道元宗紀
●「A・O・N」
全10話にて終了。単行本にして1冊です。単行本になれば。
プロレスを扱った内容で、大きく4パートに分けれます。アオン登場&舞台設定を一気に整えるプロローグのパート、VS浄明パート、VSリボルド・露華パート、VS雪花からエピローグへのパート。
大プッシュというワケではないんですが、結構好きな作品でした。この作者が描いていた思想/主張/考え方が好きです。
自分を騙していないか。妥協や諦観に満ちた今の自分を正当化してるその言葉は本心か、自己弁護の為にいいように言葉を持ってきて守っててそれでいいのか。保身の為に、本来の自分の主義でない常套文句で理論武装してるけど、自分自身それで満足なのか。
こうしたメッセージは主に誰に向けられているかと言えば、オタク的/引きこもり/マイノリティを誇らしげに思ってる現代青年に向かって投げられてるように感じます。既作の「大好王」でも「小心者が大勢の女性の前でカラオケ」に踏み出すという描写があったのが印象深いです。目を向けたくない事実、自己弁護を剥ぎ取り、ガッツリ本心に揺さぶりをかける感じが心地良いです。
以上の部分に道元宗紀の一番素敵なものを感じるんですが、正直な話それは漫画の面白さを左右する要素になってません。一時期は主張の激しさがウケない要素かなとも考えたのですが、主張が激しくなくても打ち切られていたと思います。せっかくの輝き、そこは漫画の面白さに無関係だった。
漫画は、絵であり、キャラクターであり、ストーリーであり、世界観です。画力はありますが、今の流行りの絵じゃなかった。今回はプロレス漫画でチャレンジしましたが、プロレス/格闘モノという題材ならではの面白さは薄かった。この辺がちょっと残念な結果に終わりました。
ラストチャンスだったなんてコメントをしてましたが、次があれば是非とも漫画そのものの面白さに取り組み、描きたいメッセージは人気が出てきてから少しずつ出していって欲しいです。
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