害されていたコトが判明しました。ガキ時代のシーザーが別に美形じゃないのが荒木氏らしいです。

 中盤からはシーザーVSワムウ開始。ワムウも館に到着していました。ここではワムウの闘いに関しての天才性が強調されています。シーザーあっさり死亡です。ワムウはジョセフの知力戦術に対抗する経験とカンの持ち主、という感じのキャラでしょうか。

 シーザーの敗北は、それ自体はかなり呆気無く訪れたんですが、ワムウの解毒剤入りピアスを奪うエピソードや、その次の回でもラストに見開きで悲しまれてたりと、愛されてる感じ。


<11巻>

 柱の男VS波紋戦士。ジョセフVSワムウ、そしてカーズVSリサリサのサシ勝負が古代ストーンサークルを舞台に開始。

 この11巻ではジョセフVSワムウが収録なんですが、戦車戦なる変格バトル。雰囲気が何故か北斗の拳チックに。ジョセフに毒リングを埋め込み、さらにはエシディシよりも後回しになり、シーザーをも倒したワムウとの因縁の対決だけに真っ向からのドンパチが見たかった気もちょっとしますね。

 何度もひっくり返る勝負でしたが最後はジョセフの勝利。解毒剤入りピアスやシーザーのバンダナまでもが戦いに絡んでの熱い勝負でした。


<12巻>

 2部クライマックス。カーズはリサリサとまともに闘うつもりなど毛頭なく、騙し討ち。吸血鬼に取り囲まれて絶対絶命のジョセフでしたが、ここでシュトロハイム率いるナチス親衛隊&スピードワゴン財団特別科学戦闘隊到着。

 その隙にジョセフはカーズに接近。リサリサを人質に不利な戦いを強いられるもジョセフ、カーズに波紋を喰らわせます。ワムウ戦に較べるとまったく呆気無いバトルでした。しかしカーズ、最後の力でエイジャの赤石を嵌め込んだ石仮面を装着。紫外線を浴び、石仮面から飛び出た骨針がカーズの脳に食い込み、究極生物へ変貌。

 このシーンで一瞬カーズはコブラのクリスタルボーイのような姿になります。これカッコイイ。究極生物のデザインはこれでいって欲しかったんですが、その後普通に戻ります。描くの大変だからかなあ。

 究極生物となったカーズは、自身のDNAに刻まれた地球上の全ての生物の能力を兼ね備えています。変身するは空飛ぶはマグマからも身を守るはでまさに無敵。そういや「ターミネーター2」が公開された当時、この映画作ったヤツ絶対ジョジョ読んでるという声があがりましたが、この辺まさにそう思わせる何でもあり状態。

 ラスト、火山噴火の勢いでカーズは大気圏外に追放。最後のこれ、ほとんどまぐれでのジョセフ勝利です。

地球、メッチャヤバかった。

ジョジョ史に残る地球ピンチ度数でした。結局カーズ殺せていませんし。コミックスにして8冊ながらも異様に密度のあったジョジョ2部「戦闘潮流」、これにて終了。


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