ジョジョの奇妙な冒険
第1部 ジョナサン・ジョースター -その青春- 


<1巻>

 トータル5部/全63巻、さらに第6部「ストーンオーシャン」が連載されている「ジョジョ」の1巻です。この巻では初代ジョジョことジョナサン・ジョースターと彼のライバルにして「ジョジョ」シリーズを代表する大ボス、悪のカリスマ/ディオ・ブランドー、この二人の確執/石仮面を巡る謎の始まりが描かれています。

そのディオなんですが、本編において主人公よりも先に登場しています。

この作品の裏主人公です。魔少年ビーティーに頭脳のみならず身体能力も与え、腹黒く造り上げたキャラ、でしょうか。連載初期のこの巻の前半部分はジョナサンに対するいじめがひどい。今現在「ジョジョ」と聞いて思い浮かぶ作品のイメージとはかけ離れています。まるで違う漫画です。

 初代ジョジョたるジョナサンですが、典型的な紳士キャラ。もうディオにいじめられる為のみの設定としか思えないほど真面目一貫。

 ディオが薬に毒を盛っていたのではないかとジョナサンに問いつめられるシーン、ここ昔読んだ時は(何だよディオ、卑劣を極めるならウソ付いて凌げばいいだろ)と思ったのですが、改めて読み直すと、クズみたいな父親の名誉に誓うなんて出来ないって気持ちが理解可能でした。誇りがジョースター家乗っ取り計画の邪魔になってしまったのですが、譲れない部分がある感じです。


<2巻>

 ディオが石仮面の力で吸血鬼へと変貌、ジョースター邸炎上の果て、ジョジョ勝利までを収録。

 この巻から荒木節がビシビシ出て来ます。とりわけ「URYYYYYY!!」「貧弱! 貧弱!」は有名。ってどれもディオの台詞です。連載初期は異様にテンポが早くストーリーが進展しますね。

 石仮面の謎が判明。『吸血鬼を造り出す』道具です(この第1部の段階では)。そして吸血鬼の弱点は太陽光。ディオが浮浪者をサンプルとして解明しました。自ら「人間をやめる」と叫び吸血鬼へ。使った血はジョージ・ジョースター卿のものです。こうしてみると3部のディオの身体を構成しているのはほとんどがジョースター家の肉体です。

 ジョースター邸の壁を歩きながら昇るディオの描写など非常にカッコイイです。そしてどうにか実直青年ジョナサン勝利。ディオの死にゴマがやけにちっちゃくてイマイチ。エレナも再登場して大円団かのように思わせてのディオ復活で次巻へ。


<3巻>

 ジョナサンVSディオ第2ラウンド開始といった感じの巻で、ジョジョはツェぺリの元で波紋の修業を、ディオは切り裂きジャック/タルカス/黒騎士ブラフォードを「屍生人(ゾンビ)」として配下に。

 吸血鬼の力に対抗すべく、太陽の光と同じ波を持つ「波紋法」なるものが登場。最初の頃はセンドーなんて呼ばれ方もしています。この辺はなんでしょうか、当時「北斗の拳」などがヒットしていたので、バトル漫画なので見栄えのある必殺技、のようなものを導入したのでしょうか。

 ジョジョの「波紋法」の師匠になるツェぺリ男爵もヒットキャラです。ジョジョ同様真面目なんですが、どことなくコミカルさがあります。見た目や擬音など。

 巻の中盤からはディオの潜伏先「ウインドナイツ」へ。入り口のトンネルでは切り裂きジャック登場。ジャックとの闘いで波紋の修業の成果を見せるジョジョ。そして町に突入するとジョジョ一行の前にいきなりディオ再登場で、タルカスとブラフォード、2名のゾンビをけしかけます。

 ディオの「オレは歴史さえも下僕にできるッ!」という台詞からこの2人の騎士の説明が始まるのが面白い。読者に向かってしゃべってますよ。


<4巻>

 表紙、ジョナサンですよね? 不敵な笑みがジョセフに見えるんですが。

 前巻の続きでジョジョとブラフォード/タルカスとの闘い。ブラフォードは最後に人間の心/痛みを取り戻しましたが、タルカスは悪党のまま消滅。タルカス戦ではツェぺリも命を落とします。3巻で登場して4巻で死亡。早い早い。そういや昔はアイドルも寿命短かったよなあ。ウインクとか。

 タルカス戦はあからさまに「北斗の拳」ノリで、読んでてちょっとこそばゆい感じ。ジョジョがケンシロウしてます。

 ディオの潜む館へと向かう途中、ツェぺリの波紋の師匠トンペティが二人の弟子ダイアーとストレイツォを従え登場、ジョジョ一行と合流。ツェぺリの回想シーンで出てきたトンペティがすかさず現われちゃう辺り、初期です。


<5巻>

 この巻にて、第1部終了。ジョセフ・ジョースターとディオ・ブランドーの長きに渡る闘いに決着が付きます。

 ディオの十八番能力は「気化冷凍法」。ダイアーがその能力紹介の為だけに死亡。ホント、前巻で登場したのはこの能力に瞬殺される為だったとしか思えないほどあっさり。あ、何だかここ読んでていきなり思ったんですが、一瞬の攻防なのに説明の台詞が異様に長いのが「ジョジョ」の天然的な面白味の一つですね。

 んで、ディオVSジョジョ。ブラフォードから渡された剣/ダイアーの用いた薔薇攻撃を駆使しての二転三転する闘い。最後は波紋をぶち込み、ディオの胴体を貫通させてジョナサンの勝利。しかしテラスから落下するディオ、波紋が頭部へと伝わる前に首を切断。

 そして最終戦の舞台は、アメリカへと新婚旅行に向かうジョナサンとエレナが乗り込んだ客船。首だけになったディオがワンチェン(東洋人)を使い、ジョジョの肉体を乗っ取るべく最後の勝負を仕掛けます。ああ、ジョナサンはイイ奴過ぎでしたよ。

 この闘いの最終的な勝者がディオだったコトが分かるのは第3部に入ってから。この巻での象徴的なディオの台詞はこれですね。

「何世紀も未来へ! 永遠(とわ)へ......生きるはずのこのディオがッ!」

一見よくある悪役の常套文句/断末魔ですが、本当に未来へ生き続けジョースターの血統と戦い続けています。


漫画乱雑感想へ

トップへ


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送