藤子・F・不二雄


●「のび太と鉄人兵団」

 ドラえもんはいつでも入れるしいつでも出ていける漫画ですな。物凄い久々に読んでみました。

 短編SFは、形式の面で「何か発明→その発明がエスカレート→問題が起こる→解決してやっぱ最初(自然)が一番」と、極めてマンネリです(マンネリとは悪い意味だけではなく、老若男女誰でも安心して付き合える側面も持っています)。結局のトコロ、各作品のオリジナリティを出す要素は「何か発明」、この部分のネタ/アイデア次第で決定します。短編ドラえもんはダイレクトにそれが見て取れる作品です。

 一方の長編ドラえもんはどうなってるかといえば、冒険ものとしての色合いが強まってます。そして、物語の主役はドラえもんでものび太でもなく、舞台そのものにあてられています。短編で使われてる道具(SF的なギミック)なんかもレギュラーキャラなんかも脇役。

 地球に攻め入るロボットとそれに対抗するドラえもん達の戦い。子供向けに平易な表現で描かれていますが、一つ一つのネタを疑似科学用語で装飾したり、戦いの駆け引きパートの見せ方/隠し方を変えたりすれば、極々一般的なSF作品に出来ます。


「のび太と竜の騎士」

 絶滅を逃れ地底で進化を続けた恐竜人が地上進行計画を立てている、これを知ったのび太達が進行を阻止すべく戦うストーリー。

 話の都合でスネ夫が恐竜やUMAについて滅茶苦茶詳しいのがヒット。年号とか言ってるし。こんなの藤子・F・不二雄自身さえ何か資料うつしただろとしか思えない程の詳しさ。

 文明が地底で進化したらどうなるかのシミュレーションがイイ感じ。排気ガスは出せないので馬車止まりな一方、磁気を利用した移動手段が発明されている、等。

 恐竜絶滅の謎もここでは一つの説が採用されています。よく言われる巨大彗星衝突説なんですが、それが具体的に地上にどう影響するか僕よく知らなかったので楽しめました。

 終盤で武田鉄矢の作詞がいきなり挿入されるのには面喰らいました。映画ではテーマ曲だったのかな。テーマ曲でも何でもなくまるで無関係な曲ならかなり面白いんですが。


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